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『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  100

2011-06-13 06:39:51 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 三日前までは静かであった森が、昨日の用材伐りだしの者たちに運搬別働隊の150人余りが加わって、活気に満ちた賑わいから、一挙に騒々しくなった。
 200人余りの者たちが踏みならした道は、少しは歩きやすくなったとはいえ、大きなススキの株や草の株がところどころにあり、用材運搬の妨げになるのではないかと懸念された。
 アンテウスはオロンテスに相談を持ちかけた。
 『棟梁、でっかい草の株のことですが、あれは運搬の邪魔になります。草の根を取り除きたいのですが。隊から人員をさいてやりたいと思っています』
 『う~ん、なるほどな。台車の輪っぱの転がりの妨げになるか。いいだろう、お前の裁量の範囲だ。いいだろう、思うようにやれ』
 『判りました。各隊から7人、20人くらいで処理に当たります。また、用材運搬の台車を造るのに伐りだされた用材5~6本いただきたいのですが』
 『判った。少し時間がたったら、俺のところに20人余り引き連れてきてくれ』
 『判りました。では、、、』 と言って、アンテウスは持ち場に戻った。アンテウスは、アミクスら3人を呼び寄せて、オロンテスと打ち合わせた仕事を指示した。
 『判ったな、仕事を進めるについての質問はあるか』 彼は、三人と目線を合わせた。
 『ないようだな、よろしい。君たちに言っておく、怪我をしないように注意を怠るでないぞ。いいな、心して仕事に当たれ』
 彼は念を押した。