『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  125

2013-10-16 08:04:46 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『お~お、オロンテス、ご苦労ご苦労。急づくりにしては、上出来の祭壇ではないか、なかなかいい。これで儀式はいける、ありがとう。ところで儀式催行の事もある、開宴は何時にするか、打ち合わせをやろう』
 『私としては、太陽があの木のてっぺんに来たら、開宴しよう。その算段で作業を進めています。儀式をやるとすれば少々早めなければなりませんな』
 『よしっ、判った。あと少々、時間がある、全員召集の手配、指示をそれに合わせる』
 『判りました。私のほうもそれで段取りをしていきます。焚き火のシマ、酒樽の配置はすでに終わっています。頃合いをみて、焚き火に火付けをやります。それに合わせて全員を場につけてください』
 『判った。その手配は俺がやる。オロンテス、頼むぞ!』
 『判りました』
 統領たちのいるところにパリヌルスもオキテスもいる、イリオネスは戻ってきた。
 『おう、パリヌルスにオキテス、開宴は太陽があの木のてっぺんに差し掛かった時とした。いいな、全員召集だ。手配を頼む』
 『判りました』
 二人は、直ちに召集手配に取り掛かった。オキテスは従卒を呼び寄せ手配を終えて、燃料の集積場へと歩を運んだ。
 パリヌルスは浜へと向かう。数人の男たちが一艘の小船から浜に降り立つ風景を目にとめ、彼は歩を速めた。
 男たちは総勢6人であり、うち4人は小船の漕ぎかたである。一人の男とパリヌルスの目があった。パリヌルスはその男に駆け寄った。
 『おう、ダルトン浜頭、ようこそ!』
 『お~お、パリヌルス隊長。このたびは、快挙でしたな。私どももこのうえなく喜んでいます。それにしても大変だったでしょう。お味方の損傷はいかほどでしたかな?私どもとても気にかけています』
 『それはそれは、ありがとう。戦死は4人、負傷者は三十人余りというところだ』
 『そうですか。なくなられた方のご冥福を祈ります』
 ダルトンは丁重に受け答えをした。二人は挨拶を終えた。


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