生き生き箕面通信

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2665 「すごい日本人」像は、日本人が胸をそらしにそらしてもいいものなのか

2016-04-28 09:04:42 | 政治

おはようございます。生き生き箕面通信2665(160428)をお届けします。 

・「すごい日本人」像は、日本人が胸をそらしにそらしてもいいものなのか

 「誇りと気概を持って。和を尊び。互いに助け合って」と、日本人の優秀性をほめにほめそやす言葉があります。これは、朝日新聞が「憲法を考える」という企画物の文章です。自民党の憲法草案を検討したものです。

 まず、「日本国は、長い歴史と固有の文化を」を持っている、と宣言し、「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社旗全体が互いに助け合って国家を形成する」と続くものだそうです。

 この文章のあと、「日本の憲法に詳しい米国エール大の憲法学者ブルース・アッカマン教授はこの草案が、和を尊ぶことが人権を優先するように読める、と懸念」しています。

 ブルース・アッカマン教授は「日米関係の基本にあるのはまさに、基本的人権などの普遍的な価値。憲法前文から『普遍』を消すことによって、両国間の信頼関係や結びつきは損なわれてしまうでしょう」と、評しています。

 ここにあるのは、人間の基本的な価値である「普遍」です。和を持って貴しが「普遍」に優先するものではないのです。

 「すごい日本人」というのは、少し思い過ごしなのではないでしょうか。まず「普遍」を先において、そのうえで「和」を置くくらいでちょうどいいのではないか。あまり「和」を突拍子もなく先に置きすぎると、やはり明治憲法になっていきます。