hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

『楽しむマナー』を読む

2017年07月31日 | 読書2

 

 

 作者(作家や科学者)13人、中央公論新社編集『楽しむマナー』(2017年3月25日中央公論新社発行)を読んだ。

 

 裏表紙にはこうある。

人が喜ぶおごられ方から天寿を全うする方法まで、人生のあらゆる場面で出くわすマナーの難題を作家・歌手・科学者十三人がするっと解決! 愛を温めたい、気まずい空気を消したい、プロフェッショナルな仕事をしたい…この一冊が、大人の悩みを解きほぐす。しんどい心のコリに効く、楽しいマナー考。

(『マナーの正体』を改題)

 

 酒井順子、藤原正彦、荻野アンナ、竹内久美子、福岡伸一、逢坂剛、乃南アサ、角田光代、鎌田實、綿矢りさ、さだまさし、高野秀行、東直子の13人による合計150以上のエッセイ。

 ニッチを生きるマナー/我が身を愛でるマナー/食こそすべてだマナー/エレガントに闘うマナーなど12のテーマごとに各自2ページにエッセイをまとめている。

 

去勢のマナー(竹内久美子)

去勢は単に生殖能力を奪うだけでない。オスは発情したときのおしっこひっかけ(マーキング)がほぼなくなる。

 しかし何といっても飼い主にとって1番の幸せは、彼らと暮らせる時間が長くなるということだろう。寿命がオスで3年近く伸びる。・・・メスはたった半年くらいしか伸びない。

 

味噌汁のマナー(高野秀行)略歴と既読本リスト

 高野さんがスーダン人に味噌汁の作り方を教えるために吉祥寺の駅ビルの高級スーパー(多分紀伊國屋)で豆腐、わかめ、鰹節、昆布などを買った。とくに昆布は普段の4倍の値段だった。家に着いて作った味噌汁がむちゃくちゃ美味い。いつものものとは別物だった。高級食材、とくに昆布の出汁が素晴らしい。

 

怠け者のマネー(福岡伸一)

 生物学者の長谷川英祐さんの著者『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー新書)によると、・・・ある瞬間、なにもしないないアリは7割近くもいる。1か月以上、観察を続けても、だいたい2割くらいのアリはさぼりつづけている。さぼっているアリを排除しても、残り集団の中からまたさぼりアリがでてくる。・・・コロニーの中に一定数の「遊軍」を常に温存しておいた方が、いざというときに有利だから、と説明される。・・・私は、遺伝子はある程度の遊びをいつも許容している、と考えてみたい。・・・遊びをせんとやうまれけむ、である。

 

 

初出:『マナーの正体』(2015年12月中央公論新社刊)を文庫化にあたり改題。

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

 皆さんのエッセイはほとんどが面白く、なるほどと思わせるポイントが必ずある。

 150ほどのエッセイを読んで、なるほどエッセイはこんな風に書くのかと、参考になった。といっても、私がこんな風に書けるわけでもなく、なにか心に強く残るほどでもなく、ただ、なるほどと思い、過ぎ去っただけだった。それでよいといえばよいのだが。

 

 3,4編のエッセイを読んだだけで、著者の思考パターンが分かり、著者が、もちろんその一面だけだが、解った気がした。文は人なり、人は文なり。それほどではないか??

コメント
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