呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気オヤジの観る・聴く・丸呑み!~DVD「おくりびと」

2009-08-14 | 映画(DVD)の話

♪「おくりびと」DVD

絶対観たかった作品。
映画館の入場料をケチって「誰か一緒に行ってくれれば1,000円だ」なんて同行者を探しているうちに上映期間が過ぎてしまった。
最近こういうパターンが多いんだよね・・・。

ストーリーは今更ご紹介する必要もないでしょう。アカデミー賞の外国語映画賞まで獲得した名作です。

納棺師という仕事に次第に遣り甲斐を見出してきた大悟。そんな夫の気持ちが理解出来ない妻の美香。
9年前に妻に先立たれて納棺師の仕事を始めた社長の佐々木、訳ありの過去を持つ事務員の上村、母親を亡くして大悟の仕事を認める幼馴染の山下、山下の母親が経営する銭湯の常連客平田、そして30年以上前に失踪した大悟の父・・・。
それぞれの人生模様が胸に響く。
そして近親者の「死」に直面した家族たちの想いも様々だ。
それぞれの「死」に対峙する家族を想うと、胸が熱くなり涙が出た。


佐々木社長(山崎努)の台詞
「夫婦ってのはいずれ死に別れるんだが、先立たれるのは辛い」
「綺麗にして送り出した。俺の第一号だ。それ以来この仕事をしている」

火葬場の係官平田(笹野高史)の台詞
「長いことこの仕事をやっていると思うんだ、死って『門』だなって。死ぬってことは終わりではなくて、そこを通り抜けて次へ向かう、まさに門なんです」


最初はいやいやだった?納棺師の仕事に遣り甲斐と誇りを持ち、「この仕事は素晴らしいんだ、旅立つ人々を和やかに送り出す役目なんだ」ということを妻に理解して欲しい大悟の心持を、一言も台詞として発することなく表現する本木雅弘の芝居は凄い。
モックンも良い俳優になったなぁ。
チェロの演奏シーンも上手。大したもんだ!
広末涼子も、ただのプッツン女優じゃないね。
深刻で暗くなりがちな題材を、コミカルでかつペーソスを効かせて観客をぐいぐい引き込む脚本と監督の力量にも感心する。
最近の日本映画、なかなか良いじゃないか!!


追伸・1)
死の原因、最後の時の状況はいろいろでも、柩の中の死者の寝顔は一様に安らかだ。
「死」により苦痛や心労から解き放たれるからだという話もある、
でもまさに納棺師が遺体を清め、着替えさせ、化粧を施して柩に納める間に、死者の表情も和らぐような気がする。
それは納棺師の心を込めた「仕事」の故でもあるように思える。

追伸・2)
妻を納棺するときに、「生前好きだった服や一番本人らしい服があったらご用意ください」と言われた。
でも僕にはGパンにTシャツ姿の妻しか思い浮かばなかった。
昔は服飾関係の仕事をしていたぐらいだから、いろいろ服だって欲しかったろう。
でも最近ではすっかり自分のことは我慢して、家族や家のことばり優先していた。
もう少しお洒落もさせてやりたかった。
そういう意味でも「これから」だったのに・・・。
やはり、先立たれるのは辛い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする