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ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.3.11 そして4年が経った~「希望の地図 3.11から始まる物語」とご訪問者70万人突破御礼

2015-03-11 19:43:00 | 読書
 2011年3月11日、14時46分―東日本大震災のあの日から、4年が経った。
 もう4年、なのか、まだ4年、なのか。中学3年生だった息子が卒業記念にお友達と初めてテーマパークに出かけ、帰ってこられなくなったあの日。その息子は今や大学1年生、あと半月で2年生になる。
 それだけの時間が過ぎているということだ。

 あれから4年が経った。
 あの日のこと、そしてそれからのことを忘れまじ、との思いで“「被災」はいまも続いている-。徹底取材により紡がれた渾身のドキュメントノベル”という帯に惹かれて重松清さんの「希望の地図 3.11から始まる物語」(幻冬舎文庫)を読んだ。

 裏表紙には「中学受験失敗から不登校になってしまった光司は、ライターの田村章に連れられ、被災地を回る旅に出た。宮古、陸前高田、釜石、大船渡、仙台、石巻、気仙沼、南三陸、いわき、南相馬、飯館・・・。破壊された風景を目にし、絶望せずに前を歩く人と出逢った光司の心に徐々に変化が起こる-。」とある。
 本書は「日刊ゲンダイ」の2011年9月13日から2012年2月10日までの連載をまとめたものだという。2012年3月に単行本として発行され、今年2月に文庫化されている。
 表紙を開くと2011年とあり、本文各章の取材エピソードに沿ったカラー写真~泥の汚れを乾かすために洗濯バサミで止められた沢山のスナップ写真、壁に貼られた石巻日日新聞等~が並び、言葉にならない思いが溢れてくる。そして、読み終わった後には同様に2014年のカラー写真が並ぶ。

 光司君は、何か訊かれた時に「すみません」と言ってしまうのが口癖。そのことを筆者の分身であると思しきライター田村さんから指摘される。「自分が悪いことをした時じゃなくて、相手の期待に応えられない時に謝っちゃう性格なんだな」と。
 ああ、同じだ、と思う。私がそうだった。いまだにそういうことがある。先方が期待していることを自分なりに先回りしようとする。それがその時に叶わないとなると、別に悪いことをしていなくても、すぐに「すみません」「申し訳ありません」と言ってしまう。
 大昔、秘書をしていた時、ボスにもそう言われたことがあった。「いや、君、すみませんじゃなくてね・・・」と。そう言われるとますます「も、申し訳ありません!」だったのだけれど。その光司君がだんだんと「すみません」を言わずに変わっていくところが、しみじみと良かった。

 14時46分、学内一斉の黙祷の合図はなかったから、勝手に一人で黙祷を済ませた。
 4年前、有無を言わさず一瞬のうちに命を奪われた1万5,891人の方たち、いまだに行方不明の2,584人の方たちの無念を想うと、“細く長くしぶとく!”と日々萎えそうになる気持ちを奮い立たせて治療をしている身とはいえ、命を繋げていることについて素直に感謝しなければならない、と思う。
 もちろん、誰しもずっと生き続けることなど出来ない。“佳人薄命”とか“憎まれっ子世にはばかる”などと言ってみたところで、100年以上生きることが出来る人だってそうはいない。私の遺された時間があと何年かは神のみぞ知るだけれど、だからこそ、生かされているうちはそのことの意味を改めて考えていたいと思う。

 さて、今朝、ご訪問者数が70万人を超えたことに気づいた。
 去年の2月初め、50万人突破御礼を書いているので1年ちょっとのこと。このペースでいけば、これから1年半綴り続けることが出来れば100万人突破も夢ではないかもしれない。
 1年半、頑張り過ぎずに頑張っていけるだろうか。
コメント
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