Thank you for the music

好きな音楽のこと、あれこれ。その他諸々もあり。

バレンタイン監督の日本語

2005年10月28日 02時31分18秒 | ××語

 千葉ロッテマリーンズが日本シリーズを制した。実は生まれてから最初に香港に引っ越すまで千葉県民だったので、千葉に根を下ろした球団の優勝はなんだか嬉しい(プレーオフのあたりからにわかファン^^;)。若い選手がのびのびやっているのを見ていると、野球が楽しくて楽しくてたまらない!気持ちが伝わってきて、こっちまで楽しくなってきてしまう。
 うまいこと選手をのせて日本一まで上りつめたバレンタイン監督だが、インタビューを見ていると、かなり日本語が聞き取れているのではないかという気がする。通訳が訳すのを待たずに話し始めることが多いし、インタビュアーの話し方が、他の監督にインタビューする時に比べて、ゆっくり、はっきりしている。つまり、そうすれば訳す時間が節約できることが浸透してきているんじゃないだろうか。(もちろん、同時通訳ができるような優秀な通訳が瞬時に訳している可能性もあるが。)
 記者会見などを聞くと、バレンタイン監督の英語もわかりやすいと感じる。ネイティブスピーカーの人と話す時よりゆっくりめで、単語のひとつひとつもわりときちんと発音してくれる。少し英語がわかる日本人にはそれで直接自分の言葉を伝えられると自覚してるのかもしれない。
 「I feel wonderful...すばらしいですね、これは、いちばん、すばらしいですね、、、そのteamは、いちばんです!」
 今年使われた「いちばん」の中で、“いちばん”“すばらしい”「いちばん」かも

 ところで、プレーオフでも日本シリーズでも言われたが、待たされた方が不利、条件を同じに、という話。パ・リーグのプレーオフが1週間ちょっとですむようにできないかしら? 第1ステージ2試合、2位チームは1勝で次へ進めることにして、3位チームは2連勝しないと進めないことにする。第2ステージも1位チームにレギュラーシーズンのゲーム差に関係なく1勝を与えて、3勝した方が勝ち。第1ステージを金・土、第2ステージを月~木に組めば、土日に日本シリーズの1・2戦ができると思うんだけど・・・。3位チームにはトーナメント並みの「負けたら終わり」状態になるが、高校野球だったら当たり前なんだから、できなくはないのでは? だいたい、セ・リーグでもプレーオフをやったっていいわけだし。いろいろ試して、面白くしていってほしい。

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燃えるゴミ

2005年10月22日 02時16分08秒 | Weblog

 今日(金曜)は燃えるゴミの日。それなのに、二度寝で大きく寝坊した! あわててゴミ置き場を見たら、もうすっかり持っていかれた後だった・・・。これで来週の火曜まで出せない。なんてこった
 それにしても、分別もせずに毎日ゴミが出せる香港って、、、懐かしい、、、でも環境には良くないよなぁ、、、
 さすがに、古紙・缶・プラスチック(ペットボトルなど)は分別が奨励され、マンションや駅などに三色のゴミ箱が設置されるようになりました。古着はときどきキャンペーンがあって、集めてどこかに送ってるようです。
 でも、やっぱり香港人が日本に来たら、大変だろうな。チョコの箱からフィルムを取ってプラスチックへ、紙箱をつぶして燃えるゴミ(きれいなままなら古紙)へ、当たり前にやってる日本人ってすごいかも

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字幕or吹替

2005年10月20日 02時52分46秒 | Weblog
 昨今勢いのある韓国映画は日本でも人気だが、韓国映画の興隆に大きく貢献してきたスクリーンクオータ制(映画館は年間最低106日以上韓国映画を上映する)を、縮小・廃止しようという動きがあるそうだ。10/17付日経新聞の「景気指標」によると、米韓投資協定の交渉で米側が廃止を求めているとか。クオータ制がなくなったら、途端にハリウッド映画に席巻されてしまうのかどうか、やってみないとわからないが・・・
 それで日本のことをふと考えたら、別にクオータ制もないのに、ここ数年日本映画は本数も多いし人も入ってる。なんでだろう?
 適当な推測だが、洋画が好きで、字幕で見るのに慣れていた昔の映画ファンと違って、映画館にあまり行かない人たちは、字幕を読むのに慣れていなくて、字幕は面倒だと思っているんじゃないだろうか。TVならたいてい日本語吹替で放送されるし、DVDも吹替音声が入っているのだから。邦画は字幕を読む必要がなくて、気楽に見られるから、そのほうがいいとか? そんな観客が、最近質のいい作品が続いている邦画を次々見ていくので、また資金が制作に回って、いい循環になっているんだろう。
 それはいいとして、外国映画も吹替で見たい人のほうが増えていくと、原語の台詞やスターの生の声を聞きたい人にとっては、厳しいことになる。公開中の香港映画「頭文字<イニシャル>D」を見ようかと思ってチェックしたら、ほとんどの映画館が吹替での上映だった。原作が日本のマンガで、舞台も登場人物の名前も原作のまま、つまり日本なので、日本語台詞のほうが自然だと思われたのかもしれない。また、香港映画のファン以外に、原作やアニメのファンもよびこむ狙いがあったのだろう。でも、日本人と外見上区別のつかない香港や台湾の俳優が、日本語の台詞をしゃべっていたら、まるで香港映画らしくない。香港映画だと気づかない人もいたりして?(そんな奴おらんやろう>自分)
 実は若い頃に翻訳をかじったことがある。一通りいろいろな分野を経験するコースで、ドラマ・映画翻訳の授業もあった。字幕翻訳は、映画の場合2秒で1文字、1段に12字、1画面に2段までと決まっているので、その枠に入れるために削って削って削りまくらないといけない。(ビデオ用は一時停止や巻き戻しができるので1段に14字までOKだと聞いた。)字数を稼ぐために少々難しい漢字も使いまくる。当然、情報量としては吹替に負けるので、推理モノなどは吹替のほうがはるかに分かりやすくなるようだ。事前にあらすじくらい頭に入れてから見ないと、よくわからないままになっても不思議はない。
 原語が多少分かる人には字幕のほうが楽しいけれど、英語をはじめとするヨーロッパの言語や、広東語を含む中国語は、語順が日本語と違うので、見たとおりに耳から入ってこなくて(聞こえるとおりに目に入ってこなくて?)、慣れないと疲れるといえば疲れる。(そこへ行くと、韓国語はほとんど順番どおり!わからないのにわかった気になる^^;)
 結局、観客の好みに合わせていくんだろうけど、選択肢としては字幕をなくしてほしくないと思う。さて、字幕上映が終わる前に「頭文字<イニシャル>D」を見に行けるかな?
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劉浩龍「PAST&PRESENT」(香港)

2005年10月19日 04時42分18秒 | CD紹介

 ウィルフレッド・ラウの3rdアルバム。発売直後に注文しそこねたので、久々に某大型CD店に行ってみたのだが、2nd「Singing in the ring」しかなかった。中華系専門店に回ってみたが、「ウィルフレッド・ラウ?聞かない名前ですね、新人ですか?」と言われてしまった^^; 仕方がないのでこれまた久々に国内の通販業者さんから購入。いつもより少し高くついてしまった。
 それでもお待ちかねの新作なので、期待して聴いてみたら・・・。「何考えてんの?!」先行オンエアの2曲は別として、後半はまるでイーソン(陳奕迅)なのだ! いかにもイーソンが歌いそうな曲を次々、そうでなくてもイーソンに似てると言われている彼が普通に歌ったら、ただの贋物になっちゃうじゃないか、、、これだったら早く聴きたさに高値で買うことなかったんじゃ、、、いささか後悔
 翌日、自分の印象が自分でピンとこなくて、もう1回聴いてみた。確かにイーソンに似ている。それは隠しようもない。でも、イーソン風の曲を歌うことでかえって彼自身の特徴が見えてくる部分もあるような気がしてきた。イーソンが力で押し切ってしまうところを、劉浩龍はひとつひとつ歌っていく。イーソンだとノリすぎて“いっちゃう”ような曲も、どこか抑制がきいている。イーソンならちょっと力を抜いたように歌うスローなメロディで、劉浩龍は静かな緊張感を保っている。もちろん、歌唱力や完成度からいえば、大人と子供くらいの差があって、ちょっと難しい曲では例によって“いっぱいいっぱい”なんだけど、どこか好感が持てるのはこの緊張感のゆえだろうか。
 先行オンエアは、超お喋りの彼女に向かって「Shut Up Baby」(黄偉文作詞)。香港人はとにかくお喋りだけど、それでも男の子は女の子の際限ないお喋りについていけないらしい^^; ドラムにFunky末吉、ベースにバーベQ和佐田が参加。もう1曲はきれいなバラード「二等天使」で、曲は雷頌徳のチームにいる側田(Justin)。昨今、ソロ歌手としても活躍しているが、この曲でメロディメーカーとしても実力を見せている。発売後にチャートインしてきたのは、1作目からずっと参加の藍奕邦作「戦友」。男の友情の歌かと思いきや、恋人というよりいい仲間で、やがて別々の道を歩むようになった女友達に捧げる想い、という歌詞だ。VCDのMVには陳文媛(ボボ・チャン)が出演。もしかして劉浩龍自身の体験?と思われるストーリーは、彼女の勧めで歌手コンテストに応募したり、デモテープを作ってレコード会社に持ち込んだり。最初と最後に、商業電台の新人賞を受賞したときの実際の音声が使われている(「金賞、、、劉浩龍!あなたよ、ずっと待ってたんでしょ」というプレゼンターの言葉が長い下積みの苦労を思い出させ、涙声の「これからも頑張ります、ありがとう」にじーんとくる)。
 雷頌徳プロデュースの「94340634」は、夜中に彼女が電話している相手(恋敵)の電話番号。94は「九死」、34は「心死」、06は「零落」「令落」を連想させる。今にも心が破れそう、みたいなイメージだろうか。愛称を再び曲名に使った「師兄急轉彎」は「Shut Up Baby」と同じくJames Tingのファンキーな曲で、歌詞は農夫。これもファンキー末吉とバーベQ和佐田参加でノリノリ。
 最後の2曲は北京語で、オリジナルの「很久没見」と「戦友」北京語版の「好兄弟」。北京語もだいぶん歌い慣れてきた感じだが、発音は未だにちょっと不安定、、、ネイティブのようにできなくてもいいが、同じ音はいつも同じように発音できるようにならないと、安心して聴いていられない^^; 広東語のようにLとNが混ざるのはやはり美しくないし、「作」と「走」が同じ音になってしまっては変だし。「自己」なんか、そんなに難しい音でもないと思うんだけどな~。(もっとも、香港人にとって北京語の発音は難しいらしく、北京語の先生たちが「発音だけなら日本人のほうがマシかも」というくらいではあるが・・・)頑張って練習しようね
 あえてイーソンと同じ土俵(?!)に立ってしまった劉浩龍。もしかして、イーソンは嫌いじゃないけどちょっと重い、濃いと感じているファンを、すっきり感と隣のお兄ちゃん的な親しみやすさ、カラオケで歌えそうなメロで取り込もうという作戦だろうか。この作戦はどこまで成功するのか? 映画やドラマにもぼちぼち出始めたが、演技力でもイーソンを越えられるか? 今度映画のDVD「擁抱毎一刻花火」注文しよっと。
PAST & PRESENT @YesAsia.com
 

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林海峰「三字頭」(香港)

2005年10月16日 05時32分32秒 | CD紹介

 カタログの写真ではわからなかったのだが、ジャケットの透明カバーをはずすと、緑色の地はなんと人工芝。実はこの人、サッカー好きで、ミニサッカーの大会を開いてしまうくらい。歌詞カードの真ん中にもサッカーフィールドって一体、、、
 林海峰、英語名はJan Lamb。bがついてるのは間違いでもなんでもなくて、商売をやっていたお父さんが、ユニークで覚えてもらいやすいということでわざとbをつけたとか。姉の林珊珊は元アイドル歌手、今はプロダクション社長。ラジオDJも続けていて、蘇永康も出演した映画「星願」でもDJ役だった。弟の林曉峰もタレントで、司会が多いが役者としても鄭伊健主演の「古惑仔」シリーズに出ている。芸能一家ついでに、奥さんも歌手の彭羚
 本人は元々DJで、葛民輝と組んだ香港初のラップユニット・軟硬天師でブレイク。ソロでもユニークな企画のアルバムを出してきた。ラジオ局の幹部でもある。
 私はラップやヒップホップが好きなわけではないので、彼のCDはほとんど買ってないのだが、今回買ったのは「男子組」という曲に蘇永康が参加していたから(この曲には他に鄭中基古巨基梁漢文が参加)。MVも見たけど、5人が肩組んで歌ってるだけなのに、なかなか楽しかった。
 曲は陳奐仁(ハンジン・タン)が多いが、元・SwingのEric KwokやJeraldも書いている。恭碩良農夫(たしかインディーズ系のバンドやってる人)などの名前もある。アグレッシブすぎる曲もあるが、ちょっぴりジャズ調、ディスコ調、フォーク調や時代劇主題歌風の曲は面白い。最後の「流行曲」なんて、大真面目にバラードしてる。もっともその詞の内容がカラオケ。「歌っちゃうぞ~、ファルセットもビブラートもきかせて、感動もんだぞ~、コーラスは覚えやすいよね、いつでも歌える流行曲、着メロで歌うぞ~、ハモりをはずすなよ、もっともっと歌うんだ、金がなかったら入れるなよ、三連譜三連譜、リピートしてこのメロディ、絶対この曲賞を取るよ」・・・
 詞は全部林海峰自身で、その口調は思いっきり香港の兄ちゃんそのもの。地下鉄で電話してたり、飲茶で隣のテーブルだったり、聞こえる会話がそのまま歌詞になってるみたいだ。私にはひたすら懐かしく、俗語すぎてよくわからず このとてつもないローカル色丸出し加減は、香港人以外の人にはうけないだろうな、と思う。けれど、皮肉がきいてる歌詞の内容といい、たぶん香港芸能の伝統―香港人には懐かしい要素をうまく取り入れているような感じの曲調といい、質の高いバックの音といい、林海峰の才気が溢れている。
 さらに凄いのは、おまけのDVD。MVは3曲なのだが、ミニサッカー大会の模様だの(梁漢文も出場、本物のサッカー解説者も登場)、林海峰こだわりグッズとそれを作る職人との会話だの(この道何十年の靴屋の爺さんとか出てくる)、合計3時間半近い内容。モダンな、オールディーズな、街中の、田舎の、香港がつまっている(たぶん。まだ全部見てない!)。
 人をおちょくりながら、実は人々にエールを送ってるのかも。「流行曲」だって、“本地歌壇(香港の音楽シーン)、加油(がんばれ)!”と言いたいのかも?
 「香港芸能は最近元気がない」と評論家や業界の方々に散々言われているが、こんなのが出せる力はあるのだ。単に「日本人好みの大スターやコンテンツが出てこない」だけなんじゃないだろうか? 香港芸能界は別に日本や台湾や他の地域のために制作してるわけじゃない。香港人がいい!と思うものを作って、それがたまたま香港人にはツボだがよそではイマイチ、というだけなのでは?
 ちなみにタイトルの「三字頭」は、30代、30ウン歳、という意味だとか。本業である“しゃべくり”のトークショーを開き、大好評につき追加公演が決まった。娘に性教育する話なんか、カミさんが見に来ている前でするか? 字幕つきVCDが発売されることを切に希望するものである。
三字頭 @YesAsia.com

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BoAの日本語

2005年10月14日 23時04分00秒 | ××語
 今日、「笑っていいとも!」にBoAが出ていた。日本語がほんとに上手くなっててびっくり。「そばを打って、、、打つって言うんですよね?」なんて、ちょっと特殊な使い方もよくわかっていて、さすがに若い頃から(今だって若い!来月でやっと19歳だそうだ)、韓国と日本を往復して活躍してきただけのことはある。100人に一人をめざす質問に、「飛行機に100回以上乗ったことがある人」といったら、さすがに誰もいなかった。(50回以上だったら私が押せたんだけど・・・って、会場にいなかった、残念?!)
 お友達紹介はm-floの二人。つながった電話でBoAが「どちらさま?」・・・二人のうちのどちらと話してるのか知りたかったわけね~。間違いではあるけど、なんかそう言ってしまった気持ちがよ~くわかるのでした。
 それにしても、「ひとつの航空会社だけで160回以上乗ってる」って、さすがに凄い。「マイルもそこそこ貯まりました」って、そりゃ貯まるだろう! 日本語では控えめに表現しようという意識で、“そこそこ”を便利に使ってるようだが、これは「かなり」くらいを使っていい場面だ。誰かが教えてあげてると思うけど。
 BoAちゃんの日本語、これからもどんどん進歩しそう。歌よりトークに注目しちゃおうっと。
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中華明星(含む香港)のカタカナ名前

2005年10月11日 04時21分37秒 | Weblog

 The Minstrel's GardenのVincentさんに、「コメントに書くと長くなるので私のブログに書きます」と言ってて、まだ書いてないことがあった。「香港人の場合には、姓の呼び方を広東語で発音する場合がほとんどで、それを日本語発音に変換すると個人差があるので稀に複数の呼び名が出てきてしまいます」というVincentさんに対して、私が「香港人に複数の呼び名が出てくるのは必ずしも広東語をカタカナに直す時の個人差だけが理由ではないと思う」とコメントさせていただいたのだが、その理由を詳しく説明するのが“宿題”でした。で、、、
 Vincentさんが例として挙げた張學友Jacky Cheungこと「ジャッキー・チュン/チョン」。私の記憶では元々「チョン」だったのに、日本版CDが発売される時、「チュン」になってたような気がする。出演映画のビデオ・DVDやファンサイトではどう表記しているのか見てみたが、両方ある。中に「俳優としてはジャッキー・チョン、歌手としてはジャッキー・チュンと呼ばれることが多い」と分析しているサイトがあった。そう考えると、やはり「チュン」は歌手としてのプロモーションにあたって、レコード会社or事務所が決めた方針ではないかと思う。広東語の発音でCheungは「チョン」と「チュン」の間くらいだけど、どちらかといえば「チョン」のほうが近い(多分、広東語を学んだことがある日本人は概ね賛成してくれると思う)。じゃ、なぜ「チュン」が採用された?
 勝手な推測だけど、「チョン」は聞いた感じのイメージがあんまり良くないと思ったからじゃないだろうか。“バカチョンカメラ”なんて言い方が昔はあったし。(「ちょん」おろかな者、取るに足りない者としてあざけり言う語。例:西洋道中膝栗毛「亭主にむかって…ばかだの、―だの、野呂間だのと」from広辞苑)CDで「チュン」を通しているので、それに倣って「チュン」としている映画のクレジットもあるのだろう。
 どうも、広東語名前をカタカナにすると、なんとなく日本人にはおかしく聞こえる音になりやすいようだ。以前、NHKBS「真夜中の王国」でアジアのポップスを紹介すると、香港の時だけ「みんな、チャンがつくのね~」なんて意味ないコメントされてたし^^; 真偽のほどは定かでないが、成龍Jackie Chanが日本でだけジャッキー・「チェン」なのは、「チャン」だとアグネス・チャンみたいで変だ、という意見があったとかなんとか・・・。今でこそ、中華系の人の名前を聞き慣れていちいち笑ったりしなくなったけれど、一昔前は耳慣れない、変な名前に感じる人が多かったんだろう。プロモーションする側としては、少しでもかっこよく聞こえるカタカナにしたいのもわかる。
 映画にしろポップスにしろ、香港関係は必ずしも広東語が分かる人が携わっているとは限らないということもあるかもしれない。台湾や大陸関係なら、中国語ができる人が何らかの形でかかわるだろうし、カタカナに直す時もチェックすると思うが、香港の場合は英語ですませる場合も多いと思われる。英語で送られてきた資料を見て、広東語を知らない人がとりあえずプロモーション用の資料を作る、、、英語のつづりだけ見て発音を推測してカタカナにしてしまうこともあったんじゃないだろうか。例えばトニー・レオン(梁朝偉)。梁はLeung(張のCheungと同じ母音)で、「ロン」と「リョン」の間くらいに聞こえるんだけど、この発音を聞いたことない人がつづりだけ見たら、「・・・レオン?」と思っても不思議はない。(ちなみに、後に梁家輝が紹介された時、彼も英語名がトニーだったので英語名+姓のパターンが使えず、レオン・カーファイになったらしい)
 Vincentさんは「Chineseの名前を日本語に直すときには、基本的には彼らの出身地域の言語発音に合わせてあげるのが筋でしょう」とコメントされている。私も基本的には賛成。一番いいのは「本人の希望に合わせる」ことだと思う。香港人でも英語名には北京語発音を使う人もいる。例えば陳慧琳はKelly Chenとつづっているので、正式にはケリー・チャンではなくてケリー・チェンかも。台湾で活躍するシンガポールやマレーシア出身の歌手は英語名も北京語読みで紹介されることが多いが、公式サイトなどで確認すると、広東語・福建語・潮州語などの発音をつづりに表していたりするので、これはぜひ反映してあげてほしい(先祖の出身地域の言語発音だ)。張棟[木梁]はニコラス・チャンで固まりつつあるがニコラス・テオと呼びたいし、品冠(姓は黄)はビクター・ホワンじゃなくてビクター・ウォンだろう(ロックレコードジャパン、Victor Wongと書いてるのにカタカナはビクター・ホワンって、なんか矛盾してません?)。
 とはいえ、、、ある程度、中華系明星に詳しくなった人にとっては、カタカナ表記が活躍する地域を表す記号になってる部分もあるかな? 「陳」は香港では「チャン」だと認識している人にとって、香港出身で香港で活動してるのに「チェン」としていたら、「あれ?この人台湾人だったっけ?」と混乱しちゃう? ・・・さて、どうしよう・・・

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漢字の原音読み―張競先生に大賛成!

2005年10月07日 23時02分53秒 | Weblog

 日本経済新聞夕刊の「プロムナード」というコラムに、明治大学教授の張競先生が毎週執筆していらっしゃる。10月5日付の「漢字の原音読み」は、表記で私が書いたようなことを、中国人の立場から分析して明らかにしておられる。“我が意を得たり”というのはこのこと!という感じだ。
 「中国の地名や人名は日本語読みのほうがいいと思う」
 「原音で表記されるようになったのは、おそらく韓国の人名表記と関係している。が、中国語圏は朝鮮半島とまったく事情が違う」
 「中国語圏では日本の地名と人名は中国語読み、相互主義でいえば中国の地名や人名を日本語読みにするのが筋」
 「歴史の中で漢字の読み方は大きく変化した。漢字が『音』を伴わないからこそ、時代を超えて共有されている」
 「原音読みだと中国語がわからない人は覚えにくく、日本語は音素が少ないので正しい発音にならない」
 「原音といっても表記されているのは共通語。だが大多数の人はふだん方言で話している。方言で表記してもその地方以外の人には通じない」
 そして最後に「原音読みの裏には英語を介して世界を見るという意識があるのかもしれない。せっかく同じ漢字を使っているから、発音ではなく、文字を優先したいと思う」と書かれている。この結論の表すものはとても深い。

 ところで、文中に「中国人は自分の名前が日本語ふうに呼ばれても、まったく気分を害することはない。それどころか、ほとんどの人が大いに面白がっている。」という記述がある。じゃ日本人はどうだろう? 面白がる人は話のネタに使ったりする(財前という姓の方が、「再見と同じに聞こえる」というネタを別れの挨拶に使っていた。財前[cai2 qian2]、再見[zai4 jian4]、日本人にはどちらも「ツァイチェン」に聞こえる)。一方、嫌がる人は「勝手に変な読み方しないでほしい」と嫌がる。名刺などにローマ字が添えてあれば、それを見てちゃんと発音できるはず、と思うのだろう。(実際は、日本語を学んだことがない人にとってローマ字だけ見て正確に発音するのは難しい。英語式に読むと、Inoueは「アイヌウ」、Dateは「デイト」になってしまう^^;)
 といって、中国では漢字の姓名を見たら中国語読みするのが習慣。どうしても日本語読みしてほしかったら、漢字表記を隠すしかない。でも、普通日本人の姓名は漢字があることは知られているから、漢字表記を示さなかったら中国人は変な人と思うだろう。
 それから、芸能人やスポーツ選手で名前にひらがなやカタカナが使われている人は、たいてい“意訳”して漢字を当てて報道される。「よし子」は「善子」とか、「みゆき」は「美雪」とか。これも本人に使う字について承諾をとっているのかどうか? 「こっちの字にして!」とか、「私の名前はひらがななんだから、漢字を使わないで!」と抗議する人が出ても不思議ではない。今までにそういう人は出てないんだろうか・・・
 ドラマ「おしん」は中国語圏では「阿信」で通っているが、ドラマの中で「『しん』という名前は『信』でも『心』でも『芯』でもある、いろいろな意味があって好き」という主旨の台詞があった。中国語にはどんなふうに訳されたんだろう? 漢字を全部出して、日本語の発音が全部「shin」だと字幕に出したかな?
 ひらがなやカタカナで表記してもらえない以上、自分で好きな漢字を選んで「この字を使って!」というのも楽しいかもしれない。かなの名前の方だけの特権かも?
 なお、文中に「胡錦涛はあくまでも『こきんとう』」とあったが、メディアによっては、胡錦涛(フーチンタオ)のように表記したり、漢字にカタカナでルビをつけたりするところもある。
 

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華流って?

2005年10月01日 00時48分52秒 | Weblog

 F4がブームになって以来、華流は韓流に取って代わりかねない勢いだ。(韓流ドラマの放送権料が高くなってしまって、日本のTV局が新たな買い付けに二の足を踏んでいると聞く。)
 この華流という言葉、ブームのはしりの頃は台流と呼ばれていたような記憶がある。今でも台湾のサブカルチャーという意味で台流、あるいは颱風と呼ぶ人もあるようだ。華流が使われるようになったのは、台流だと台湾限定になって不便だから?と勝手に思っていた。例えば、大陸のアーチスト・胡兵が日本でライブをやる!なんて情報に、「台流スター上陸!」とタイトルをつけて報道するわけにいかないではないか。「頭文字D」も主役は台湾人だけど香港映画だし香港人いっぱい出てるし、中華の華ならぴったり?と、どこかの誰かが思いついたんだろうと推測していたのだが・・・。
 Yahoo!辞書の新語探検に「華流」が出ているとzhiziさんのブログ・zhiziの香港迷日記にあった(9月8日の「二つの違和感」)。Yahoo!の「華流」定義を引用すると:

もともとは中華民国(台湾)の「華」をつかって「韓流」をもじったもので、台湾の映画、テレビドラマなどのエンタテインメントをさしていた。しかし、次第に香港、中国本土など中国圏全体のエンタテインメントを指すようになっている。ブームを引っ張っているのは、日本の少女コミック『花より男子(だんご)』を原作としたテレビドラマ『流星花園~花より男子~』で主役を演じている四人組の「F4」である。F4は、ジェリー・イェン、ヴィック・チョウ、ヴァネス・ウー、ケン・チュウの4人で構成されているが、身長180センチメートル以上のイケメンぞろい。台湾のみならず、香港やシンガポール、インドネシア、フィリピン、タイなどでも、「華流」ブームを巻き起こしている。女性シンガーでは1999年にデビューしたジョリン・ツァイが、アジア全域で200万枚以上のアルバムを売り上げており、ファッションリーダーとしても注目される存在。テレビドラマについては、台湾ドラマ限定の呼称「台流ドラマ」でも親しまれている。

 これをご覧になったThe Minstrel's GardenのVincentさんが、「“中華民国(台湾)の『華』”ではなく“中華の『華』だ」「中華世界に対する誤解だ」と抗議している。私も、華流の前に台流だった記憶があるので、中華民国の華とはとても思えない。台流から華流に変わった経緯を、ちゃんと把握している人は誰かいないかしら? いたら詳しいこと教えてくださ~い
 華流ブームになってから、香港はすっかり脇役になってしまったようでちょっと寂しいのだが、元々香港と台湾の芸能界は交流が盛んだった。昭和60年発行の「香港旅の雑学ノート」(山口文憲著、文庫版)にも記述があるくらいだ。香港でパッとしなかったが台湾でブレイクして凱旋してきたり(郭富城とか)、台湾人だけど年に1回は香港映画に出てたり(任賢齊とか)、最近では香港-台湾-大陸の芸能界を渡り歩く人までいる。今では香港の芸能人は“大中華圏”と呼ばれるマーケット(中国大陸、香港、台湾にシンガポールやマレーシア等の華人が多い地域を加えたもの)のどこへでも行って仕事してる感じだ。台湾と大陸の交流も最近は問題ないようで、お互いにドラマに出たりライブやったり共演したり。そもそも台湾のポップス界には大勢のシンガポール人・マレーシア人が活躍してるし、、、「華流」は、実はそんな現状を追認した言葉かもしれない。
 韓流を韓国語式に「はんりゅう」と読むように、華流を北京語式に「ふぁりゅう」と読む人もいるけど、これはなんだかぴんとこない。「ふぁりゅう」と言われてしまうと、香港の出る幕が全然ないような気がしてしまう。ちなみに広東語読みだったら「わーらう」。香港人が見たら、「華仔(劉徳華)の流儀」だと思ったりして?(ありえねー>自分)

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