30年近くの学院の歴史の中で、表現力、人間関係力、全体を見る力を説いてきた。
表現力は、授業や講演等でお話させていただくことが多い。
人間関係力は、性別、年齢、過去の体験、学歴など、全てを超えて、
互いに異なる人々が学びあう環境を創り上げてきたので、
充分といっていいほど、学院生は体感体験している。
さて、最後の、全体を見る力だが、一番難しい学問である。
専門細分化、受験、大学、就職と、普通に考えてみると、
全体を見る力を教育しているシステムがほとんど存在しない。
木を見て森を見ず!的教育が蔓延している。
環境問題が人類の危機に繋がると警鐘を鳴らしている現在、
海の専門家、川の専門家、森の専門家などは、星の数だけいるが、
海も川も森も、同時に理解できる専門家を見つけることは難しい。
全体を見る力がないということだ。
一般教養(リベラルアート)がないということだ。
つい最近まで、教えることなしに、自然に、全体を見る力を持った日本人がたくさんいた。
動植物のこと、土壌のこと、病気のこと、歴史や文化など何でも知っていた。
受験勉強をするわけでもなく、大学で学んだわけでもない。
いま、日本人が取り戻すべきは、全体を見る力の遺伝子の復活だ。
僕の母の名はミツ子という。
僕が幼い頃、
今泉の姫君、篤姫のことをよく話してくれたが、
さほど気にもとめていなかった。
NHKの大河ドラマで、
篤姫がクローズアップしたことで、
改めて母の系図を調べてみた。
今泉島津家とは、
深い縁のある由緒ある家柄だ
と聞かされた
からだ。
母方は源氏の血統なので、
源義家より系図を辿ることになった。
過去に遡るといっても、
源氏の流れを汲む 川上四郎兵衛(関ヶ原出陣)くらいからしか調査できなかった。
川上家、肝付家は、島津家の名将であり、家老職を有する名門であった。
三家は、篤姫に仕えた重臣となる。
大河ドラマに登場する、小松帯刀は、肝付家の三男坊だ。
江戸時代の終わりの頃、
川上家の二男と肝付家6代義邦の娘が結婚し三人の娘が生まれる。
三人の娘(奈里、イマ、トク)のうち長女は、
川上家の息子と結婚(親族同士の結婚?)。
三女のトクは、西季重(海軍少佐、正入位勲六等)と結婚し、
二人の間に三人の娘が生まれる。
季重とトクの間には、2男3女がいた。
長女がトヨ、次女が(牧田)キク、三女が武喜。
この武喜が僕の祖母になる。遠まわしに説明するより、 肝属家の流れを組むといったら方が判り易いかもしれない。 大河ドラマの小松帯刀とは血縁となる。
長男の良義はクラという女性と結婚、次男は辺見家に養子となる。
祖母の武喜は、祖父の永井徳千代と結婚し、
長女・千都(53才他界)久生(3才?他界)長男・昌(21才他界)、
次女・ミツ子、三女・久子、四女・幸子、二男・才博(62才他界)、
三男・章義に恵まれる。
母、ミツ子は現在79歳で健在である。
戦前戦時中、祖父は、大日本製糖株式会社の職員として台湾で勤務していた。
自慢にも何にもならないが、
戦後、日本に引き上げてきた頃、時代が時代なら、
お母様は姫様なんだよ!という話を、
周りの人々から聞いたことを思い出す。
系図を調べると、新しい発見に遭遇する。
人生は、歴史との遭遇の連続であり、永遠だ。