お早うございます。
生き生き箕面通信2140(141102)をお届けします。
・ア―サ―・ビナードという日本語を生きるある生き方
アメリカ人でアーサー・ビナードという多才な人の話を聞く会が昨日11月1日、大阪・箕面の駅前ビルでありました。日本人ではない人が、「日本の政治のゆがみ」をいわば”告発する”という、エキサイティングな催しでした。
講演の全体を通じてビナードさんは、「憲法9条を捻じ曲げる安倍晋三首相の正体」を言葉で摘発するというむずかしいセンシティブな作業をユーモアを交えてこなし、聞きに来た人たちから共感を得たように感じました。
「憲法9条を改めようとした安倍首相は、反対が強いと見るやそれはそのままにして、『積極的平和主義』という言葉を持ち出して集団的自衛権が使えるようにする閣議決定を行い、実質改憲を行った。アメリカが戦争を起こせば『日本をアメリカの属国』として、あるいは『下請け』として使えるようにした」と指摘しました。
聞くところによると、ビナードさんは日本国籍を取得すること、つまり帰化することも考えるほどの”日本びいき”だそうです。日本語を大事にし、日本語研究では優れた実績を挙げています。
それは、日本語の詩集「釣り上げては」で中原中也賞を、エッセイ「日本語ぽこりぽこり」では講談社エッセイ賞を、そのほかにも多くの賞を得ていることに表われています。
詩人、俳人、随筆家、絵本作家、ラジオパーソナリティーとして日本を舞台に幅広く活動しており、現在47歳の半分以上が日本での生活といっています。
2年前には埼玉県教職員組合主催の国際女性デ―関連の集会に招かれた際、講演のタイトルを「さいたさいた、セシウムがさいた」にしたところ抗議が寄せられ、集会が中止になったこともあったそうです。日本語を大事にしながらも、日本語でのコミュニケーションの難しさに悩み、それでも「何事か」を明るく伝えようと格闘しているわけです。
箕面での講演でも、「憲法は、ひとつひとつの条文や書かれている文言が重要なのではない。そもそも最初の憲法とされるイギリスのマグナカルタは、横暴な王権を規制するものとして成立した。憲法は、権力を縛るものとして機能させることこそ考えなければならないのでは」という趣旨を説いていました。
日本(東京)での生活では、自転車を多用しているそうです。
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