プラチナデータ (幻冬舎文庫) | |
東野 圭吾 | |
幻冬舎 |
♪「プラチナデータ」東野圭吾著 幻冬舎文庫
ほんの少し先の近未来の日本。国民のDNAを登録し、事件が発生した時の捜査の証拠とする法案が成立した。犯人の残したDNAと登録されている者のDNAとの類似性から、身元を特定し犯人に酷似したモンタージュまで作成できる。
警察では、地道な聞き込みや長年の勘による操作はもはや不要とまで言われた。しかしある連続殺人事件では、犯人と一致するDNAが発見できず、捜査は息詰まる。
しかしそのうちにDNAによる捜査を担当する警察庁特殊解析研究所の主任解析員が連続殺人犯として警察から追われる身に…。
久しぶりに面白くて、読書にのめり込めるミステリーに出会った。飯を食べる時間もトイレの時間も勿体なく感じる面白さ。
まさに4~5年先には、国民総背番号制どころか、DNAを全員登録する世の中にならないとは限らない。僕は国民一人ひとりに番号を設定して、住民票などをどこでも取得できる、税金の徴収などを公平に行う、などは良いことだと考えている。
でもDNAまで登録して、本人どころか親族のことまであからさまになることは如何なものかと思う。まぁ、その辺がフィクションであるのだが、ひょっとして!?と思わせるところが、東野さんの上手いところだ。
とにかく面白くハラハラしながら、そして犯人の謎解きという推理小説の王道も盛り込んだ秀作と思う。
面白さ度・お勧め度 ハート4つ!