七夕しぐれ (光文社文庫) | |
熊谷 達也 | |
光文社 |
♪「七夕しぐれ」熊谷達也著 光文社文庫
昭和40年代前半。カズヤは小学5年生。父親の仕事の関係で、宮城県北部のT町から仙台市内のO町に引っ越してくる。
O町は青葉城の橋の麓で広瀬川のほとりに位置している。
長屋のように並んだ5軒の小さな一軒家。そこにはクラスメートのユキヒロとナオミも住んでいた。
3人はすぐに仲良しとなるが、クラスで差別によるイジメに合う。
しかし3人で力を合わせ、クラスの連中や先生方に敢然と立ち向かう…!
少年たちの瑞々しい感性と怖いもの知らずの勇気と勇敢さに、素直に感動し思わず拍手を送りたくなるのだが…。
舞台がどこか別の地方都市ならなんの問題もなかったのだが、僕の故郷の仙台だけに微妙に複雑な苦味が胸に残った。
仙台にも差別があったの?小学校でイジメ?エタ?何それ??
主人公とはほとんど変わらない年齢の僕(少し僕が上)だけど、そんな経験は全くなかった。
差別なんて自分の周りでは無縁と思っていた。
僕が甘かったのか、世間知らずだったのか!?
描かれる昭和40年代の街の風景もちゃんと思い描けるだけに、まさに複雑な気持ちで読むことになってしまった。
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この本は、3日で読んでしまった。普通はそんなもんなんだけどね。
因みに筆者の熊谷達也氏は、僕の会社の友人“Kっつぁん"の奥さんとT町の高校で同級生だったそうです。