舟艇は快調に波を割って進んでいく。
『ギアス、走りは快調だな。海岸から離れるのは3スタジオンぐらいでどうだ。それくらいの距離を保って西方向へ進もう。海岸線の視察だからな』
アヱネアスは気楽にギアスに声をかけた。パリヌルスはオキテスに話しかけた。
『おう、どう思う、オキテス。なかなかの海岸線だな。浜もそれなりに広い。あそこに見えてきた突き出た入り江は?』
『統領、あれは。クリテスに質してみてくれませんか』
アヱネアスはクリテスに声をかけた。船上の者たちはアヱネアスの指さす方向に目線を移した。
『はい、あの辺り一帯は、荷の集配所や集落が結構あります。キドニアの浜です。このクレタ島の西地区では一番といってもいい大きな集落です。交易でもにぎわっています』
『そうか、いい入り江のようだな』
舟艇は進んでいく。また、同じような形状で突き出た入り江が目に入った。
『なあ~、イリオネス、あの入り江は漁師たちが使うのにいい入り江のように見受けるがどう思う。陸上からの視察の大事な箇所だと思う。覚えておいてくれ。俺の狙いはあの島だ。遠くに島が見えるだろう、あの辺り一帯だ。海上からあの辺りを充分に念を入れてみてみたい。我々が生活の拠点として使う利便性があるか否やである。また、問題はあの辺り、島や浜に先住の者がいるか、いないかでもある』
『判りました。パリヌルス、オキテスにその旨を伝えておきます』
『ギアス、走りは快調だな。海岸から離れるのは3スタジオンぐらいでどうだ。それくらいの距離を保って西方向へ進もう。海岸線の視察だからな』
アヱネアスは気楽にギアスに声をかけた。パリヌルスはオキテスに話しかけた。
『おう、どう思う、オキテス。なかなかの海岸線だな。浜もそれなりに広い。あそこに見えてきた突き出た入り江は?』
『統領、あれは。クリテスに質してみてくれませんか』
アヱネアスはクリテスに声をかけた。船上の者たちはアヱネアスの指さす方向に目線を移した。
『はい、あの辺り一帯は、荷の集配所や集落が結構あります。キドニアの浜です。このクレタ島の西地区では一番といってもいい大きな集落です。交易でもにぎわっています』
『そうか、いい入り江のようだな』
舟艇は進んでいく。また、同じような形状で突き出た入り江が目に入った。
『なあ~、イリオネス、あの入り江は漁師たちが使うのにいい入り江のように見受けるがどう思う。陸上からの視察の大事な箇所だと思う。覚えておいてくれ。俺の狙いはあの島だ。遠くに島が見えるだろう、あの辺り一帯だ。海上からあの辺りを充分に念を入れてみてみたい。我々が生活の拠点として使う利便性があるか否やである。また、問題はあの辺り、島や浜に先住の者がいるか、いないかでもある』
『判りました。パリヌルス、オキテスにその旨を伝えておきます』