『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1324

2018-07-12 05:43:06 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 ドックスは、派遣の製材担当者ら5人を連れて部材製作の場に向かう、場の者らが彼らを総出で歓迎する。
 『只今、建造用材とともに帰ってきました。着任いたします。これからもよろしく願います』
 『おう!おう!』
 彼らが場の整備作業に加わる。
 ドックスがこの光景に目を細める、独りごちた。
 『これで、明日からの建造がうまくいく。重畳!』
 トロイ民族の半数がこの船舶の建造に携わっている、それに製材技術熟練の者が加わる、建造に携わる者たちの陣容の充実を喜んだ。
 オキテスとガリダが馬車からの荷降ろし作業風景に見入っている、整備された用材置き場、従事する作業者、荷降ろし、荷受けが丁寧に行われている。
 『おう、オキテス、今日、納入する建造用材は、極めて上質の用材だ!いい船が出来あがる。太鼓判だ!俺に感謝しろよ』
 『おう、了解!出来あがった船を見て、改めて感謝する』
 建造用材の荷降ろし、荷受け作業が午前中に終了する。
 オキテスとドックス、ガリダとタブタの四人が納入建造用材の詳細について打ち合わせをする、用材の追加、補充等の件について打ち合わせる。
 『ドックス、ガリダ頭領がたの言い分、よく聞いておいてくれ』
 『解りました。詳細をタブタ殿と打ち合わせています。用材の過不足、補充等の調達に派遣されている製材担当の者が責任担当することになっています』
 『おう、了解した。打ち合わせが終わったら一行とともに昼食にする。準備、手配はしてあるな?』
 『はい、それは、もう出来ています』
 諸事打ち合わせが終わる。
 『タブタ殿、昼の準備ができています。一行と一緒にこちらへ』とドックスが案内する。
 オキテスもガリダ頭領も同席して昼食の時を過ごす。
 ガリダがオキテスに声をかける。
 『オキテス、明日の建造開始式の件だが、出席する。この俺もいろいろと仕事がある、明日、船便でくる』
 『おう、ありがとう。待っている!明日だが、キドニアから、集散所のハニタス、キドニス浜頭、スダヌス浜頭の出席がある』
 『判った』
 オキテスは、昼食をとりながら、タブタらの荷運びの労をねぎらう。
 荷運びを終えた彼ら一行が帰途に就くときがおとずれる、オキテスとドックスがガリダ頭領とタブタと握手を交わす。
 『オキテス、ではな!』
 『おう、ガリダ!明日の来駕を待っている』
 『おうっ!』
 彼ら一行は、オキテスが差配する造船の場をあとにする。
 オキテスとドックスは、彼らを見送った。


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