『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  569

2015-07-16 11:01:26 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『それにしても軍団長、いいタイミングで指示を出してくるな。パリヌルス、そうは思わないか。案件の概略、構想を描いて、明日、昼めしのあとに二人で話し合おうではないか』
 『おう、了解!そのようにしよう』
 二人の目の色が変わる。鋭く光り対手を射すくめる目であった。
 この案件は極めて難易度が高い、二人は、この要務を全うするにはと考えた。
 『なあ~、パリヌルス、考えてみろ!この要務を遂行するについてはだな、軍団長、そして、お前と俺、統領の四人だ。他に誰もいない。また、俺たちのほかに誰にも介入してもらいたくない。そのように考えて取り組まなくてはならない。主役はお前と俺、統領と軍団長は、お前と俺のシャドーフオースだ。そのように考えて、計画を組みあげて挑む。それに尽きるのではないかと考えている。どうだ』
 『おう、それでいい、そうでなくてはならない。オキテス、お前、いいところをついている。その方針は理解している』
 二人は、この仕事を進めるうえでの根幹となる心構えを話し合った。
 『これでおおまかなの線引き、構想、計画の組み立てができるというものだ。お前と俺、二人で新艇5艇を売りさばこうではないか、ええっ!』
 『おう!』
 二人は手を握り合って意志を固めた。
 『オキテス、考えてみればだ。新艇を売り出す価格の設定はむつかしいぞ。四人が知恵を搾って、あらゆる要素を集めて決めなければならない問題だ』
 『そうだな。それについて根拠となる要点をリストアップして、慎重対処だな』
 二人の会話が終わろうとしている。
 『おう、オキテス、どうだ。久しぶりに汗を流しにいかないか』
 『何だ、撃剣か。いいだろう、行こう』
 二人は撃剣訓練の場へと向かい、防具を身に着け、木剣を打ち合った。二人が考えて造った用具類である。気合を込めて打ち合った、汗を流した。
 浜に降りた二人は海に身を浸してサッパリとした。
 『では、パリヌルス』
 『おう!』
 二人は自分の持ち場へと向かった。
 用件を終えたパリヌルスは、ヘルメス艇の方へと向かって歩を進めた。
 『おう、ギアス艇長はいるかな?』
 『ギアス艇長は、キドニアへ行っています』
 『そうか。ならばだな、帰ってきたら、俺が来たと伝えておいてくれ』
 『判りました』


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