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♪「愛のひだりがわ」筒井康隆著 新潮文庫
久しぶりに読んだ筒井作品だったけど、正直面白くなかった。
筒井康隆と言えば、父さんが高校から大学にかけての70年代に
小松左京や星新一とともに日本SF界の三羽烏みたいに賞賛されていた。
それにブラックユーモアとアイロニーに満ち満ちた作品も多く
高校の頃は読むのが楽しみだったんだなぁ。
「時をかける少女」「俗物図鑑」「農協月へ行く」「日本以外全部沈没」・・・。
最近では「私のグランパ」「ロートレック荘事件」など、SFとは一線を画した
推理ものや、人情ものも書いていた。
この「愛のひだりがわ」は、どういう系譜だろう。
SFと言えば確かにそうだ。そして義理人情も入っている?
でもなんかぱっとしないなぁ。
「私のグランパ」は、映画化された(TVだっけ?)ぐらいで、結構感動的だったけど
この話しもその流れを踏襲している割には、冴えないな。
近未来の、荒み切った街を一人の少女が父親探しの旅に出る。
行く先々で、友人や犬や老人、暴走族に助けられて成長してゆく・・・。
でも途中も、エンディングも中途半端。
筒井さんも、断筆宣言から復活後、ちょっと筆先が鈍ったかなぁ。
この本は友人Yに借りたもの。Yもイマイチだとは言っていたが
自分で買った本だったら、もっと文句を言っているね・・・。
子供向けに書かれたものだと解説されてゐましたが、それで少し納得。
ところで、過去の讀書に關する記事、共通してゐるものにTBつけさせて頂きました。
いまさらな感なきにしもあらずですが、これからもよろしくお願ひします。
さてと、M1グランプリでも見やうかな(笑)
仙丈さんは、新作をきっちり新刊本で読んでいらっしゃる。偉いですね。
私なんてケチだから、文庫本まで待ったりして・・・。
「愛の・・・」は子供向けですか、道理で・・・。
なんか宮部の「ブレイブ・ストーリー」を思い浮かべたんですがね。
昔のグロっぽい筒井も懐かしい。