第一夜はこちら。
勝呂が(灰色の脳細胞をはたらかせて)事件を推理するのはいいけれど、どう推理しているのか、解説者がミステリでは必要だ。ワトソン役ってことね。このドラマでは
・莫(ばく)……高橋克実 ビアンキ……マーティン・バルサム
・須田……笹野高史 コンスタンティン医師……ジョージ・クールリス
という、鉄道会社の重役と医師のコンビにその役をふっている。高橋克実とマーティン・バルサムは顔までそっくりなのでおかしい。くわえて
・パインさん……山寺宏一
というカフェのマスターを登場させているのは、クリスティのおとぼけキャラ、パーカー・パインへのオマージュでしょう。
さてオープニング。舞台は寝台特急「東洋」。なるほど“オリエント”(東方)です。原作がイスタンブールからパリへの途上なら、こちらは下関から東京に向かう途中、関ヶ原で雪崩が起こり、列車が止まってしまったことが背景になっている。
侯爵や伯爵とか陸軍大佐が出てくる関係もあり、昭和8年という設定。この犯罪は、みんながスマホを持っている現代では絶対に視聴者が納得しないので正解。
のっけに登場するのが勝呂と軍服姿の相島一之。ある事件を解決した勝呂を見送るという設定。彼がおみやげに買ったフグ(あ、下関だからフクですか)の干物があとで効果的にはたらく。
「新選組!」の新見役が光った相島と、源さん役の小林隆、そして芹沢鴨の佐藤浩市らが続々と登場するのでそれだけでうれしい。
野村萬斎はアルバート・フィニーをもっとコミカルにした演技。フィニーはけっこう容疑者を恫喝までしていた食わせ者だったけれど、萬斎はあくまで紳士的である。彼の演技にも非難が集中しているようだ。でもわたしは日本版ポワロとして、彼以上の役者はちょっと思いつかない。彼が「古畑任三郎」の犯人として登場していないのが不思議でならないほど。
観光には向かない冬なのに、オリエント急行の寝台車は満室。おかげで勝呂は一般車両に追いやられそうになる。恐縮しながらも、頑固な車掌(西田敏行)。
鉄道会社の重役である莫は、恩義ある、高名な名探偵(「いろは殺人事件」の解決で有名なのだそうだ。あははは。ABCじゃないのね)にそんな扱いはできないと無理に寝台車に押し込む。以下次号。さあこの画像のなかに犯人がいますよ(笑)
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