生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2345 ・本日審議入りした安保法制諸法案は憲法違反――最後は全権委任法へ

2015-05-26 08:16:51 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2345(1505026)をお届けします。

・本日審議入りの安保法制諸法案は憲法違反――最後は全権委任法へ

 安倍首相が異常な熱意で成立させようとしている「安保関連諸法案」。本日5月26日にいよいよ審議入りします。安倍政権は「野党も必死で抵抗してくるだろうが、国会会期を2か月ほど延長すれば、成立させられるだろう」と、高をくくったスケジュールを予定しているそうです。

 このように安倍政権に軽く見られるくらい、野党の対応は生ぬるい。本気でこれら“戦争法案”を廃案に追い込もうとしているのか極めて疑問です。

 そもそも今回の安保諸法制は、世界中どこへでも出かけて戦争ができるようにするものであり、この法案そのものが憲法違反ではないですか。

 憲法9条は、「武力による国際紛争の解決は放棄する」「国の交戦権は認めない」としています。自民党政権下でも、当時の中曽根首相をはじめ歴代の首相が集団的自衛権は行使できないとしてきました。集団的自衛権は、憲法の規定から見て、「行使できない」という判断が国民的に定着していました。

 それを安倍政権は昨年7月、「行使できる」と憲法解釈をこじつけ変更しました。事実上、憲法を改定したのです。

 一内閣が、たかが閣議決定などで憲法を変えられる?

 その解釈改憲を実効あらしめるための法案が具体的に出てきたのです。野党は、憲法違反の立場から全面的に否定し、阻止するためのあらゆる手段をとるべきですよね。

 しかし、野党第一党の民主党は、「歯止めの『新3要件』の基準があいまい」と批判する程度です。民主党自身が集団的自衛権の行使を認めているのだから、安倍政権追及も迫力に欠ける。

 自民党は野党側の腰抜けぶりを見て、さらに「敵基地攻撃もできる」というところまで「例外」を増やそうとしています。「小さく生んで大きく育てる」つもりが、産み落とす前から、「大きく育てる」動きが強まっているのです。

 野党は、「昨年7月の解釈改憲の変更は憲法違反」と、違憲訴訟を起こすべきです。時機を逸したきらいはありますが、いまからでも最初からやり直すしかない。

 仮に訴訟に持ち込んでも、最高裁は「高度な政治的問題は、最高裁の判断にそぐわない」などととぼけた屁理屈で判断停止をし、門前払いを食らわせるでしょう。しかし、それでも最高裁の腰抜けぶりを天下にさらす必要があります。

 集団的自衛権の行使容認を違憲とする訴訟を起こすことで、もういちど憲法論議に戻すことができるかもしれない。

 もし、集団的自衛権の行使容認に対して「合法」とする法的措置が定まれば、次はもっと怖い法律が出てきます。「緊急事態法案」です。これはヒトラーの「全権委任法」に匹敵する悪法です。

 戦後70年の今年は、日本の骨格が変貌させられる大規模なパラダイム異変に直面しています。

 


2344 ・まともな討論ができない安倍首相と野党党首

2015-05-25 09:17:26 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2344(1505025)

 ・まともな討論ができない安倍首相と野党党首

 安倍首相は、国民が知りたいことについて国会答弁でも真正面から率直に答えません。それでもここまで政権を維持しているのは、「私は総理だ。最高権力を有する私が答弁しているのだから、間違いはない」という奇妙な紋切り型答弁など、無茶苦茶論理で切り抜けてきたからです。

 野党は、「オレが総理なんだ」という答弁に有効な対抗策を持ち合わせていません。野党の知能程度もいちじるしく劣化しているからだといえそうです。

 朝日新聞は本日5月25日の朝刊3面で、「かみ合わない首相答弁」という見出しの記事を掲載しました。20日に行われた今国会初の党首討論の実りの無さを取り上げたものです。

 まず、民主党の岡田克也・代表が集団的自衛権を行使できるようにするための安全保障関連法案について、「アメリカの戦争に巻き込まれる可能性が強まる。自衛隊員の生命の危険性も高まるではないか」と質しました。

 安倍首相の答弁は、「アメリカの戦争に巻き込まれるという“巻き込まれ論”は、60年安保闘争当時もあったが、それが誤りだったことは歴史が示している。自衛隊員の生命が危険にさらされることはない。私が総理であり、『ない』といっているのだから『ない』」でした。

 「巻き込まれ論が誤りだったことは歴史が示している」というくだりは、明らかに歴史の読み誤りです。60年安保後も日本が戦争に巻き込まれなかったのは、「戦争に強く反対」してきた世論の抑止力が機能したことによるものです。

 また、「総理の私が言っているのだから、間違いはない」にいたっては、ガキ大将レベルのモノいいにすぎません。後方支援で弾薬などを運びこむなどの作業は、従来より危険が高まることはだれの目にも明らかです。しかし、それを認めれば法案成立に支障が出るおそれがあるので、「ない」だけで押し通す。

 安倍首相のウソとごまかしの例は、この「箕面通信」でもたびたび取り上げてきました。共通するのは、答弁にもならない答弁を平気で繰り返すあつかましい心臓と恥ずかしさを感じない頭脳のおかげです。

 討論というものは、相手の質問にまともに答えることが最低でも守らなければならないルールですよね。そうでなければ民主主義は成り立ちません。

 ましてや、「自分が最高責任者だ」という答弁は、「だからオレに従え」であり、少数意見にも配慮しながらできるだけ多くの人の気持ちをくみ取って進めなければならない政治は望むべくもない。

 つまり、安倍首相は、民主主義の基本すら理解できない低能レベルと言わざるを得ません。

 情けないのは、そうした実りのない討論を繰り返す国会の状況に、ジャーナリズムがきちんとした批判を加えないことです。きちんとした批判を加えられないほどジャーナリズムも劣化しているからです。朝日新聞はかろうじて国会の状況を批判しましたが……。

 戦後70年、民主主義は劣化の歴史をたどってきたと言えます。これは、私たち一般大衆が劣化してきたことをも意味するのではないでしょうか。その劣化のあとに来るのは、恐ろしい社会です。

 


2243 ・ユダヤ人政権が核軍縮をつぶした

2015-05-24 09:06:25 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2243(150524)をお届けします。

・ユダヤ人政権が核軍縮をつぶした

 4週間にもわたって続けられた核不拡散会議が一昨日5月22日、決裂しました。目だった成果をあげられぬまま、閉幕せざるを得ませんでした。愚かしいというべきか、情けないというべきか。

 ニューヨークの国連本部で4月27日から開かれていた核不拡散条約(NPT)再検討会議は、核軍縮について前進するどころか、むしろ後退した印象を残して終わったのです。参加190か国の多くは、懸命にまとめる努力をしました。

 ところが、ごく一部の国が立ちはだかり、合意を阻止したのです。ユダヤ人の国、イスラエルです。しかし、このイスラエルは、NPTには加盟していない。だから、会議に出席する資格はなく、当然、議場にその姿はありません。

 ではなぜ、会議をつぶすことができたのか。それは、アメリカが、イスラエルの代理役を果たしたからです。

 問題の核心は、中東に非核地帯を創設する構想でした。これにイスラエルが「絶対反対」なことです。5年前にもこの構想が打ち出され、2012年に構想実現のための会議が開催するはずでしたが、これもつぶされました。イスラエルは実質的な核保有国とされ、中東が非核地帯となれば、その対象はイスラエルの「核」に向くことは明白と非常に警戒しています。イスラエルにとっては死活問題と考えているのです。

 ユダヤ資本は、アメリカの金融界(ウォールストリート)をはじめ、ワシントン・ポストなどの有力メディアも抑え、日頃のロビー活動は最大の力を発揮、大統領選でもユダヤ人界の協力なしには進められないほどの影響力を有するだけに、オバマ大統領もイスラエルのネタニヤフ首相を敵に回したくない。

 しかし、こうなると次の展開は中東の雄国サウジアラビアが核開発に乗り出すおそれが現実味を帯びます。もちろん、イランの核開発阻止もとん挫し、むしろ開発が促進されるかもしれない。こうして、次々に核開発が進む「核ドミノ」が拡がりかねない。

 日本は、唯一の被爆国として、核保有国と非核保有国との間に立ち、核非拡散の旗振り役を果たす世界的な責任があるはずです。しかし、アメリカの核の傘の下にあることを最大の抑止力としている安倍政権は、折角の役割りも果さず、あるいは果せず、今回もアメリカの後ろにくっついていく従属国家の姿をさらしたのでした。

 「世界の指導者がヒロシマ、ナガサキを訪問することを合意文書に盛り込むよう」努力はしましたが、これは安倍政権に対する中国の強い反発に遭い、かすかに痕跡を残すだけにされました。

 安倍政権の外交力の弱さによって、世界的な役割も果たさず、結果的に国益を損なっています。

 


2242 ・独裁色強める安倍政権――日本の民主主義はどこへ?

2015-05-23 08:24:09 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2242(150523)をお届けします。

・独裁色強める安倍政権――日本の民主主義はどこへ?

 日本の安倍晋三という首相が進めている政治は、次第にきな臭さを増し、独裁色が濃くなっています。戦後70年を経て、日本の社会はふたたび「お上が専権を振るう社会」に逆戻りさせられつつあります。

 現在、国会で最大の焦点となっている安全保障関連法案は、26日から審議を始め、国会の会期を2か月ほど延長して、最後は強行採決してでも今国会中に成立させる運びです。民主主義の剣ヶ峰です。だけど、多分そうなるでしょう。

 戦後70年間、一人の外国軍部隊も殺さず、一人の自衛隊員も殺されずに、「平和国家」と呼べる実績を重ねてきました。安倍政権はそれをいとも簡単に捨て去ろうとしているのはご承知の通りです。国民の安全と財産を守る」という口実のもと、「平和安全法制整備法案」「国際平和支援法案」という奇妙な名称をつけた“戦争法案”を、何が何でも押し通そうとしています。

 安倍首相は就任早々、「戦後レジームからの脱却」を掲げました。これが究極的に意味するところは、「さきの大戦が侵略戦争ではなく、正義の戦争だった」というように歴史を修正することにあります。戦後レジームとは、マッカーサー占領軍による憲法制定をはじめ、民主教育の実施などの戦後の枠組みを指すわけだから、戦前の旧体制へアンシャンレジームしようとしているわけです。

 すでに「特定秘密保護法」も制定しました。戦前・戦時中に猛威を振るった「治安維持法」に匹敵する悪法です。

 戦後農政が民主化されましたが、それも元に戻すべく「農協改革」を強行しようとしています。教育の逆コースは、すでに相当程度まで進んでいます。教科書検定が強化されています。先生方も完全な国家管理のもとに置こうとしています。

 数々の民主的な労働法制も着々と悪い方向へ改変させられ、いままた労働者派遣法の改定によって、残業代タダ、働かせ放題の労働現場が実現させられようとしています。

 格差は広がり、特権階層と恵まれない貧困層が固定化する社会になってきました。

 そうした逆コースが進むのと歩調を合わせて、安倍政権は独裁色を強めています。典型的な例は、原発再稼働。国民の多くがどんなに反対しても、われ関せずで動かそうとしています。

 辺野古での最新鋭米軍基地建設もそうです。どんなに反対が強くても、われ関せずです。どんどん進めます。

 独裁です。それを、国民が許しています。漂流状態の日本の民主主義はどこへ行くのでしょうか。

 


2341 ・安倍首相が殺したようなもの。が、「誤りはなかった」とお手盛り検証

2015-05-22 08:19:19 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2341(150522)をお届けします。

・安倍首相が殺したようなもの。が、「誤りはなかった」とお手盛り検証

 「ボクちゃん、悪くなかったも~ん」と言いたいだけのお手盛り検証結果が公表されました。後藤健二さん、湯川遥菜さん二人の殺害事件の検証結果ですが、こんなものは「検証」の名に値しませんよね。

 何よりも、肝心なことが検証作業から見事に抜け落とされています。まず、「なぜ2人が殺害されなければならないほど日本がIS(イスラム国)に敵視されるようになったのか」という点。検証報告書では、安倍首相の中東訪問は「適切」であり、カイロでの「イスラム国と闘う周辺国に2億ドルを支援する」との演説も、人道支援で問題なかった、としました。

 ところが、ISは、その3日後に二人のオレンジ色姿の拘束写真を掲載し、身代金2億ドルを要求してきました。

 安倍首相側にすれば、「演説は問題なかった。言いがかりをつけてきたISが悪い」と言っているだけです。なぜ、二人が殺されなければならなかったのか、については全く触れていません。

 しかも、ISは、安倍演説後に「日本人をテロの対象にする」と宣言しました。その責任についても、検証報告は何も触れていません。

 現地対策本部をヨルダンに置いたことについても、ただ「適切」と評価するだけ。人質解放の実績がある「トルコ」については、「選択肢としてはあったが、ヨルダンが適切だった」ですませました。

 要するに、日本は外務省が正確な判断ができるだけの情報を持ち合わせておらず、しかも中山康秀副大臣を現地の責任者にしましたが、滞在中、何の役にも立たなかったことは、検証の対象からはずしました。外務省は、人材不足、能力不足をいかんなくさらけ出したのですが、それもパス。

 人質解放のために、「あらゆるルートを使った」と検証しましたが、イスラム国とパイプのある中田考氏には全く接触していません。つまり、正しいルートを避け、わざわざソッポのルートで一見仕事をしている振りをし、素人の無能力副大臣を現地責任者とする「強力布陣」で対応したわけです。

 もちろん、検証委は後藤さんの妻から事情を聴くこともありませんでした。おそらく、政府側に都合の悪いことを証言されることを避けたのでしょう。

 こう見てくると、今回の検証作業は、「安倍首相の中東訪問とその後の人質殺害問題への対応は、『適切』で『問題なかった』という結論ありきの茶番だった」といえます。

 そうした「適切」「問題なし」という結論を出すために、検証委員会の長は、安倍官邸の杉田和博・官房副長官としました。菅義偉・官房長官がじきじきに検証作業をしたようなものです。

 そもそも検証作業というものは、第三者がやってこそ意味がある。身内でやれば、お手盛りになるのは当たり前です。

 結局、「ボクちゃん、悪くなかったも~ん。『適切』で、『問題なし』だも~ん。誤りじゃないも~ん」というお手盛り、てんこ盛りの検証報告書がしゃあしゃあと出されました。

 これが、安倍政治の本質です。