『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1277

2018-05-01 09:06:33 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おう、諸君!今日は大変にごくろうであった。テスト航走の評価、意見交換も終えている。その結果を総括してまとめておきたい。その意図をもって一同に集まってもらったというわけだ』
 パリヌルスは一同と目を合わせる。
 『戦闘艇の機能、その機能が性能化する。それをここに集まった我々が共有して、今後、船舶の建造、販売、そして、派生する諸事に対応していく。では始める』
 戦闘艇の機能、テスト航走で知り得たその効果、性能を話し合ってまとめあげる、そのまとめを一同に伝える。
 彼らが理解する、総括の話し合いが終わる、『このようにまとめておくと解りやすい』と彼らは言い交わす、場を解いて散会する。
 パリヌルスがギアスに声をかける。
 『おう、ギアス、明日は、お前がキドニアに行くことになっているのだな』
 『はい、そうです』
 『オキテス隊長から要請が来ている。オロンテス隊長の用務を終えたら、ガリダ頭領の一行、一行と言っても二人か三人だと考えられる。彼らを乗せて浜へ戻ってくれ。それを終えたらキドニアへ戻り通常の業務だ。以上だ』
 『解りました』
 パリヌルスは、会議、テスト航走、テスト航走の評価、意見聴取、そして、その総括と一連の作業を終えて今日を終わった。

 朝が来る、オキテスの多忙の一日が明ける。
 建造の場では、9月の建造計画に基づいて、オキテスとドックスが建造用材の調達計画を練っている。
 『オキテス隊長、あれですね、明確な建造計画があるということはいいことですね。計画から推し測る諸計画と立案手配、段取りして実行がやりやすくなります』
 『そうだな、ムダな思考、懸念が少なくなる』
 オキテスがそのように答えて、ハッとする。
 『だがだ。計画と実際、結果に差が生じると、そこにムダが発生する。しかし、その先の計画を修正することでそのムダに対処する。速やかにムダを解消することができる。計画を好循環させるのだ』
 ここで言葉をきってドックスの顔を見るオキテス。
 『その計画の循環を悪循環させると結果が支離滅裂となる』
 『そうですか』とうなずくドックス。
 『俺は、そんな悪い結果にはならないと考えている。そのような事態に対処するためにアエネアス統領以下俺たちがいる』
 『そうですか、そこに安心があるか。自分の役務の確実実行ですね!』
 『そういうことだ!話がそれたな。ドックス計画ができたのか?』
 『はい、出来ました。オキテス隊長、念査確認しましょう』
 二人は、建造用材の調達計画をまとめあげた。


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