ホタスルがうなずく。
『腕木をこの方向に動かすと船首が右方向へと向けて進む、こちらへ振ると船首は左方向へと向かう。いいな』
『解りました』
『説明は以上だ』
ホタスルは、パリヌルスの説明を聞き終えて、艇尾に取り付けられた舵を念入りに確かめた。
ドックスがパリヌルスに作業の完了を伝える。パリヌルスとオキテスの二人が艇尾の舵構造の完成を点検する。
『おう、ドックス、ご苦労であったな』
『これだけの部材を吟味、造作して出来あがっている。安心していいな。操作の効果を試走して確かめる。ドックス、海へだ!』
オキテスがギアスに声をかける、ドックスが作業者らに呼びかける、一同が艇に取り付く、艇が海へと運ばれる、その姿を海上に浮かべた。
『統領、軍団長、試作艇を出します。乗ってください』
『おうっ!』
ギアスらは、艇上ですでに位置についている、ギアスがホタスル声をかける。
『ホタスル、舵操作の腕木を握ってみろ!』
『おう、いい具合だ。動かしてみろ!』
ホタスルが握った腕木を左右に振る、艇尾付近が波立つ、ギアスの声が飛んでくる。
『具合はどうだ?』
『いい具合に操作できます』
ギアスは、艇上を見回して点検する、パリヌルスらが艇尾近くについている。
『おう、ギアス、出していいぞ』
ギアスが漕ぎ方一同に出航の指示を発する。
『漕ぎかた全員!櫂をとれ!これより試走に出る!コースは、いつものコースだ。小島の西を北上して、転換点でコースを東へとる!櫂操作はじめ!』
試作艇が波を割り始める、今日の向かい風はやや強く感じる、試走にはうってつけの風の強さといえる。
舵座へ身を移すギアス、ホタスルに声をかけて舵座に就いた。ギアスが艇上に声を飛ばす。
『ただいまより、舵の操作効果の試験走行を行います』と一同に向けて声を飛ばした。
ギアスが舵操作の腕木を左へ振る、艇首が右方へと向かって波を割る。すかさず、腕木を右へ降る、艇首が方向を間違えることなく左へと走行し始める。
彼は唸った。
『ううっ!これは!』と、彼は驚きの唸り声をあげた。想像した以上の舵の切れ具合である。
艇は、小島の南端を過ぎようとしている。
『艇を北上させます』
ギアスは、腕木をいっぱいに左へと振る。試作艇の艇首がまごうことなく右へと方向を変えて北へと波を割って北上し始める。彼は、ホタスルと舵座を代わり操艇の定位置に戻った。
ギアスは風読みをする、風は、西から来ている。
時を経ず、小島の北端に差し掛かる、ホタスルは、北上する艇の舵の腕木を握って直進を保持している、彼はこれまでの櫂舵との違いを腕木を通して感じ取っていた。
『腕木をこの方向に動かすと船首が右方向へと向けて進む、こちらへ振ると船首は左方向へと向かう。いいな』
『解りました』
『説明は以上だ』
ホタスルは、パリヌルスの説明を聞き終えて、艇尾に取り付けられた舵を念入りに確かめた。
ドックスがパリヌルスに作業の完了を伝える。パリヌルスとオキテスの二人が艇尾の舵構造の完成を点検する。
『おう、ドックス、ご苦労であったな』
『これだけの部材を吟味、造作して出来あがっている。安心していいな。操作の効果を試走して確かめる。ドックス、海へだ!』
オキテスがギアスに声をかける、ドックスが作業者らに呼びかける、一同が艇に取り付く、艇が海へと運ばれる、その姿を海上に浮かべた。
『統領、軍団長、試作艇を出します。乗ってください』
『おうっ!』
ギアスらは、艇上ですでに位置についている、ギアスがホタスル声をかける。
『ホタスル、舵操作の腕木を握ってみろ!』
『おう、いい具合だ。動かしてみろ!』
ホタスルが握った腕木を左右に振る、艇尾付近が波立つ、ギアスの声が飛んでくる。
『具合はどうだ?』
『いい具合に操作できます』
ギアスは、艇上を見回して点検する、パリヌルスらが艇尾近くについている。
『おう、ギアス、出していいぞ』
ギアスが漕ぎ方一同に出航の指示を発する。
『漕ぎかた全員!櫂をとれ!これより試走に出る!コースは、いつものコースだ。小島の西を北上して、転換点でコースを東へとる!櫂操作はじめ!』
試作艇が波を割り始める、今日の向かい風はやや強く感じる、試走にはうってつけの風の強さといえる。
舵座へ身を移すギアス、ホタスルに声をかけて舵座に就いた。ギアスが艇上に声を飛ばす。
『ただいまより、舵の操作効果の試験走行を行います』と一同に向けて声を飛ばした。
ギアスが舵操作の腕木を左へ振る、艇首が右方へと向かって波を割る。すかさず、腕木を右へ降る、艇首が方向を間違えることなく左へと走行し始める。
彼は唸った。
『ううっ!これは!』と、彼は驚きの唸り声をあげた。想像した以上の舵の切れ具合である。
艇は、小島の南端を過ぎようとしている。
『艇を北上させます』
ギアスは、腕木をいっぱいに左へと振る。試作艇の艇首がまごうことなく右へと方向を変えて北へと波を割って北上し始める。彼は、ホタスルと舵座を代わり操艇の定位置に戻った。
ギアスは風読みをする、風は、西から来ている。
時を経ず、小島の北端に差し掛かる、ホタスルは、北上する艇の舵の腕木を握って直進を保持している、彼はこれまでの櫂舵との違いを腕木を通して感じ取っていた。