呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気父さんの読書感想文・亥の8「翳りゆく夏」

2007-04-15 | 本の話
翳りゆく夏

講談社

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♪「翳りゆく夏」赤井三尋著 講談社文庫

20年前の嬰児誘拐事件の犯人の娘が、一流新聞の記者として入社試験に合格した。
そのことが週刊誌にスッパ抜かれて、東西新聞社の社長室には人事厚生局長の武藤が呼ばれた。
社長も武藤も、この娘を「大新聞の良識」で何とか入社させようとする。
不祥事で窓際に追われている梶が、昔担当した誘拐事件を再度洗い始める・・・。

事件記者もので、テンポも良くストーリーもきっちり構成されており
面白くて、どんどん読めた。
新聞記者ものと言うと、どうしても横山秀夫の「クライマーズ・ハイ」と比較してしまう。
「クライマーズ」と較べると、テンポ感・迫力などでちょっと地味かな、と思ったが
最後に、思わず「こう来たかぁ~!」と唸ってしまった。
途中で「共犯者」について、ひょっとしたら・・・と複線はあるんだけど
実際にラストまで読んで、「なるほど!そういうことか」と感心した。
若干の無理はあるものの、そんなことは気にならないストーリー構成だな。
著者の赤井三尋はニッポン放送からフジTV報道局に転進したジャーナリストだ。
やっぱり現場を経験している筆者の記者ものは迫力が違う気がするね。

「それじゃ分からん」と言われるだろうが、推理小説のネタ明かしをする訳にはいかんものねぇ。
でもさすがに「第49回江戸川乱歩賞」受賞作品だ。文句なく面白く読めるよ。
お勧めの一冊であります!

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