ドックスは、パリヌルスらの心づかいを身に感じた。
パリヌルスがオキテスに声をかける。
『ところでオキテス、ドックスに話してくれたか?全艇チエックの件のこと』
『おう、話してある。俺も少しばかり気になってな、昼めしの間に全艇を見て廻った。試乗を終えたらドックスを連れて三人で見て廻ろう』
『おう、そうしよう』
『パリヌルス、行こう』
『ドックス、行くぞ』
彼らは連れ立ってヘルメスの浜へと足を運んでいく。
統領も軍団長も、すでに波打ち際に立ってヘルメスを眺めている。
ギアスとパリヌルスが小島巡りのコースどりについて打ち合わせた。
『どのようなコースどりにしましょうか?』
『小島の北に吹いている風は?』
『浜でこの状態ですから、強めの西風が吹いていると考えられます』
『よし!小島の西を北上し、方向転換地点は、小島の北岸から5スタジオンくらい沖で東へ向かう。帰路についての判断は状況次第といこう。以上だ』
『判りました』
パリヌルスは、統領のところへ歩み寄る。
『統領、ヘルメスの方へ、軍団長もどうぞ』
準備しておいたハシケでヘルメスへと向かう。
『おう、パリッ!ご苦労ヘルメスに乗るのは久しぶりだ』
オキテスとドックスの姿は、もうすでに艇上にある。二人はギアスとともに統領と軍団長を艇上に迎えた。
『統領、軍団長。ようこそヘルメスに』
『おう、オキテスにドックスにギアス。元気なお前らに会うのがうれしい』
ギアスが操舵の座に就く、パリヌルスが合図を送る、ヘルメスが静かに動き出した。ヘルメスは小島の南端を廻り、北へと進路をとり、西岸に沿って北上した。
西風が強い、櫂操作で飛沫が飛ぶ、飛ぶしぶきが艇上にいる者たちのほほを打つ、ぬぐうしぐさ、微笑みを交わす、乗り心地の変わったヘルメスの走行感を五体に感じていた。
あっという間に西岸を過ぎる、強さを増した風がヘルメスを東へと押す、抗う艇体、ヘルメスは北上を続けた。ギアスもパリヌルスも小島の北岸を見つめている。パリヌルスがギアスにサインを送る。
方向転換の合図だ。ギアスが櫂舵を操作する、ヘルメスは東へと波を割り始める、間髪を入れず、ギアスの指示が飛んだ。
パリヌルスがオキテスに声をかける。
『ところでオキテス、ドックスに話してくれたか?全艇チエックの件のこと』
『おう、話してある。俺も少しばかり気になってな、昼めしの間に全艇を見て廻った。試乗を終えたらドックスを連れて三人で見て廻ろう』
『おう、そうしよう』
『パリヌルス、行こう』
『ドックス、行くぞ』
彼らは連れ立ってヘルメスの浜へと足を運んでいく。
統領も軍団長も、すでに波打ち際に立ってヘルメスを眺めている。
ギアスとパリヌルスが小島巡りのコースどりについて打ち合わせた。
『どのようなコースどりにしましょうか?』
『小島の北に吹いている風は?』
『浜でこの状態ですから、強めの西風が吹いていると考えられます』
『よし!小島の西を北上し、方向転換地点は、小島の北岸から5スタジオンくらい沖で東へ向かう。帰路についての判断は状況次第といこう。以上だ』
『判りました』
パリヌルスは、統領のところへ歩み寄る。
『統領、ヘルメスの方へ、軍団長もどうぞ』
準備しておいたハシケでヘルメスへと向かう。
『おう、パリッ!ご苦労ヘルメスに乗るのは久しぶりだ』
オキテスとドックスの姿は、もうすでに艇上にある。二人はギアスとともに統領と軍団長を艇上に迎えた。
『統領、軍団長。ようこそヘルメスに』
『おう、オキテスにドックスにギアス。元気なお前らに会うのがうれしい』
ギアスが操舵の座に就く、パリヌルスが合図を送る、ヘルメスが静かに動き出した。ヘルメスは小島の南端を廻り、北へと進路をとり、西岸に沿って北上した。
西風が強い、櫂操作で飛沫が飛ぶ、飛ぶしぶきが艇上にいる者たちのほほを打つ、ぬぐうしぐさ、微笑みを交わす、乗り心地の変わったヘルメスの走行感を五体に感じていた。
あっという間に西岸を過ぎる、強さを増した風がヘルメスを東へと押す、抗う艇体、ヘルメスは北上を続けた。ギアスもパリヌルスも小島の北岸を見つめている。パリヌルスがギアスにサインを送る。
方向転換の合図だ。ギアスが櫂舵を操作する、ヘルメスは東へと波を割り始める、間髪を入れず、ギアスの指示が飛んだ。