陰陽師的日常

読みながら歩き、歩きながら読む

日付のある歌詞カード ~16歳以上を信じるな

2008-04-02 22:49:21 | 翻訳
16歳以上を信じるな~Porcupine Tree "fear of a blank planet" を聴く

"fear of a blank planet" は前のアルバム "Deadwing" と同じくコンセプトアルバムである。ただ、前のアルバムが現代の宗教をテーマとしていて(たぶん)、なんだかよくわからなかったのに対して、今度のアルバムは非常にわかりやすい。
ミドルティーンの男の子の心象風景が今度のアルバムのコンセプトだ。

wikipediaには、スティーヴン・ウィルソン自身がこのアルバムのコンセプトをインタヴューでこう説明している。
この死ぬほど退屈してる子供は、十歳から十五歳ぐらいの子でね、昼間はずっとカーテンを閉め切った自分の部屋にいて、プレステをやったり、i-podを聴いたり、友だちと携帯でメールをやったり、ハードコア・ポルノをインターネットで見たり、音楽も、映画も、ニュースも、暴力も、なんでもダウンロードしたりしてる……。彼は処方薬漬けでもあるんだ。最近の親って、自分の子が問題を抱えていても、腰を下ろしてじっくり話を聞くんじゃなくて、医者のところにつれていって、薬を処方してもらうだろう、そういうのは悲劇的だと思うよ、ほんとうに。


このアルバムの背景はこういう世界なのだ。

まず一曲目、アルバムのタイトルチューンでもある "fear of a blank planet" で、このアルバムの作品世界が明らかにされる。

* * *


"fear of a blank planet"
(のっぺらぼうの惑星の恐怖)

Sunlight coming through the haze
No gaps in the blinds
To let it inside
The bed is unmade, some music still plays

 日がホコリを透かして入ってくる
 ブラインドには光が入ってこれるような
 隙間なんてないのに
 寝床は起きたまま、何か音楽がまだ鳴ってる

TV, yeah it's always on
A flicker of the screen
A movie actor screams
I'm basking in the shit flowing out of it

 テレビはつけたままさ
 画面がちらつき
 映画女優が悲鳴をあげてる
 ぼくはそこからあふれだすゴミにどっぷり浸りきる

I'm stoned in the mall again
Terminally bored
Shuffling around the stores
And shoplifting is getting so last year's thing

 ショッピングモールでまたハイになった
 死ぬほど退屈しながら
 店を回るけど、万引きなんかはしない
 あんなもの去年で卒業したからね

Xbox is a god to me
My finger on the switch
My mother is a bitch
My father gave up ever trying to talk to me

 Xボックスがぼくの神様
 ぼくの指が乗ってるのはスウィッチ
 ぼくのママはビッチ
 ぼくのパパは僕に話しかけることなんてあきらめてる

Don't try engaging me
The vaguest of shrugs
The prescription drugs
You'll never find a person inside

 ぼくに関わろうなんてしないでよ
 ほんの少し肩をすくめてみせるのは
 薬漬けにされたやつなんだから
 そのなかにはだれもいないんだ

My face is mogadon
Curiosity
Has given up on me
I'm tuning out desires
The pills are on the rise

 ぼくの顔は睡眠薬
 好奇心の方がぼくを見捨てたのさ
 欲望なんて感じない
 薬だけが増えていく

How can I be sure I'm here?
The pills that I've been taking confuse me
I need to know that someone sees that
There's nothing left, I simply am not here

 ぼくがここにいるってどうやったら確かめられる?
 いつも飲んでる薬で、わけがわからなくなってるんだ
 だけど誰かが気がついたんだったら知っておかなくちゃ
 ここにはだれもいない、ぼくはここにいないんだって

I'm through with pornography
The acting is lame
The action is tame
Explicitly dull, or rather a lull

 もうポルノはうんざりだ
 芝居は野暮だし
 やることはヘボだ
 モロにたいくつ、っていうより眠くなっちゃう

Your mouth should be boarded up
Talking all day with nothing to say
Your shallow proclamations
All misinformation

 口なんか閉じてしまえ
 しゃべることなんてないのに一日中しゃべってるじゃん
 そのうすっぺらな主張なんて
 みんなうそっぱちじゃないか

My friend says he wants to die
He's in a band, they sound like Pearl Jam
Their clothes are all black
The music is crap

 友だちは死にたいんだって
 バンドをやってるんだけど、パール・ジャムそっくりだ
 着るものは黒ずくめ
 やってる音楽はゴミ

In school I don't concentrate
And sex is kinda fun, but just another one
Of all the empty ways of using up the day

 学校じゃぼうっとしてるんだ
 セックスはまあおもしろかったけど、それもただ
 一日をやり過ごすくだらない方法のひとつってだけ

How can I be sure I'm here?
The pills that I've been taking confuse me
I need to know that someone sees that
There's nothing left, I simply am not here

 ぼくがここにいるってどうやったら確かめられる?
 いつも飲んでる薬で、わけがわからなくなってるんだ
 だけど誰かが気がついたんだったら知っておかなくちゃ
 ここにはだれもいない、ぼくはここにいないんだって

Bipolar disorder
Can't deal with the boredom
Bipolar disorder
Can't deal with the boredom

 躁鬱病っていうのは
 退屈をどうにもできないことなんだ
 躁鬱病っていうのは
 退屈を乗り越えられないことなんだ

Don't try to be liked
You don't mind
You feel no sun
You steal a gun
To kill time
You're somewhere
You're no where
You don't care
You catch the breeze
It still relieves
So now where?

 好かれようなんて思うなよ
 気にしなきゃいいんだ
 日の光なんて感じない
 銃を盗んだのも暇つぶし
 どこかにいるんだろ
 どこにもいないのか
 どうでもいいさ
 風が吹いてきた
 そんなことでホッとするなんて
 じゃ、どこへ行きゃいい?


http://www.youtube.com/watch?v=sUnAxegUJu0

検索して歌詞サイトの歌詞を訳してたら、どうも歌詞がちがってるので、聞き返してたら遅くなっちゃいました(ちがってたら教えてください)。
興味がない人には全然おもしろくない話なんでしょうが、明日も続けます。