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『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第13章  木馬大作戦  3

2008-05-24 07:58:22 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 大作戦の決行は、明後日に迫った。オデッセウスの胸は緊張で波立っていた。計画を進めていく歩調は確かで着実であった。
 6月3日。夏の陽射しは強く照り付けている。海の上を渡ってくる風が通り過ぎるときだけ、涼感を肌に感じさせた。
 此の大軍団を俺の起案、俺の知恵で動かし勝利を手にする、それを思うと、身が奮え多忙であった。オデッセウスは、研ぎ澄まされた集中力でことを処理していった。
 昼前の仕事は、選んだ将と兵25人との打ち合わせである。オデッセウスは、エペイオスと言葉を交わしながら、皆が集まるのを待っていた。
 アガメムノン、ネストル、イドメニスが塀の中に入って来た。三人は、眼前の巨大な木馬を見上げた。木馬の鋭く輝く目が三人を睥睨していた。三人は思わず身をすくめた。木馬の出来栄えは、毅然と威容を発して聳え立っていた。