6月2日、相変わらず戦野は、小競り合いでざわついていた。ヘレスポントス海峡を管理している部隊から、トロイ軍の一隊が襲撃してきたとの連絡を受けたメネラオスは、一隊を率いて、急遽、現地に向かった。トロイ側も必死で攻撃を仕掛けてくる。今日の襲撃隊は手強かった。メネラオスは苦戦した。この戦いを望見したネオプトレモスは、一隊を率いて現地に駆けつけた。両群は激しく斬り結んだ。陽が沈み、薄暮の闇に撃剣の火花が散った。メネラオスとネオプトレモスは、何とか海峡管理隊を守った。双方の力が互角であり、辛うじての結果であった。これでは明日もトロイ側に襲撃されるという予感が残った。メネラオスは、救援に連れてきた部隊を残して、ネオプトレモスとともに現地から引き揚げた。
メネラオスは、3日後に迫っている大作戦に関して、海峡管理隊の引き揚げをどのようにやるか。偽装の撤退の実行方法に課題がつきつけられた。メネラオスは、できるだけ兵の損失を避けたい思いであった。
メネラオスは、3日後に迫っている大作戦に関して、海峡管理隊の引き揚げをどのようにやるか。偽装の撤退の実行方法に課題がつきつけられた。メネラオスは、できるだけ兵の損失を避けたい思いであった。
