おはようございます。
生き生き箕面通信2143(141105)をお届けします。
・墓穴を掘った「安倍拉致外交」――「拉致」を政権維持に利用するな
安倍晋三という男が、急きょ、北朝鮮に送った「拉致された人を返せというための返還交渉団」の成果は、見事な「ゼロ回答」で、完膚無きまでの大失敗でした。
もともと、「急きょ派遣」は、女性閣僚二人の同時辞任という政権にとってのピンチから目をそらさせるための、目くらまし外交でした。不純な思惑をこめたやり方だから、当然の失敗です。
その失敗のてんやわんやを、切れ味のいい報道で評価が高まっている「日刊ゲンダイ」が3日前の11月2日付けで、次のように伝えました。
以下引用
「今回の日朝協議は拉致被害者の安否情報が何一つ得られず、完全な肩透かしに終わった。安倍首相は『北朝鮮側から新しい角度から調査を深めていくとの方針が示された』と弁明しているが、これは強がり。内心は、焦りと怒りで気も狂わんばかりだそうだ。
「実質ゼロ回答だった今回の訪朝に、安倍首相も愕然としていると聞きました。かといって、それは絶対に表に出すわけにはいかない。慎重姿勢の外務省にハッパをかけ、希望的観測だけで訪朝団を送り込んだのは安倍官邸だからです。具体的な根拠もなく、官邸が前のめりになったのは、相次ぐ閣僚たちの『政治とカネ』不祥事の目くらましにする思惑だったとみています」(政治評論家の野上忠興氏)
「ところが、そんな魂胆は北朝鮮だって、とっくにお見通しなのだ。だから、伊原純一アジア大洋州局長が『(拉致のことは調べなくても)全部わかっているのではないか』と突っ込んでも、『いや、全然わかっていないから、もう1回調べ直す』とあっさりかわされたという」
「大失敗の訪朝に官邸が気をもんでいるのが家族会の動向です。家族会は北朝鮮の術中にはまるような訪朝には慎重姿勢を示してきたし、案の定の結末に飯塚繁雄代表は『もう少し強く出て欲しかった』と不満を漏らした。家族会が安倍批判を始めたら、本当に安倍官邸は持たなくなる。それで、慌てて家族会と連絡を取って『これからを見てほしい』と懐柔を始めたと聞きました」(自民党事情通)
「なんとも締まらない話だが、それもこれも安倍官邸の自業自得だ」
「交渉を始めるなら、今年1月にやるべきだったのです。昨年12月、金正恩第1書記は中国と関係が深い北朝鮮のナンバー2、張成沢を処刑した。習近平国家主席が激怒し、中国はエネルギー支援を制限した。窮地の北朝鮮は日本に接近しようと試みていたんです。このタイミングで安倍首相が北朝鮮に乗り込み、金正恩と直談判していたら、拉致問題は急展開していたかもしれません」(外交事情通)
「安倍首相は得意の『拉致』で、完全に墓穴を掘った」
以上引用終わり
この「箕面通信」では、10月29日の2136号で、安倍氏が送った交渉団について、「何という猿芝居!」と書きました。続けて、「本日(10月29日)も”交渉”を続けるそうですが、その結果は「結局、何もなかった」ということになるのがオチではないでしょうか」と。
ただ、期待を込めて、「一市井の人間などにおちょくられるようなそんな情けない外交をするはずがありません」とも付け加えました。
その期待は裏切られ、なんとも未消化などす黒いオリのような気分が残りました。おそらく、家族会代表の飯塚繁雄氏が最もハラを立てているのではないでしょうか。しかし、政府のやり方をストレートに批判するわけにいかない。そのもどかしさ、悔しさ。
安倍という男は、それをいいことにこれからも何かといえば、拉致問題を利用するでしょう。拉致問題は、安倍という男にとっては、単なる政権維持のための都合のいいカードに過ぎないのです。
懸案の拉致被害者家族会にかかわる被害者に限って、一人ひとりについて、当然、突っ込んだのでしょうか。拉致被害者の範囲を拡げられて来たような印象を持ちました。
それにしても、問題がもうこの10年、20年、打開されませんね。自民政権、外務省の智恵だけでは無理のように思います。