世界平和女性連合鹿児島支部創立２０周年記念講演をすることになった
演題は『幸福の定義』である
県議会議員でアメリカはハーバード大学院で政治学を研究していた
吉野正二郎氏の挨拶で始まった
僕の持ち時間は１時間だ
ご年配のご婦人たちに『幸福の定義』を話すのはおこがましい
僕の人生の母のような聴衆ばかりだ
でもそんなことは言っておれない
世界平和を女性の手で繋いでいけば
男性は戦いをやめるだろう
間違った競争はしなくなるだろう
そんな願いを実践している人々に
心を動かすメッセージを発信するのは至難の業だ
でもそれが僕の役目だ
講演実績は既に１０００回を超えるが
自分で満足のいく講演は数えるほどしかない
今日は５つのキーワードで幸福につながる教育の実践を紹介した
１．自分を知るために歴史を学ぶこと
２．他人を知るために旅をすること
３．自分と他人をつなぐために対話の技術を学ぶこと
４．もっと自然と慣れ親しむこと
５．命がみなぎるような状態に自分をおくこと
全ては学院創立の当初から
全くブレたことのない信念である
会場いっぱいに溢れる笑顔と拍手と笑い声
今日の講演は
自分に１００点をあげてもいいかもしれない
自己満足
自己満足（笑）
学院の哲学を学ぶ最初の合宿が霧島合宿だ
英語を道具として学ぶことの意義とは？
言葉の学問とは？
豊かな人間力は何から生まれるのか？
どうしたら全体が見えるようになるのか？
コンピュータやテレビなどのメディアにはできない学問とは何か？
人と人が相対して
人と自然が相対して
初めて成立する学問とは？
心の病からの開放
希望と夢
より広く万国の
多種多様な民族や文化の中から
人間の本質を見極めるためには？
自らの幸せを探求するなら？
大自然が醸し出すオーラのような
読心術的気の悟りと
より多くの人々と語れる言語
英語を道具とするしかない
もちろん
日本人である以上
日本語で理解できないことは
英語で理解できるはずもない
霧島合宿は
古代ギリシャの哲学者ソクラテスに帰り
自分の無知に目覚めて
Know thyself と
英語を道具として
フィロソフィア探求の最初の合宿である
鹿児島のパワースポットと聞かれたら
真っ先に
維新ふるさと館と紹介したい
奇跡と言っても良いほどの
たくさんの偉人を輩出している場所に建てられた歴史顕彰館だ
わずか七十数戸の小さな町だった加治屋町
この奇跡のスポットから
西郷隆盛、西郷従道、大山巌、東郷平八郎、山元権兵衛、村田新八、吉井友実、牧野伸顕（まきののぶあき：大久保利通の次男）、樺山資紀（かばやますけのり）、井上良馨（いのうえよしか）、山本英輔、黒木為基（くろきためもと）、伊地知正治、田代安定（たしろあんてい）、俣野健輔（またのけんすけ）と尋常では語れないほどの偉人たちが誕生している
大久保利通は加治屋町生まれではないが、後に加治屋町に移転している
学院生はこのパワースポットで
学院の教えである
３つの学問の柱
１）自分を知るためには歴史を学べ（人間関係力）
２）他を理解するためには旅をしろ（全体を見る力）
３）この２つの学問を比較研究して英語で世界に発信しろ（言葉による表現力）
の一つ
歴史を学ぶために
先ずはこの場所での研修が恒例となっている
維新館館長で歴史家の福田先生
学芸員で歴史家の久保薗先生のご案内で
鹿児島の近代史を学ばさせていただいた
『維新への道』
『薩摩スチューデント、西へ』
幕末から明治にかけての歴史の流れや
薩摩藩が幕府の禁令を犯して派遣した留学生の偉業
感動で涙が溢れる
例年に違わず今年も
学院生の新たな決意がみなぎる一刻であった
オランダ船籍ザンダム
バハマ船籍レジェンド・オブ・ザ・シー
２隻の豪華客船が
２７００名もの外国人観光客を乗せて
鹿児島にやってきた
プロやボランティアの通訳なしでは
鹿児島を楽しんでもらうことはできない
そこで
いつも大活躍するのが
学院卒業生の面々だ
英語が出来るだけでは職務を遂行できない
鹿児島の観光知識は無論のこと
歴史や文化
さらには
日本の文化や礼節が大きなメッセージとなる
彼らの笑顔溢れる一生懸命の献身は
鹿児島の誇りとなった
３５００年ほど昔
周は武王の時代
イスラエルはソロモン王の時代
自分は人間だと自覚したいがために
他の動物と人間を比較して
人間は他の動物とは異なることを認識したくて
人類史上初めて
動物園が誕生した
動物園には色んな顔がある
動物園には人間の苦悩の答えがある
英語と動物園
一体全体何の関係が
その答えを見つけるのが今日の研修だ
以前にもまして
人工的になり過ぎて
かなりの違和感のある平川動物公園だが
今年の第３８期生も例年通り
動物園研修を行った
例年を遙かに凌ぐ大入り満員の動物園には
たくさんの高校生で賑わっていた
無常にも
冷たい雨が降ってきた
４月も半ばだというのに
冬のように冷たい雨だ
でも一生懸命の学院生の熱気は
僕の課外講義の応援歌になった
動植物のバランス
大自然の掟
命の価値
人間として生きていくための知恵
英語を学ぶのではなくて
英語で学ぶ自然界の秘密
英語で見える人間界の矛盾
傾聴して
一心に僕を見つめる向学の瞳は
太陽のような暖かい光に見えた