『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Aeneis's story] episode Ⅳ『建国の地へ』 To the funding of a nation 第1章 イピロスへ 18

2019-12-04 06:27:00 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスら二人が停留の浜に戻る、イリオネスがパリヌルスら船長役務の四人を召集する、このケルキラ島の浜での停留要領を打ち合わせる。
 『おう、オロンテス、この浜で火を使う許可をもらってきた。燃料の薪は、浜頭が都合してくれることになっている』
 『そうですか、要請のとり決め、ありがとうございます。明日は、朝からパンを焼きます。久しぶりに一同に旨いパンでの昼食を摂らせることができます。彼らが喜びます』
 『一同が喜ぶ!それはこの上ないことだ。明日、明後日の二日間の滞留を予定している。出来るだけ西への航海の情報をこのケルキラでとろうと考えている。次の航海の準備を整えてくれ』
 『了解しました』
 『我我は、とぎれとぎれをつないで航海している、長途の旅に資する地図なるものがないゆえにだ。このケルキラ島まで来れたのは、道中、命を危険にさらすことなく、とぎれとぎれではあるが幸運が連なったからである。これからも幸運が連なっていくとは考えられない。ケルキラの出航に際して、一同、これまで以上に気を引き締めてくれ。解ったな!以上だ』
 『解りました。心します』
 四人が唱和して答える。
 船団の一同が西の海に身を沈めゆく太陽の射しかける茜に包まれて、夕食を済まし寝についた。

 船団の一同が異郷の朝を迎える、わいわいがやがやで朝行事をすます、副菜のない簡素な朝食を終える。
 パリヌルスが一同に今日の作業予定を伝える、一同から返事が返る、返る返事の様子で一同の志気、元気を計る。
 『少々、心身の疲れがたまっているようだな』と感じとる。
 アエネアスとイリオネスは、次なる航海を想像で推しはかる、情報収集の要領を話し合う。
 『統領、想像そのものが、大海をさまよっていては、先が思いやられますな』
 『そう言うな、軍団長。さすらい、さまよいを楽しめる余裕を持とう。それくらいでなければ、いい航海をして目的地には着けない。心構えに余裕をだ!』
 『統領、遊山の旅ではないのですよ。380名の命を預かっての海旅です。心してください』
 『解った、解った!そう言ったまでだ。お前の言うように充分に心している。安心していてくれ』
 昼食は、オロンテスの配慮で副菜なしだが、焼きあがったばかりの旨さ抜群のスペッシャルパンで終える、一同の顔がほころぶ。
 午後になってアエネアスは、イリオネス、パリヌルス、オキテスを伴って、ケラニス浜頭の屋敷へと出向く、薪供給の謝礼に焼きあがったばかりのスペッシャルパンを手土産に持参する。
 浜頭がアエネアスの来訪を待ちかねている、アエネアスが姿を見せるや、戸口に飛び出してきて迎えてくれる、応接の間におちつく、浜頭方も正副㋨水夫頭の三人が顔をそろえている。
 イリオネスが浜頭に口上を述べて、持参したパンを手渡す、顔をそろえた8人が互いに紹介し合い名乗り座に就いた。


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