『ほかに、君ら、質問は?』と声をかけて、一同と目を合わせる。
『これについて聞いておきたいと思うことはないのだな。では打ち合わせ会を終わる。一同、ご苦労であった。明日の会場つくりよろしく頼む。以上だ。では、これにて解散する!』
一同が場を去っていく、リナウスがマッチスに声をかける、顔を射る夕陽がまぶしい。
『マッチス、明日の予定を伝えておく。明朝だが、朝めしを終えたら撃剣訓練の場のほうへ来てくれ、木板をもってだ。軍団長に報告に行く。それを終えて体技施行要領の木板造りをやる。いいな』
『はい!解りました』
夕陽が水平線下に沈む、宵が訪れる、茜色と藍色グラデーションが水平線上の空を彩る、星たちが目覚めはじめた。
アエネアスがイリオネスの宿舎を訪ねる。
『おう、イリオネス、今日はどうであった?建造の場のことだ』
『はい、終業の時までいました。仕事は順調に進行しています。明日から、受注した戦闘艇の建造が始まります。向こう7日間ぐらいで実験用の試作艇が完成する予定になっています。その間に建造の用材が着荷し、10日後くらいから建造が始まります。それからですが、今日、オロンテスから報告がありました。新艇の引き合いが集散所に来ているようです。その詳細については三、四日後に連絡があるそうです』
『ほう、そうか。それはいい知らせだな。それから、体技競技会、開催の件だが、リナウスから報告があがってきているかな?』
『その件については、いま、建造の場の広場において打ち合わせ会を開いています。明朝、アサイチに報告があると思っています』
『おう、報告があがってきたら連絡を頼む』
『解りました』
『ではな、イリオネス!』
アエネアスはイリオネスの宿舎をあとにした。
日が変わる、ニューキドニアの浜が朝を迎える、昨日と変わって、雲が陽の光をさえぎっている。
朝行事で交わす言葉も曇天に合わせて、曇っている。晴れの言葉、晴れの声音ではない。
オロンテスが一同に声をかけている。
『おう、者ども声が暗い!キリットしろ!気合が曇ってどうするのだ!』
ギアスも声を張りあげている、漕ぎ方の一同に対しての声がけである。
『張りのある声で掛け声をあげろ!』
『おう、いいぞ!その調子だ』
『オロンテス隊長、出航、オーケーです!』
『おう、ギアス、ヘルメスを出してくれ!』
櫂が一斉に海面を泡立てる、ヘルメスが波を割る。
ギアスが風を読む、凪の時が過ぎて西からの風である。
ギアスの声が飛ぶ!彼は大声で連呼する。
『帆を張れ!』『追い風が来るぞ!』『いい風だ!幸先の知らせだ!』
ヘルメスが帆に風をはらんで波を割って航走する。艇上に活気みなぎる、波頭が風に舞った。
『これについて聞いておきたいと思うことはないのだな。では打ち合わせ会を終わる。一同、ご苦労であった。明日の会場つくりよろしく頼む。以上だ。では、これにて解散する!』
一同が場を去っていく、リナウスがマッチスに声をかける、顔を射る夕陽がまぶしい。
『マッチス、明日の予定を伝えておく。明朝だが、朝めしを終えたら撃剣訓練の場のほうへ来てくれ、木板をもってだ。軍団長に報告に行く。それを終えて体技施行要領の木板造りをやる。いいな』
『はい!解りました』
夕陽が水平線下に沈む、宵が訪れる、茜色と藍色グラデーションが水平線上の空を彩る、星たちが目覚めはじめた。
アエネアスがイリオネスの宿舎を訪ねる。
『おう、イリオネス、今日はどうであった?建造の場のことだ』
『はい、終業の時までいました。仕事は順調に進行しています。明日から、受注した戦闘艇の建造が始まります。向こう7日間ぐらいで実験用の試作艇が完成する予定になっています。その間に建造の用材が着荷し、10日後くらいから建造が始まります。それからですが、今日、オロンテスから報告がありました。新艇の引き合いが集散所に来ているようです。その詳細については三、四日後に連絡があるそうです』
『ほう、そうか。それはいい知らせだな。それから、体技競技会、開催の件だが、リナウスから報告があがってきているかな?』
『その件については、いま、建造の場の広場において打ち合わせ会を開いています。明朝、アサイチに報告があると思っています』
『おう、報告があがってきたら連絡を頼む』
『解りました』
『ではな、イリオネス!』
アエネアスはイリオネスの宿舎をあとにした。
日が変わる、ニューキドニアの浜が朝を迎える、昨日と変わって、雲が陽の光をさえぎっている。
朝行事で交わす言葉も曇天に合わせて、曇っている。晴れの言葉、晴れの声音ではない。
オロンテスが一同に声をかけている。
『おう、者ども声が暗い!キリットしろ!気合が曇ってどうするのだ!』
ギアスも声を張りあげている、漕ぎ方の一同に対しての声がけである。
『張りのある声で掛け声をあげろ!』
『おう、いいぞ!その調子だ』
『オロンテス隊長、出航、オーケーです!』
『おう、ギアス、ヘルメスを出してくれ!』
櫂が一斉に海面を泡立てる、ヘルメスが波を割る。
ギアスが風を読む、凪の時が過ぎて西からの風である。
ギアスの声が飛ぶ!彼は大声で連呼する。
『帆を張れ!』『追い風が来るぞ!』『いい風だ!幸先の知らせだ!』
ヘルメスが帆に風をはらんで波を割って航走する。艇上に活気みなぎる、波頭が風に舞った。