笑う警官 (ハルキ文庫)佐々木 譲角川春樹事務所このアイテムの詳細を見る |
♪「笑う警官」佐々木譲著 ハルキ文庫
今年の直木賞受賞作家、佐々木譲の一連の北海道警モノの第一作目となる作品。
直木賞を受賞した「廃墟に乞う」を読みたかったが、僕の本の読み方として、基本的に作家を年代を遡ってデビュー作とかシリーズ第一作から読むのが好きなので、この話から読むことにした。
札幌市内のマンションの一室で婦人警官の他殺死体が発見される。容疑者は同僚で交際相手だった津久井巡査部長。
津久井巡査部長は覚せい剤中毒で銃器を所持しているということで、射殺命令が出た。所轄の佐伯警部補は、津久井の潔白を信じ仲間の警官と独自の捜査を始める・・・。
実際にあった北海道警の不祥事も絡め、組織を守るためなら無実の仲間さえも生贄にしようとする警察内部のドロドロした腐敗と不正、不条理がリアルに描かれている。
警察組織が無実の津久井を射殺してまで口封じを行うのが先か、佐伯たちが真犯人を挙げるのが先か・・・。
スピード感溢れるサスペンスで、一気に読んでしまった。なかなか面白く、確かに秀作だ。
う~ん、でも同じ警察小説なら、やっぱり横山秀夫の方がもっとスピード感があり、手に汗握り興奮する。星(ハート)ひとつ分横山の小説が秀でているなぁ。
最も、1冊しか読んでいないのだから、偉そうに感想を言うのもなんなんですけどね・・・。
札幌市内の詳細な描写などが懐かしい。この北海道警シリーズはもっと読んでみようと思う。