hiyamizu's blog

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桐島洋子『ペガサスの記憶』を読む

2022年07月14日 | 読書2

 

桐島洋子、桐島かれん、桐島ノエル、桐島ローランド著『ペガサスの記憶』(2022年6月20日小学館発行)を読んだ。

 

小学館の内容紹介

桐島洋子と三人の子供たちが繋ぐ家族の物語

 

「この伝記を読めば、なぜ私たちが桐島さんにあれほど熱狂したかわかる」・・・林真理子(作家)

 

フリージャーナリストとしてマス・メディアで活躍するかたわら、未婚のまま、かれん、ノエル、ローランドの三姉弟を育て上げ、「女性の自立と成熟」の代名詞として女性の絶大なる人気を集めた桐島洋子による、破天荒で波瀾万丈な自伝に加え、三人の子供達が、母への思いを存分に綴った、最初で最後の「桐島家」本格自叙伝。長年の桐島洋子ファンをはじめ、自分らしく生きることを模索する現代の女性たちに、年代を超えて勇気と元気を与えてくれる1冊。

 

「大胆不敵で聡明で驚くばかりの行動力。お嬢様育ちで女王様のようでもあり、恋をすると熱烈――」(桐島かれん)

「人間としての母に対する私たちのリスペクトは揺るぎないものです。その絆はどんなことがあっても変わりません」(桐島ノエル)

「現代のシングルマザーたちが置かれている環境も大変ですが、母の生き様が少しでも励みになってくれたら幸いです」(桐島ローランド)

 

今こそ知りたい! 「桐島洋子」という生き方

 

前半(第一章)は、桐島洋子さん自身の筆で、祖父が三菱財閥の大番頭の家柄、幼少期の思い出、破天荒な恋愛と3人子供の出産、自由奔放に我が道を行く「桐島洋子ワールド」が語られる。これまでのいろいろな媒体に書かれて来た内容が多いが、約100頁と要領よく語られる。

 

その後の話は、洋子さんがアルツハイマー型認知症を患って雑誌連載を中断していた。3人の子供たち、かれん、ノエル、ローランドがその後の話を追加し、反発も含めて母への思いを語り、後半(第二章)を追加して一冊の本としてまとめた。

 

「ペガサス」は、ギリシア神話に登場する伝説の生物である。鳥の翼を持ち、空を飛ぶことができる馬。

 

初出:第一章は月刊「本の窓」2016年5月号~2017年2月号、第二章は書き下ろし。

 

 

桐島洋子(きりしま・ようこ)の略歴と既読本リスト

 

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:読むべき、 最大は五つ星)

 

私は桐島さんとお会いしたことがあった。バンクーバーの桐島宅を訪問し、「古希の祝いのパーティ」に参加し(「Capilano Golf Clubでパーティ」)、東京でのオトナの寺子屋「森羅塾」にも一度だけだが参加した(「桐島洋子の森羅塾へ」)。

歳を感じさせないきっぱりとした物言い、早口と早足に驚かされたあの桐島さんが認知症とは! 信じられなくて、悲しくて、この本を読んだ。

 

 

前半は、上海での幼少期の細かい話が私には初めてで面白かった。また、既に故人になったからだろうか、唐牛健太郎や、3人の父親・ダグなどとのあからさまな恋の話が興味をそそる。子供にはクールだが、愛人にはえらく情熱的なのが桐島さんなのだ。

 

女性に対する偏見に満ちた時代、不倫をものともせず恋に突進し、会社を騙して出産し、子どもは人に預け、したいことを諦めることなく実行に移す、底抜けのポジティブさと勇気と知性、それが彼女の貫いた生き方だ。

 

 

以下、私のメモ。

 

私は「かれん」はモデルやサディスティック・ミカ・バンドのボーカルなどやっていたので、派手な性格だと思っていたが、子供の頃から目立つのがいやで、普通がうらやましかったという。小学校のスクール水着を買ってもらえなくて、持っていた派手な水着を着て行って先生に怒られた。

母は、人の悪口も絶対に言わないし、泣き言も言ったことがありません。とにかくネガティブなことが嫌いで、私たちが弱音を吐いたりしようものなら、ムスッとして嫌がります。(p158)

 

1982年、母が45歳のときに結婚したお相手(勝見洋一)が私たち家族の中に入ってくると、歯車が狂い始めます。…自分のことを必要以上に大きく、よく見せるために、本当でないことも、本当のように話すのです。……母は話が上手な彼に、すっかり洗脳されてしまったかのようでした。(p166)

桐島さんは、2002年に勝見さんと離婚したが、その後も友人として仲よくし、病気になっても最後まで面倒をみたと聞いた。

 

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