フィギュアスケート・ジュニアグランプリシリーズ第6戦イタリア大会、男子SP。
優勝候補の一人と思われてたアルトゥール・ドミトリエフ(ロシア)が、52.99の5位。ポーランド大会で66.88を出したのに、そんなに不調? 映像を見てみると、多少ジャンプの着氷でふらついた部分はあったが、そんなに悪い出来には見えない。
これは何かkick out(無効とされた要素)があったかな?とジャッジスコアをチェック。最初のジャンプが+COMBO、コンビネーションジャンプだけど2つ目を跳べなかった印がついている。次に跳んだコンビネーションが無効扱いされた。
Regulation(Rule511の3)を読むと、2011-2012シーズンのジュニア男子SPは、「ステップからただちに跳ぶルッツジャンプ」を含まなければならない。ドミトリエフ選手は、最初のコンビネーションの1つ目に3回転フリップを跳び、2つ目を続けられなかった。次の3回転ルッツに3回転トウループをつけ、単独で跳ばなければならないルッツをコンビネーションにしたことで、無効となってしまった
ジュニアでは、SPの単独ジャンプはシーズン毎に指定されている。昨季はループで、来季はフリップと決まっている。毎年違う種類を指定して、多くの種類のジャンプを習得させるという目的があるんだろう。
シニアでは、このような指定はない。「ステップからただちに跳ぶ単独ジャンプ」は、コンビネーションで跳ぶジャンプと種類が違えばいいことになっている。多くの選手が、予定のジャンプで失敗してコンビネーションにできなかった場合、単独予定のジャンプに2つ目をつけてコンビネーションとするリカバリーをやる。どちらが「ステップからただちに跳ぶ単独ジャンプ」になってもいいように、あらかじめコンビネーションの前にもステップを入れておいたりする。
ドミトリエフ選手はすでに19歳、国内でシニアの大会に出てるし、先輩たちが上手に失敗をカバーするのを見てきているだろう。少しでも点を取ろうと頑張ったら、裏目に出てしまった。
ルッツ単独の基礎点6.0が加わっていたら58.99。3位に相当する得点になるところだった。それでも、首位に立った閆涵(中国)の72.07、2位につけたジェイソン・ブラウン(米)の68.37とは、けっこうな差があるけれど
実際3位につけたジェイ・ヨスタント(米)もかなりいい演技だし、イ・ジュンヒョン(韓国)もフリーで頑張れば表彰台に届くかも?! ドミトリエフが表彰台を逃すようなことがあると、、、ファイナル進出争いで田中刑事が少し有利^^;(そこかい!>自分)
期待された坪井遥司、残念ながら40.71で17位と大きく出遅れた。オーストラリア大会ではコンビネーションを3回転トウループ+2回転トウループだったのを、フリップ+トウループに挑戦。より高得点をねらったのだろうが、フリップが2回転になってしまい、頑張ってトウループは3回転跳んだ。しかし回転不足になってしまった。フリップにエッジ踏み切りエラーがついたが、あまり得意ではないのかな?
さらにルッツが2回転になってしまい、足換えキャメルスピンがふらついて、無効となってしまった スピンは回転数や姿勢などの要件を満たさないと認められないのだ(厳しい~
)。
中村優は43.23で15位。同じく足換えキャメルスピンが無効扱いとなってしまったが、かなり頑張ったかな。二人ともフリーに期待しよう
女子SPはまたあとで。