ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

白銀 天狐

2010-06-26 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
命照瑠「ワン ツー スリーナイン…と」三色丼をそれぞれの前に置いた。
義経「あ、俺、二色ね」
海尊「俺が三色だ」義経と海尊の注文が逆だったので、クルッと空中転回 手動修正した。
注文の品がそれぞれに渡った所で、
命照瑠「義経、久しぶり」と声を掛けられ、
義経「ふぁっ(What’s)?」と頭上にでっかいクエスチョン?マークを付けて、(いつどこでナンパしたメーテルだ)と首を傾げた。
命照瑠「あれからどう?」と訊ねられ、
義経「ほぇん(When)?」と脳内で過去回想シーンを廻らせ、(あれっていつよ?どうって何が?)と脳をフル回転させたが…全く思い出せないメーテルだった。ここで「あんた誰?」と不躾に尋ねれば、貴重なメーテルとの出会いが終わってしまう。出会っただけでは縁は結ばれん、縁を深める努力をせねば!!と、何とかして会話を繋げようとした。ウケ狙いなのかメーテル面はさておき、ボディーライン合格点とのめったに遭遇しないご縁である。ここで切ってしまう糸では忍びない。さらに、こんなスリーナイスボディーが声を掛けているのに、自分の記憶には無いなんて一生の不覚で、一生後悔する。
しかし、
「御(ご)めん 君 誰だっけ?」と素直に忘れたことを謝罪していいのか、「あれぇ、いつだっけ?」とちょっと知ったかぶりして、いつだったかだけさり気無く聞き出していいのか、「見ての通りさっ!」と格好つけて、大幅に自分の記憶を誤魔化して答えていいのか、腕組みをして難しい顔をして迷い、首を折り深刻に悩んでいた。ら!?
命照瑠「私の琴、忘れてる」と目を瞑り、背を向けた。ま、それはアルバイトの途中であり、次のお客さんが待っているからだと思うが、さっさと空いた席のテーブルを片付けに回った。
その姿を横目に腹が減っていた義経は、腹が減っては記憶力と集中力が低下する!とある程度お腹に旨いモノを入れてから、また考えることにして丼をがっついていた。
こういうがっつく姿をしっかり見られている。
命照瑠「はい…」食べ終わった頃を見計らって、地元で摘んだ薬草入茶をそっと置いてくれた。義隆には冷たいお茶、海尊と義経は温かいお茶という気の利き様だ。
命照瑠「ぼくにこれ、あげる…」と、そのぼくちゃん義隆に白銀のお面を手渡した。
義隆「わぁ♪ありがとう!!」と早速、嬉しそうに白銀ウルトラ狐のお面を装着した。
お祭り屋台でよく売られている超スーパーな天狐 稲荷さんのお面だった。