『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Remembrance of Aeneis] Ⅳ To founding of nation 『建国の地へ』 第2章  プトロトウムにて  32

2020-02-18 06:58:08 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 会議を終えたぺリオスがアエネアスに声をかける。
 『アエネアス統領、今、聞いたとおりだ。この季節である、屋根だけの現場幕舎を建てる。100人くらいを収容できる幕舎3棟を建てる。急いで建てることにした』
 『ほう、それはいい!工事が進行すれば、ますます現場が遠のく、その対処はいい、作業に携わっている者らの食事の手間が大変だろうが、そうあってしかるべきだ』
 『それは充分に考えている。俺の配下の宿舎のまかない方と業者と話し合って最善の手を打つ。どうするかについては、明日あたり返事がくる』
 『そうか、1日3食、600人に及ぶ作業者らの食事の采配はたいへんである。そのたいへんをやらねばならんのだ』
 『よくわかっている!そのために俺がいる。ハッハッハ!』
 ぺリオスが余裕を口にする。
 ぺリオスとアエネアス、イリオネスの三人が工事現場をあとにする。
 夏の強い陽射しを浴びながら、土塁城壁の上を工事の仕上がりを点検しながら歩を運んで館に帰り着く。
 『ぺリオス領主、俺とイリオネスは、これにて失礼する。アンドロマケによろしくな』
 
 二人は、船団の者らがぺリオス方の工事に出向いている、オロンテスらだけの閑散とした停留の浜に帰り着く。
 アエネアスがオロンテスを呼ぶ、木陰の少ない浜である、三人がくつろげる木陰を見つける、草地に腰を下ろす。
 アエネアスが二人の顔を見る、目を合わせる、話しかける。
 『おう、軍団長、今日、久びさに城壁構築建設工事のはかどりをこの目で見た。随分と進んでいたな。俺らも、もうそろそろ、次の航海を考える時がきている』
 『そうですね。港湾の作業工事も終えて、作業者らが城壁構築建設工事のほうに移っています。工事の進みは、工事全体の3分の2が出来あがってるはずです』
 『俺の考えを二人に言っておく。工事に携わっている三人には、軍団長、お前から伝えてくれ。俺がいいと言うまでは口外禁止だ!解ったな』
 『解りました。統領の考えを言ってください。出航に関する諸状況の考察に着手します』
 『おう、よう言ってくれた。俺の決断したところを伝えておく。早ければ俺の暦で8月10日おそくても8月15日にはプトロトウムを出航する。それまでには諸状況の調査、航海に関する考察を終える。オロンテスは食糧計画をよくよく念査、計画をする。軍団長と相談して対処してくれ。また、軍団長、財務のほうをチエックして先行きを考えること。航海にに関しての準備をもれなくやってくれ。ぺリオスのほうへは出航の7日前には伝達する』
 『解りました』
 イリオネスとオロンテスが出航に関するアエネアスの決断を受け取った。
 


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