ブックオフの100円コーナーで見つけた本を買いました。
『杉本苑子の枕草子』
タイトル通り、清少納言の随筆『枕草子』を
作家の杉本苑子さんが現代語に訳した本です。
清少納言は西暦1000年前後に宮仕えをしながら
今風に言えばエッセイ本『枕草子』を執筆しました。
私達の世から1000年以上前に書かれた本です。
春は曙・・・
で始まる冒頭は有名ですが、その辺りしか知りませんでした。
読み進めていくと面白いです。
蓑虫(みのむし)が可哀想だと書かれた段に魅かれたので
その部分を紹介しましょう。
『蓑虫いとあわれなり。鬼の生みたれば、親に似てこれもおそろしき心あらむとて、
親のあやしき衣引き着せて、「いま秋風吹かむをりぞ来むとする。待てよ」
といひおきて、逃げて往にけるも知らず、風の音を聞き知りて、
八月ばかりになりぬれば、「ちちよ、ちちよ」とはかなげに鳴く、
いみじうあはれなり』
~ 現代語訳 ~
蓑虫はとても哀れだ。鬼の産んだ子だから鬼にて恐ろしい心を
持つのだろうと、当の親さえが逃げてしまう。
去り際に自分のみすぼらしい蓑を着せて
「秋風の吹く頃になったら迎えにくるよ。待ってろよ」
と言い含める。
風の音を聞いて8月(秋)になったのを知ると
「ちちよ(父よ)、ちちよ(父よ)」
とはかなげな声で鳴く。とても哀れだ。
これは清少納言の創作話ではなく
その頃、言い伝えられていた “伝説”を綴ったのでしょうね。
1000年前にはすでに、この虫は蓑虫と呼ばれていたようです。
いったい、どれくらい前からそう呼ばれていたのでしょう。
蓑虫を見つけるたびに、この話を思い出しそうです。
ところで
日本では蓑(みの)ですが、英語圏ではカバン(バッグ)に見えるようです。
「bagworm」(バッグワーム)・・・ミノムシ
{worm」(ワーム)・・・足のない虫
あれはどう見ても、バッグではなく蓑(みの)です。
『杉本苑子の枕草子』
タイトル通り、清少納言の随筆『枕草子』を
作家の杉本苑子さんが現代語に訳した本です。
清少納言は西暦1000年前後に宮仕えをしながら
今風に言えばエッセイ本『枕草子』を執筆しました。
私達の世から1000年以上前に書かれた本です。
春は曙・・・
で始まる冒頭は有名ですが、その辺りしか知りませんでした。
読み進めていくと面白いです。
蓑虫(みのむし)が可哀想だと書かれた段に魅かれたので
その部分を紹介しましょう。
『蓑虫いとあわれなり。鬼の生みたれば、親に似てこれもおそろしき心あらむとて、
親のあやしき衣引き着せて、「いま秋風吹かむをりぞ来むとする。待てよ」
といひおきて、逃げて往にけるも知らず、風の音を聞き知りて、
八月ばかりになりぬれば、「ちちよ、ちちよ」とはかなげに鳴く、
いみじうあはれなり』
~ 現代語訳 ~
蓑虫はとても哀れだ。鬼の産んだ子だから鬼にて恐ろしい心を
持つのだろうと、当の親さえが逃げてしまう。
去り際に自分のみすぼらしい蓑を着せて
「秋風の吹く頃になったら迎えにくるよ。待ってろよ」
と言い含める。
風の音を聞いて8月(秋)になったのを知ると
「ちちよ(父よ)、ちちよ(父よ)」
とはかなげな声で鳴く。とても哀れだ。
これは清少納言の創作話ではなく
その頃、言い伝えられていた “伝説”を綴ったのでしょうね。
1000年前にはすでに、この虫は蓑虫と呼ばれていたようです。
いったい、どれくらい前からそう呼ばれていたのでしょう。
蓑虫を見つけるたびに、この話を思い出しそうです。
ところで
日本では蓑(みの)ですが、英語圏ではカバン(バッグ)に見えるようです。
「bagworm」(バッグワーム)・・・ミノムシ
{worm」(ワーム)・・・足のない虫
あれはどう見ても、バッグではなく蓑(みの)です。