語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【派遣】中高年の保険は医療保険で十分 ~中高年派遣社員物語10~

2017年03月29日 | ノンフィクション
 (1)森川氏は、3年間、損害保険の営業をしていたことがある。スキー保険という新保険を作ったこともある。これは事故があったら、保険会社の損害額が大きくなるが、通院日額を低くして会社の損害額を減らす設計にもなっている。だから森川氏は、生命保険にも詳しいと自負している。

 (2)60歳になると定年退職となるケースが多い。フルの年金がもらえる65歳まで、まだ5年もある。そこで問題になるのが生命保険だが、多くの人が退職後の保険で悩む。月給が高額だったために在職時は保険料を月1万円以上払っていたケースも多いのではないか。
 ところが退職すると年金額がそれに見合わないため、死んだら保険金が家族に支払われる死亡保険に疑問を呈する方が多い。平均寿命の男性約81歳、女性約87歳までも生きるとしたら、万一に備えるにしても、少ない年金から月1万円の保険料を20年以上も払い続けるのはどうかと思う。
 ここは、死亡保険は家族に理解してもらって解約、生きている間、病気・交通事故で入院した場合に備える掛け捨ての医療保険で十分ではないか。終身タイプが安全だが、死ぬまで保険料を払い続けなければならないため、月の保険料は5,000円以下が家計にやさしい。
 森川氏は、月保険料3,000円の一生保険料が変わらない終身タイプの医療保険に入っている。

 (3)若い時はまだ保険の知識がなく、10年満期の生命保険にしか加入していなかった。10年ごとに保険料が変わるので、若い時に終身保険に入っておくべきであったと後悔したのは後の祭りで、その時は入院日額5,000円の終身医療保険にしか加入していなかった。とはいえ、この医療保険には随分とお世話になった。気胸になったり、痔の手術をしたり。治療費等を賄うのに役立った。森川氏より若い中高年の方には、入院日額1万円の終身の医療保険に入るよう勧めたい。

 (4)家族に癌を患ったことのない森川氏には、癌保険はまったく役に立たなかった。たしかに「癌になった」と宣告されただけで保険金が下りる癌保険は手厚いが、その分保険料が高い。癌にならないと保険が下りないので、これほど役立たない保険はない。 
 しかも、公的健康保険に入っていれば、高額療養費制度があって、森川氏の収入程度であれば、月の医療費の自己負担額は上限44,000円。癌保険に入っていなくても困らない。
 メットライフやアフラック、オリックス等が扱っている医療保険だけで十分だ。
 癌で手術を受けても10万円なにがしかの手術代が補償されるし、2ヵ月分なにがしかの入院日額も補償される。
 通院日額が付いているものや、配当金付き生命保険は、保険料も高くなるので、勧められない。運用は自分でやると考え、保険とは切り離して考えるのがいい。

□森川海守「中高年の保険は医療保険で十分なのだ ~中高年派遣社員物語10~」(「週刊金曜日」2017年3月17日号)
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