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♪「秘密」 東野圭吾著 文春文庫
友人Hに勧められた「秘密」、読んだよ。「白夜行」に引き続きの東野圭吾だけど、すごく面白くていい話だった。
スキーバスの転落事故に妻と娘が巻き込まれ、妻は死亡し娘が一命をとりとめた。でも意識を取り戻した娘の体には亡き妻の精神が宿っていた…。主人公の、夫として父としての葛藤が手に取るように分かる。それと急に体が中学生に戻ってしまった妻の戸惑いと深い苦悩も…。
最後の最後にどんでん返しがあって、小説の題名「秘密」の意味が分かるんだけど、主人公の気持ちがぐいっと父さんのハートに食い込んできて、ちょっとウルッと来たな。うちは息子ばっかりだから、娘の父(夫)の心持ちにはあまり実感がない。でも年頃の娘を持っている父さん方には実に身につまされる、たまらない話だと思うよ。
妻の決断には賛否両論あるようだ。確かに「それはないだろうよ!」と思わないでもないよね。う~ん、なんとも判断がつかんなぁ~。Hはどう読んだんだい?こんど聞かせてね!
デビューはトリックを駆使した「本格推理小説作家」だった東野圭吾だけど、途中で明確に路線変更をしたらしい。方向性に間違いはなかったな。
この本は広末涼子の主演で映画化されたんだね。そういえば結構話題になったな。結末が原作とは違うらしい。これはぜひ観てみたい。がっかりする出来じゃなければいいなぁ…。