アメリカ大陸のカリフォルニアからネバダそしてユタの上空を飛行機で飛ぶ時にいつも考える。荒涼とした砂漠や赤い岩山が果てしなく広がる風景が地球上には数限りなくある。火星に水を再生させ緑を復活させ人類が移住できるような環境構築のために、アメリカを始めとする多くの先進国が、気の遠くなるようなお金と時間をかけている。愚かなるかな人類よ。先ずは母なる大地、地球に緑を蘇らせるほうが遥かに簡単なはずだ。それとも、赤茶けた大地の下は、ここ何十年の短い歴史の流れの中で、取り返しのつかないような、放射能や様々な人工毒物が無限大にも近いほど、再生不可能なほどに埋められてしまい、地球を汚染してしまったのだろうか。人類は、人類を正しく導いてくれる優れた指導者を選ぶ能力を持たない限り、刻一刻と破滅の道を辿るしかない。
先輩を訪ねてという特別企画ということで、12名の甲南高校の一年生が尋ねてきた。来年で創立１００周年を向かえることになる母校、鹿児島県立甲南高等学校の可愛い後輩達だ。創立９０周年のお祝いの時に、パネリストとして参加させて頂いたこと、甲南高校の歴史、なぜ自分が一生の職業として、こんな小さな寺子屋のような学校を誇りにしているのか、発信力と受信力の重要性、日本の伝統文化や歴史を正しく学ぶこと、既成の概念で進路を見誤らないこと、地球規模のリーダーを目指すこと、たくさんの良い失敗をして自分を磨くこと、人間形成の中で一番大切な学問は作努（掃除洗濯など）であること、クラブ活動を楽しみなさいということなど、質問や対話を通して楽しい一時を過ごすことができた。美しい若者の笑顔に心からエールを贈り、日本の未来を託したい。
ロスのCitrus College、サンディエゴのMiraCosta College、ラスベガスのCollege of Southern Nevada と三つのカレッジを駆け足で訪問する３泊6日の強行スケジュールの出張であった。各市でのホテル滞在が一泊で飛行場で一泊、飛行機内で２泊だから、アメリカでの宿泊は３泊となる。とにかく卒業生の笑顔に再会さえできればとそんな旅だった。ロスでは、在学生や卒業生が20名近くも集まってくれた。自分の力で生き抜き成長してきた各学生の姿にはネガティブな発想は何もない。学問を楽しんでいる笑顔だ。全ての苦い体験を成長のためのエネルギーに変えている。人生の成功は、数多くの体験と本当の学問をどれぐらい学び吸収したかによる。自分との戦いと異文化の不思議を大いに楽しんで欲しい。そんな祈りを込めながらの旅であった。