生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信985 ・「国のあり方」を論じない大手メディア

2011-08-19 06:22:32 | 日記

 おはようございます。今日は、異例ながら長文を引用させてもらいます。
 生き生き箕面通信985(110819)をお届けします。

・「国のあり方」を論じない大手メディア

 民主党代表選についての報道を見ると、単に「だれが多数を占めるか」だけで右往左往しています。肝心の大きな政策、ひいては「この国のあり方」を論じようとする姿勢は、皆無に近い。朝日も読売も、もちろん毎日、日経、またNHKをはじめとするテレビ各局も、これほどくだらない報道を、政治記者をあげて、よくもまあ飽きもせずに続けるものだ、とあきれます。

 ジャーナリズムは、新しい国のリーダーを選ぶ際には、最低限、国のあり方を根本から問い直す作業から始める”義務”があるはずです。それは、心ある人はみんな望んでいることではないでしょうか。

 しかし、今朝の新聞を見ても、そうした論調は皆目、見られません。わずかに朝日が社説で「候補者による公開討論会」を提唱している態度です。しかし、「候補者」には、国のあり方を語れる人間がいるとは思えません。

 その点、小沢一郎氏は、きちんとした世界のとらえ方、日本の進むべき道について、しっかりしたものを持っています。小沢氏に近い平野貞夫氏は次のようなことを明らかにしています。それによると――。

 小沢一郎氏は平成元年(1989)、自民党海部政権の幹事長時代、米ソ冷戦の終結を体験して私にこういった。「誰もが資本主義が勝った。これで世界が繁栄して平和になると思っているが、僕はそうは思わない。ソ連の崩壊はパンドラの箱を開けたような混乱になる。過激な経済戦争で世界中に不公平が生まれ、それが原因で各地で紛争が多発する。大変なことになる」と。これが20数年前の自民党幹事長・小沢一郎の世界観だった。当時、こんな考えを持つ政治家は他にいなかった。「パンドラの箱」が開いた世界で日本はいかに生きるべきか。そこで小沢氏を中心に議論を行い「あらゆる技術の異常な進歩とグローバル化によって、これまでの資本主義が変質した。新しい資本主義、新しい人間社会を考えよう」ということになった。

 こういった歴史観にもとづいて、これまで日米安保条約に依存し、米ソ冷戦を利用して、わが国が生きてきた「一国平和主義・一国繁栄主義・一国民主主義」を反省する。そして、「自立・責任・共生」を国民のコンセンサスとし、国家運営の基本とすべきであるという、小沢一郎の政治理念が形成されていく。

 小沢一郎の「自立・責任・共生」の理念は「日本再興のシナリオ」となり、そこには「人間の絆」が追加される。人づくり基本法案をはじめとする「日本一新11基本法案」にまとめて国会に提出した。

 小沢氏は「国民の生活が第一」という政治目標を達成するために、「共に生き共に幸せになる」という「共生社会」を創ろうと呼びかけている。そこで「自立・責任・共生」という理念を実現
しようとしたが、民主党の党是にできない宿命があった。それは雑居政党民主党にとって、この理念を持てば、自分の否定になる政治家が多勢いるからだ。

 問題はそれだけではない。わが国では巨大メディアや官僚など既得権で生きる人たちが「小沢排除」こそが自分たちが生き延びる条件だと思っているのだ。世界は1980年代から激しい情報革命が起こり、巨大メディアがかつてのように社会の木鐸として機能しなくなった。21世紀となり、慢性的不況で民間の広告収入が減った巨大メディアは、税金を使う政府広報に依存するようになった。小泉政権での「裁判員制度」、菅政権の「納税者背番号制度」などがその一例だ。

 さらに情報社会化の進展に応じて必要となる改革が、巨大メディアの収益を減らしていく。自己改革を怠った日本の巨大メディアにとって、小沢氏が改革しようとする記者クラブ制の廃止、クロスオーナー・シップ(新聞社とテレビ会社の株の持ち合い)禁止、電波料金のオークション制の導入などは、健全な情報社会のために絶対必要なことである。それを断行されると経営に大きな支障が出る巨大メディアは、小沢一郎なら実現すると恐れおののいている。

 かつて私は複数の巨大メディアのオーナーから「小沢から離れて我々の味方になれ」と口説かれたことがあり、その子細は昨年のメルマガにも書いている。

 小沢一郎にとって「自立・責任・共生」の政治理念を実現するためには、巨大メディア改革が欠かせない。本来ならメディアが先んじて新しい日本社会の建設理念を提起すべきであるが、20世紀資本主義の影を慕い経営を変えようとしない。この巨大メディアと政権交代を阻止したい麻生自民党政権が、検察権力の悪質な部分とコラボレーションして行われたのが、小沢一郎を政界から排除するための「西松事件と陸山会事件の捏造」であった。二つの事件が手続的にはともかく、実質的には菅・岡田民主党も絡んだ政治的謀略であったことが、国民の目には明らかになった。

 残念なことには、巨大メディアがこれまでのことを反省するころか、ポスト菅の代表戦についても、「小沢排除」の再現を報道しはじめた。その一例が朝日新聞(8・11、東京版)の社説
である。「古い発想の旧リーダーが裏で糸を引き、代理戦争を演じたのでは、世代交代の意味がない。これまで党を引っ張ってきた菅・小沢両氏に鳩山由紀夫前首相の『トロイカ』は今回、行動を慎むべきだ」

 恐ろしい発想だ。この1年余、さんざん菅首相を煽ててきた朝日新聞の責任は大きい。性懲りもなく小沢一郎の政治理念と政策を拒否し続ける巨大メディア、中でも朝日新聞社説の姿勢が日本を滅亡の道へ向かわせていると私は思う。小沢一郎が掲げる政治理念のどこが古い発想か。自らの改革を怠る陳腐さを棚に挙げてよくいえたものだ。

 今の日本の政治家で、資本主義の変質と崩壊を認識しているのは小沢一郎氏しかいないことは縷々述べた。日本人の自立と責任の精神で共生社会を創るべく、「日本一新11基本法案」を策定した小沢一郎という政治家を、巨大メディアと民主党はいつまで「党員資格停止」のままにしておくのか。

 菅首相を筆頭に民主党執行部と、谷垣自民党総裁ら二大政党の指導者に問う。貴君らはこの国を何処へ向かわせようというのか。歴史観を持たない政治は衆愚に通じ、国を滅ぼす愚か者とのそしりが免れないことをもう一度指摘しておく。

 以上、平野氏の「通信」から引用。

 日本は、大事な分岐点に立っています。右するか、左するか、私たちは考え、判断することが求められています。自分の今の生活のためにも、また後から来る子どもたちのためにも。