KONA WIND-南の風- iBS学院長・南 徹ブログ

アメリカ人に英語を教えていた日本人が外語学院を作った。その学院長が、日本を、世界を斬るブログ!!

古里は今

2014-03-14 20:24:34 | インポート

僕は屋久島の宮之浦に生まれた
僕の最初の小学校は
はるか昔に廃校になった
屋久杉の原生林の中にあった
小杉谷小学校だ
父が初めて赴任した小学校だ
ここで小学校3年までの時を過ごした
父が53才で他界したこともあり
思い出の場所に実家をと
母は
父と艱難辛苦を共にした新婚の島
屋久島に家を建てた
安房は松ヶ峰だ
だが
年月は流れ
老年になった母は
1人で暮らすには大変だと
鹿児島に移り住むことになった
当然のこととして
屋久島の実家は空き家のようになってしまった
でも一ヶ月に一回はと
帰家を願う母の思いに答えるため
一緒に屋久島に帰ることにしている
我が家の入り口にはシナモンの木と
ゲットウが生い茂っている
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庭には手を一杯に広げたソテツと
盆栽のような五葉松と

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裸の人物が立っているようなヒメシャラの木が迎えてくれる
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畑にはブロッコリが花を咲かせ
時計草の葛がジャングルのように覆いかぶさっていた
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裏庭に自生しているのバナナの木は
冬の寒さに耐えてきた
冬越をしたバナナの花が惨めな姿をさらしていた
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椿の蜜と甘い金柑の実には
ヒヨドリとメジロが戯れていた
家の周りのアチラコチラで
春の訪れを待っていたかのように
花々が咲き始めた
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お部屋の中では
母がツワブキの皮を剥き
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僕は囲炉裏に炭を熾した
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田舎の我が家の素朴な風景だ
人は時折
日頃の喧騒から離れ
静寂の一時が必要だ
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古里とは
そんな場所かもしれない


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