♪「のだめカンタービレ #23」二ノ宮知子著 講談社コミックスKISS
あ~ぁ、ついにのだめがグランド・フィナーレを迎えてしまった。
残念だなぁ~、さみしいなぁ~。
かつてこれだけ笑えて、泣けて、胸がキュンと来るクラシック音楽漫画があっただろうか!?(と、みんなが口を揃えて言っている)
「のだめ」については、これまでも何度も書いているので繰り返しは避けるが、僕にはこの漫画に登場する若き音楽家たちが羨ましくて仕方がない。
もちろん、いくら自分が音楽好きであっても、音大に行ってプロの音楽家になるほどの力は全然ないことは知っていたから、その道は選ばなかった。
でも、ここに登場するメンバーはなんと楽しそうに音大生活を過ごし、なんと素晴らしい演奏活動を経験しているのだろう。
漫画の中のお話と分かっていても、羨ましい限りだ。
まぁ、もっとも僕も最近は男声合唱に巡り会って、結構充実した音楽活動に身を置いている。
のだめを読み始めた頃は、何か音楽活動をやりたくて悶々としていた。
今は一応そのモヤモヤが晴れたので、幸せであります。
アマチュアだって十分に楽しめるさ!
音楽を自ら楽しみ、そして聴く人に感動を与えたい。この気持ちはプロもアマも一緒です!
さて、前号までは・・・。
Ruiに千秋とのコンチェルト共演の先を越され、落ち込むのだめ。
シュトレーゼマンの巧みな誘いにより、なんとロンドンフィルとショパンのピアノコンチェルト1番を演奏し、プロデビューを果たしてしまう。
そしてその演奏があまりにも素晴らしく、千秋とコンチェルトを共演してもこれ以上の演奏をする自信がないと悩んで落ち込んでしまう・・・。
そしてグランド・フィナーレ。(以下、ネタバレあり。でも随分端折っていますが)
メランコリック・ロンリー・ジャーニーから帰ったのだめは、意識的に仲間と接触せず、子供たちと遊んでばかり。
「もじゃもじゃ組曲」や「おなら体操」を子供たちと楽しそうに弾く姿を見て、千秋はもうこれ以上クラシックに縛り付けるのは止めようと思う。
しかし、たまたま“まじめに”弾いたベートヴェンのソナタを聴いて、千秋はやはりのだめをクラシックの更なる高みに引き上げてやりたいと思い直す。
強引にのだめの手を引きピアノの前に座らせる千秋。
「モーツァルトの2台のピアノのためのソナタ、これなら弾けるだろう?さぁ、いくぞ!」
初めて二人で共演した曲、のだめは弾きながら以前のピアノへの情熱と千秋への想いを取り戻し、たちまち演奏に夢中になる。
弾き終わって目を合わせる二人。
「しぇんぱいの背中、飛びつきたくてドキドキ。これってフォーリンラブですか?」
こうしてのだめは、コンセルヴァトワールにも戻りプロとしての演奏会も引き受け、音楽とピアノの真髄を目指し千秋と共に歩むことを決めたのでありました・・・! FIN
本単行本の最後の方に出てくる、僕のお気に入りの言葉。
「何百年も前に記された音符が、生まれ育った国も性別も目の色も、なにもかも違うふたりに同じ音を思い描かせる。わかり合えないと思っていた人と、たった一音でわかり合えたり、惹かれ合ったり・・・」
う~ん、音楽のまさに真髄であります。
のだめと真一、そしてその仲間たちに、心からBravi!!