パリヌルスとオキテスの二人は、揚陸した各船と碇石で浅海に係留した五番及び六番船の状態を念入りに点検した。
オキテスの声が飛んだ。
『四番船、もっと、上へ揚げろ!』
パリヌルスは、五番船、六番船の海底への接地状態に気を配って点検した。二人は安堵の言葉を交わした。
『まあ~、これでいいのではないかと思うが』
『そうだな。まあ~、いいだろうではいけないのだが、これで『よし』としよう』
日は暮れた。風はやまない、波は踊り踊っている。
パリヌルスは船長と副長を集めた。アエネアスもイリオネスもその場に来た。彼は口を開いた。
『諸君!大変ご苦労であった。それにしても大変だったな。大事に至る一歩手前で難事を辛うじて避けた。今日の航海を無事に終えたといっていい。ひとつに航路の変更が幸いしたと思っている。ご苦労であった』
彼は難事を避けた一同の労苦をねぎらった。
『ところでだ、今日のこれからを説明する。その前にだ。ギアス、あれを見ろ!判るか。あすこに二棟の小屋がある。アレテスを連れて見てきてくれ。今夜の宿営について考えなければならん。直ちに行け!』
彼が浜を見回したが船団以外の船が見当たらなかった。
『判りました』
『お~い、こりゃっ!剣を持って行け』
オキテスの声が飛んだ。
『四番船、もっと、上へ揚げろ!』
パリヌルスは、五番船、六番船の海底への接地状態に気を配って点検した。二人は安堵の言葉を交わした。
『まあ~、これでいいのではないかと思うが』
『そうだな。まあ~、いいだろうではいけないのだが、これで『よし』としよう』
日は暮れた。風はやまない、波は踊り踊っている。
パリヌルスは船長と副長を集めた。アエネアスもイリオネスもその場に来た。彼は口を開いた。
『諸君!大変ご苦労であった。それにしても大変だったな。大事に至る一歩手前で難事を辛うじて避けた。今日の航海を無事に終えたといっていい。ひとつに航路の変更が幸いしたと思っている。ご苦労であった』
彼は難事を避けた一同の労苦をねぎらった。
『ところでだ、今日のこれからを説明する。その前にだ。ギアス、あれを見ろ!判るか。あすこに二棟の小屋がある。アレテスを連れて見てきてくれ。今夜の宿営について考えなければならん。直ちに行け!』
彼が浜を見回したが船団以外の船が見当たらなかった。
『判りました』
『お~い、こりゃっ!剣を持って行け』