hiyamizu's blog

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大谷義夫『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』を読む

2023年07月29日 | 健康

 

大谷義夫著『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』(2022年12月20日主婦の友社発行)を読んだ。

 

主婦の友社の紹介

中高年になると、食事中に食べ物や飲み物が間違って気管に入って、むせたり、せき込んだりすることがありませんか?
●こうした誤嚥の際にせきをするのは、間違って入った飲食物を気管の外に出そうという「せき反射」で、病気ではありません。
●しかし、これが頻繁に起こるようになると、のどの機能が衰えてきている証拠です。
●放っておくと、2030年には死亡者が12万人に達するといわれる、こわい誤嚥性肺炎を招くことも少なくありません。
●そこで、のどの機能を鍛える「のどトレ」など、肺炎にならない習慣を紹介します。

 

Part1:「むせる」「せき込む」はのどの老化なの?

  • 夜間睡眠中に唾液などを誤嚥する「不顕(けん)性誤嚥」は、加齢による、のどの機能の衰えと免疫力低下によって起こる。胃ろうの人でも起こりうる。
  • 肺炎は感染症の一つで、最も多いのは肺炎球菌性肺炎。
  • 脳の微細な血管が詰まる「ラクナ梗塞」が大脳の基底核に起こると嚥下反射やせき反射が起こりにくくなり、睡眠中の唾液の誤嚥で肺炎を起こす。

 

Part2:のどが老化すると肺炎になりやすい

  • のど仏に指を当てて、30秒で唾液の飲み込み(空嚥下)が何回できるか?
    10回以上:問題なし、6~9回:のどトレを始めよう、5回以下:誤嚥性肺炎のリスクあり
  • 高齢者は免疫力が低下しているので、肺炎を起こしても37度台の微熱にとどまることがある。息が浅くなる、呼吸が速くなる、ぐったりする、食欲がなくなるという症状が3~4日続いたら、肺炎を発症しているかも。
  • 肺炎は治療だけでなく予防が重要。肺炎で入院すると数日でも筋力が低下し、心身の機能がますます低下する(生活不活発病)。嚥下機能も弱くなって誤嚥しやすく肺炎を繰り返す。

 

Part3:のどを鍛えれば健康寿命が10年延びる

  • のどの筋肉を鍛える飲み込みトレーニング、せき反射を促す呼吸筋トレーニング、口腔ケアと小さな脳梗塞(ラクナ梗塞)予防
  • 食事前に空30秒で5~6回の空ゴックン(空嚥下)し、よく噛んで唾液を分泌し、食べ物を口内でまとめるとろみ付けして誤嚥防止する。

 

Part4:肺炎にならないための生活術 

  • 肺炎を起こす細菌は歯と歯の間にすみつくので、歯間ブラシ、デンタルフロスや、舌ブラシが有効。
  • 免疫を落とさないため、タンパク質がある食事・水分補給、適度な運動、6時間以上の睡眠が必要。

 

Part5:肺炎にならない 道具なしでどこでもできるのどトレ

  • 呼吸筋ストレッチで肺活量アップ、唾液腺マッサージとのど筋トレで飲み込み力回復、ベロ出し運動、音読

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

130ページ足らずの中で要領よく、のどの機能、肺炎の仕組みなどを解説し、わかりやすい対策を提案している。

従来からよく知られている事、常識的な対策も多いが、全体を俯瞰する中で簡潔に示されると、理解が進む。

 

簡単な概説書だが、のど、肺炎に絞っているので、必要なことはすべて網羅しているように素人の私には見える。

 

 

大谷 義夫(オオタニヨシオ):1963年、東京都生まれ。医学博士。池袋大谷クリニック院長。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医。1989年、群馬大学医学部卒業。九段坂病院内科局長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、同大学呼吸器内科兼任睡眠制御学講座准教授、米国ミシガン大学留学などを経て、2009年に池袋大谷クリニックを開院。全国屈指の呼吸器内科の患者数を誇る。呼吸器内科のスペシャリストとしてテレビ等で情報発信を行う。著書に『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』など。

 

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