『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY            第5章  クレタ島  62

2012-05-30 07:14:46 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『オロンテス隊長は?』
 『オロンテス隊長。あっ、棟梁のことですか』
 『棟梁は向こうです。遠くに、いや、近くですが。六番船の者たちを連れて、夕食の場を作りにいきましたが』
 『おっ、そうか。お前たちご苦労、作業を続けてくれ』
 二人は夕食の場へと歩を運んだ。
 『できたぞ!オキテス、こんな道具名はどうだ。俺の思い付きだ、いいか。『風向風力感知器』だ。グッグ~ンとちじめて『風風感知器』と言うのはどうだ。お前の気に入ったほうを使え』
 『おっ!有難う。俺は長ったらしいのが好みじゃない。『風風感知器』 称呼の語呂もいい、これにする』
 話している間に夕食の場についた。
 『おっ!お二人、いかがですか』
 『お~、オロンテスご苦労。ここを夕食の場にするのか。いいところだ。準備が整うまで、まだ時間がかかりそうか。陽の高さからみて、そろそろ夕食の頃合かなと思っているが』
 『パリヌルス隊長、集めた薪が余ったので焚き火の準備をしています』
 『ほっ、焚き火か、それは結構なことだ』
 『焚き火は食事の場を和やかにします。食事をする者たちの心もうちとけます。副菜をあぶって口に運ぶ、ふさぎがちな皆の口もほころぶということです』