語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】呼吸の日 ~5月9日~

2017年05月09日 | 医療・保健・福祉・介護
 5月9日は、日本呼吸器障害者情報センターが制定した「呼吸の日」。5(こ)9(きゅう)の語呂合わせだ。
 呼吸器の病気である肺炎は日本人の死因第3位である。その原因の一つがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)。肺に有害物質やガスを吸い込み続けることで肺が炎症を起こすもので、長期間ゆっくりと進行するため、患者は高齢者が多いという。
 慢性的にせきやたんが続き、階段や坂道を上がるときなど、ちょっとした動作でも息切れが起こるようになる。
 悪化すると、酸素を取り込むことができなくなり、携帯用酸素ボンベを使った在宅酸素療法が行われる。しかし、人によっては息切れやたんが出るような状態が長く続くケースもあるそうだ。
 軽症に思えても、風邪や疲労をきっかけに、急速に呼吸困難を起こし、重い肺炎につながってしまうといいう。
 COPDの1番の原因は喫煙とされている。しかし、喫煙をしていない人の発症も増えているそうで、最近は大気汚染による肺への影響が心配されている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「呼吸の日 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年5月9日)を引用
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【佐藤優】『牙を研げ 会社を生き抜くための教養』 ~目次~

2017年05月09日 | ●佐藤優
 
まえがき
第1章 中間管理職のための仕事術
      ~独断専行の研究~
第2章 ビジネスパーソンのための宗教入門
      ~国際社会を動かす論理を体得する~
第3章 論理力を鍛える
      ~論理的思考法の身につけ方~
第4章 教養としての地政学
      ~国際ニュースの読み方~
第5章 貧困と資本主義
      ~商品社会のカラクリ~
第6章 ビジネスパーソンのための日本近現代史
      ~なぜ学び直さなくてはならないのか~
第7章 武器としての数学
      ~組織力を高めるために~
おわりに 体験的読書術

□佐藤優『牙を研げ 会社を生き抜くための教養』(講談社現代新書、2017)
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【社会】詐欺のテクニック ~昔も今も~

2017年05月09日 | 批評・思想
 オレオレ詐欺は今なお廃れないし、AIG投資顧問会社の詐欺事件をはじめ、投資家を騙す話は数知れない。
 しかし、詐欺のテクニックは、昔も今も、基本的には変わりないらしい。
 例えば、A・A・フェア(尾坂力・訳)『黄金の煉瓦』(ハヤカワ文庫)には、こんな話が出てくる。
 怪しい事業所が、値打ちのない選鉱くずに金がたくさん含まれていると宣伝し、消滅した会社の額面1ドルの株を1株500ドルで売りつけるのだ。
  「驚いたな。どうしてそんなことができる?」
  「ずるくて、押しが強く、口のうまいセールスマンが、せわしそうに、客の目の前に、うまそうな餌をぶら下げてみせるんです。自分から喋る時間を限定してね。連中は馬鹿者の前に時計を置きます。馬鹿者は、たいてい、自分は忙しい重役だと思いこんでいるから、質問する時間がくると、時計を指でトントンと打って、セールスマンに、与えられた時間がきれたと厳然と言います」
  「連中は、そんな具合に火事ドロ的仕事をするのか?」
  「そうです。だが、客のほうがせいているんですよ」
(中略)
  「それで、客は質問はしないのか?」
  「しませんね。客が質問しようとするたびに、セールスマンはしゃべり出すんです。時間が過ぎたということを理由に、客がくちばしを入れようとする疑問点を、終わりまで話すんだと言わんばかりにね。それで客はいらいらして黙ってしまうって寸法です」
(中略)
  「セールスマンのやり方に間違いはないかね?」
  「ありません。まったく利口なやり方です」
 ミステリーは有閑人のヒマつぶしと見られているが、世間知に通じた作家の手になれば、かくの如くお人好しの庶民を啓蒙してくれる。
 ちなみに、A・A・フェアは弁護士のE・S・ガードナーのもう一つのペンネームである。

□A・A・フェア(尾坂力・訳)『黄金の煉瓦』(ハヤカワ・ミステリー文庫、1977)
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 【参考「【言葉】シンプル・ライフ ~ソロー『森の生活』とハードボイルド~
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【言葉】シンプル・ライフ ~ソロー『森の生活』とハードボイルド~

2017年05月09日 | 批評・思想
 ハードボイルドの帝王、E・S・ガードナー(A・A・フェア)【注1】は、他方では、H・D・ソローの末裔でもあった。

「晩飯までいなさるかね?」
「そうしたいね」
「豆とホット・ケーキとシロップしかないがね」
「それでけっこう」
「あんたは鳥獣監視人じゃないんだね?」
「うん」
「そんなら、うずらの肉が2羽分あるんだ。では飯にして、後で話すことにしよう」
「手伝おうか?」
「いらない。じっと座ってなさい。邪魔にならんように向こうの隅で」
 僕は、彼が夕食の仕度をするのを見ていたが、羨ましくなった【注2】。家は雑だが清潔だ。すべてがきちんと、それぞれの場所に整頓され、余分なものがなかった。戸棚は、元は5ガロン入りの石油罐2つを入れてあった木箱で作ったものだ。木箱は2箱を上下に重ね、細い板で釘づけにしたものだ。
 (中略)
「金を貯めたんだね」
「一文も」
「でも、今は働いてないじゃないか」
「うん。なんとかやっている」
 僕がしばらくだまっていると、ピートは、「わしの暮らしには、大して費用はかからんのさ。たいていの物は、この辺で手に入る。豆もときどき手に入るし、あそこには小さいが野菜畑もある。タバコや、砂糖少々、小麦粉は町で買う。ベーコンも少し買い、脂は料理のためにとっておく。人間一人生きていくだけなら、驚くくらい金がかからんものだ」【注3】
 僕はしばらく黙っていてから、「こんな気持ちのがいいところで、ひと晩過ごそうとは思いがけないことだった。たった一つ足りないものがあるが」
「なんだね?」と彼はきいた。
「一杯の酒さ、ひとっ走り町へ行って、ひと瓶買ってこようか?」
 彼は、だいぶ長い間僕を見つめたまま黙っていた。「どんな酒がほしいんだね?」と彼はきいた。
「どんなものでもいいさ」
「普通いくらぐらいのを買うね?」
「1クォート4ドルがとこかな」
 彼は、「ちょっと待っててくださいよ。すぐ戻る」
 彼は立ち上がって外へ出た。戸口から20フィートほど歩く彼の足音が聞こえた。それから足音は、ばったり消えた。それから、また足音がした。外は月夜だった。ブリキをうちつけてない窓から、月が松や樫の木の下に黒い影を作っているのが見えた。その向こうには、白っぽい採鉱くずの山が月の光を受けて冷たく光っていた。僕は砂漠を思い出した。
 しばらくしてからピートは戻ってきて座った。僕は、ちょっと彼の顔をみてから紙入れを出し、1ドル札を4枚出した。
 彼は2枚もどした。「1パイントしか持ってこなかったんでね」と彼は言いわけをした。

 【注1】「【本】文は人なり ~シンプルな文章~
 【注2】「【読書余滴】理論と実践又はアルジェリア式羊肉シチューの事 ~料理の四面体~
 【注3】「書評:『波止場日記』

□A・A・フェア(尾坂力・訳)『黄金の煉瓦』(ハヤカワ・ミステリー文庫、1977)
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 【参考】「【社会】詐欺のテクニック ~昔も今も~

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【食】ギョウジャニンニク(行者葫) ~アイヌネギ~

2017年05月09日 | 生活
 (1)北海道のSさんからアイヌネギを頂戴した。
 屈足(くったり)の山から採取したそうで、屈足はアイヌ語ではクッタラウシ(イタドリの群生するところ)というらしい。サホロ岳の手前にあり、帯広から車で2時間半の距離だとか。百名山で有名なトムラウシ山へ行く道の登山口にある東大雪荘が目的地の山行だったそうだ。

 (2)アイヌネギは、ウィキペディアによれば、
 <おおよそ、5月上旬から中旬頃の山菜として知られており、葉茎を主に食用として用いるが、しょうゆ漬けにして保存したり、生のままやおひたし、ギョウザ、卵焼きに混ぜるなどして食べる。(中略)
 ニンニクよりもアリシンを豊富に含んでおり、抗菌作用やビタミンB1活性を持続させる効果があり、血小板凝集阻害活性のあるチオエーテル類も含むため、血圧の安定、視力の衰えを抑制する効果がある。成分を利用した健康食品も販売されている。>
 独特の臭みがあるので、行者ニンニクの別名がある。臭いものは美味しい、とSさんはおっしゃっていた。

 (3)日本海新聞のコラム子はいう【注】。
 <成長が非常に遅く、種をまいて2年たってようやく芽を出すという。3~4年ほどしてようやく葉が2枚以上付き、茎が伸びて花が咲くのは5年を過ぎてから。そのため、幻の山菜ともいわれるらしい。昨年6月には、野生のギョウジャニンニクと間違って猛毒のイヌサフランを食べて、中毒死も起きているので要注意だ。
 強いにおいのもとは、アリシン。免疫力を高め、血行を促進し、冷え性や動脈硬化、血栓の予防にも効果があるとされ、殺菌作用も強いそうだ。肉と一緒に食べるとビタミンB1の吸収を高める働きも期待できる。>

 【注】「【南雲つぐみ】ギョウジャニンニク(行者葫) ~アイヌネギ~

 (4)調理例
 ギョウジャニンニク/アイヌネギ。
 

 醤油漬け。残った醤油も美味。
     

 納豆に混ぜる。野性味があって美味。
 

 餃子。香りが良く、味、食感共に良い。
   

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【南雲つぐみ】タケノコご飯

2017年05月09日 | 医療・保健・福祉・介護
 タケノコは、古くは「たかんな」と呼ばれ、一説には「竹芽葉」が転じたものともいわれる。タケノコは、まさに今しか味わえない旬の味。タケノコ掘りにはなかなか行けないが、ありがたいことに近所からおすそ分けをいただくことがよくある。
 そのような時にはすぐに、たっぷりの水にぬか2カップと赤唐辛子を2~3本いれて火にかけ、タケノコを2~3時間ゆでる。鍋に入れたまま冷まし、次にメニューを考える。タケノコご飯に若竹煮、タケノコのてんぷら・・・・。新鮮なうちに旬を味わい尽くさなければという気分になる。
 タケノコのおいしさは鮮度が決め手。特有のうま味を作り出しているのは、チロシンというアミノ酸の一つだが、時間とともにこの成分がどんどん酸化し、シュウ酸とともにえぐみ成分に変わってしまう。
 チロシンは食物繊維が多く、便秘を防いでくれる。原産地の中国では、腸をなめらかにする働きがあるとされてきた。しかし、消化が悪いので下痢気味のときは食べ過ぎないほうがいい。

□南雲つぐみ(医学ライター)「タケノコご飯 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年5月6日)を引用
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【言葉】なぜ昔のことを書いた本を読むのか ~『初秋』~

2017年05月09日 | 批評・思想
「なにが書いてあるの?」
「十四世紀のことだ」
 彼は黙っていた。薪の端から樹液が流れ出て下の熱い灰の中に落ちた。
「なんで1400年代のことを書いた本を読むの?」
「1300年代。二十世紀が1900年代であるのと同じだ」
 ポールが肩をすぼめた。「だから、なぜそんなことについて読むの?」
 私は本をおいた。「当時の人々の生活がどんなものだったか、知りたいのだ。読むことによって、六百年の隔たりをこえた継続感を得られるのが好きなのだ」

□ロバート・B・パーカー(菊池光・訳)『初秋』(ハヤカワ・ミステリ文庫、1988)
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