フィギュアスケート・ジャパンオープン2011の、パトリック・チャンの転び方を見て、思った。この子は、着氷で“なんとかこらえて立つ”ことは、考えてない
一昨日も書いたように、転倒してもさっと立ちあがって流れを切らず、予定しているつなぎや振付をしっかりこなしていく。演技構成点での評価を下げないという意識があるんだろう。
それともう1つ、ジャンプそのものに対する技術点でも、“しっかり回り切ってコケる”というのは、実は有利かもしれない、とジャッジスコアを見て思った。
バンクーバー五輪の2009/2010シーズン、ジャンプの回転不足に対するダウングレードと減点の厳しさに、選手たちと観客やファンは混乱した。一見きれいに下りたように見えるジャンプより、派手に転んだジャンプのほうが得点が高い、、、なんで?!
回転が足りないと1回転少ないジャンプとみなされ、さらにGOEはマイナスと決まっていたので、減点幅がすごく大きかった。見た目と採点の食い違いを小さくする意味で、「1/4以上1/2未満の回転不足には基礎点の70%」の“アンダーローテーション”が設けられた。GOEも必ずしもマイナスにしなくていいことになり、4回転やトリプルアクセルに挑戦する利点が大きくなった。
ただ、実際には、アンダーローテーションとされるジャンプで、GOEにプラスが付くことは少なく、-1程度引かれることが多い。そうすると、どっちが得なのか?
4回転トウループを例に考えてみよう。基礎点は10.30。回り切って転倒した場合、GOEは-3と決まっているから、得点は7.30。転倒の減点が1あるから、このジャンプに与えられた得点は6.30とも考えられるが、技術点のこのジャンプの欄には7.30と表示される。
アンダーローテーションとなった場合、基礎点は7.20。マイナスされなければこれが確保できるが、どちらかといえば多少引かれて、6点台になってしまう確率が高そう^^;
3回転ルッツだと、基礎点は6.0。回転不足なく転倒の場合、GOEは-2.1で得点は3.9。アンダーローテーションでは基礎点4.2、GOEで引かれなければ少しは上かも。
ジャンプ一つずつを比べたらたいした差ではないし、転倒の減点を考えたら、多少回転不足手も着氷できたほうがいいように見えるが・・・
フィギュアスケートは「必ず順位に差をつける」というコンセプトの競技。総合得点が同点の場合は、フリー上位の選手が上。SP終了時に同点だった場合は、技術点が高いほうが上。といった決まりがあるのだ。
同じ採点競技でも、器械体操の種目別などは一発勝負だから、しばしば全く同点の選手が複数出る。同点なら同順位として、金メダルが二人いたりする。しかしフィギュアスケートではなぜかこれをやらない。
昨年のジュニアグランプリファイナルで、李子君と庄司理紗はSPフリーの合計点で、ともに149.82だった。しかし李選手がフリーで庄司選手を上回ったので、李選手が銅メダルとなった。
SPでの順位は、フリーの滑走順、グループ分けに影響する。あとで転倒の分を引かれたとしても、技術点合計を高くしておくのは有利かも。もちろん、最終的な得点が低くなっては意味がないんだけど、、、パトリック・チャンのレベルでは考える必要はないが、フリーに進む24位に入れるかどうかぎりぎりの選手にとっては、意識したほうがいいこと? 予選もフリーの一発勝負だから、同様のことが考えられる。
同点で並ぶのは滅多にないことだけど、意外と大きな大会でふと起こっている。なんだか不思議
以上、ちょっと裏まで考えすぎた話でした(笑)
このところ、アクセス解析のキーワードで「アイス・カチャンは恋の味」で検索してくる人が多いので、何かあるのかと思っていたら、、、
NHKアジアフィルムフェスティバルで過去に上映された作品を、今週からBSプレミアムで放送する。Twitterで教えていただいた。
今日このあと、午後1:03から「アイス・カチャンは恋の味」が放送される。録画しなくちゃ
前に書いた記事はこちら。思いきりネタばれなので、放送見終わってからお読みください(笑)
NHKBSの映画カレンダー(10月)。今夜は「風と共に去りぬ」があるんだ~。あ、来週「赤毛のアン」がある タイトルをクリックすると、詳しい内容紹介が表示されるようになっている。
アジアフィルムフェスティバルの作品は:
10/3(月) アイス・カチャンは恋の味(第11回・2010年)
10/4(火) デリー6(第11回・2010年)
10/5(水) 冬休みの情景(第11回・2010年)
10/6(木) ピノイ・サンデー(第10回・2009年)
10/7(金) キャプテン アブ・ラーイド(第10回・2009年)
10/11(火) トゥルー・ヌーン(第10回・2009年)
10/12(水) シャングリラ(第10回・2009年)
アジアの映画は見る機会が少ない。どれも面白そうな映画で、見逃せないわ