hiyamizu's blog

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東野圭吾『パラドックス13』を読む

2017年07月15日 | 読書2

 

 東野圭吾著『パラドックス13(サーティーン)』(講談社文庫ひ17-32、2014年5月15日発行)を読んだ。

 

 裏表紙にはこうある。

13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。世界が変われば善悪も変わる。殺人すらも善となる。極限の状態で見えてくる人間の真理とは。

 

 3月13日13時13分13秒、ブラックホールの影響で「P-13」と呼ばれる現象の発生が予測され、政府は極秘で対策を検討。しかし、具体的に発生する現象や、影響は不明で、13秒間だけの現象なので国民には知らされなかった。

 所轄刑事の久我冬樹は、警視庁の管理官である兄・誠哉とともに強盗犯を確保しようとしていた。問題の13秒間に、焦った冬樹の行動で、誠哉は犯人達に撃たれ胸を赤く染める。冬樹も撃たれ、意識を取り戻したときには、東京の街は無人になっていた。

 街を歩き、見つけたのは誠哉も含め、合計13人だった。彼らはあの13秒間に死んだ人間だった。彼らは、廃墟と化した東京をさまようが、13人を消し去って、このパラドックス、矛盾を解消しようとするかのように、数々の天変地異が彼らに襲いかかる。

  

初出:2009年4月毎日新聞社より単行本として刊行

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

 この世から突然、人が居なくなり、ほぼ無人の都市をさ迷い歩くというハリウッド映画で何度か見たような話で、私には驚きや戸惑いはなかった。

 突然運転手が消えた自動車の事故だらけの東京を歩く描写は真実味があるが、13人を消し去ろうと起る天変地異は規模の割に殺人効率が悪く、情けない。

 久我兄弟をはじめとする登場人物の性格描写もあまりにステレオタイプで、遊びがない。

 

東野圭吾の履歴&既読本リスト

 

 

登場人物

久我冬樹(くが・ふゆき):所轄の刑事。単純な正義感で考えなしの行動に走る。優秀な兄・誠哉と対立。

久我誠哉(くが・せいや):冬樹の兄。警視庁管理官、キャリア。常に冷静。リーダー役。

中原明日香:女子高生。フットサル部所属。

山西繁雄:老人。春子の夫。

山西春子:繁雄の妻。

戸田正勝:大手建設会社の専務。

小峰義之:技術者で戸田の部下。

富田菜々美:看護師。医者の恋人がいた。

新藤太一:フリーター。小太りで大食い。

白木栄美子:ミオの母親。病死した夫のために借金苦。

白木ミオ:栄美子の娘。ショックで失語症。

勇人(ゆうと):アパートで一人生存していた赤ん坊。

河瀬:ヤクザの男。

コメント
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