故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

赤い服

2018-05-25 04:32:31 | よもやま話

ほら、カメラみて。
なかなか思い通りには動いてくれません。


今日のタイトルは、「赤い服」です。
子供に誕生日プレゼントは何が良いかと問われ、赤いシャツがよいと答えた。
しかも、複数のシャツが良いとも付け加えた。
望み通りの赤いシャツをプレゼントされた。
一つは、ポロ。もう一つは無名ブランド。
同じMサイズでも、ポロは生地が厚く、袖が長い。
つまり、洗い物ばかりしているから、仕事着には向かない。

お気に入りは、無名ブランドのほう。
役所に赤のシャツで、時間ギリギリに飛び込んだ。
若い女性が、目を見開いてにこっとした。
「にこっ」の意味はすぐにわかった。
続いて、年増の女性が、「赤が似合いますね」と声を掛けに来た。
これは、明らかに「奇抜」ですねの意味。
目立たぬ服装が定番の役所です。

私は、赤シャツの理由を以下のように説明した。
道路を渡る時、走る車からもわかるように、目立つ色の服装にしなければならぬからと。
歳をとって、道路を渡るのも遅くなったからねと、付け加える。
女性は、そう言われればそうですね。
靴も、リュックも赤ですね。
そう展開してきたかと思ったものです。
盛大に年寄りを宣伝しているようじゃないか。
その女性も、謎の微笑で席に戻った。

素直に、子供からプレゼントされたから着ていると、言えばよかった。

同級会の打ち合わせに女性が参加する。
どうして、いつまでも「女」なのと思わざるを得ない。
競って、自慢の料理を持参する。
目の前にいる男が、若い時好きだったのか、いつもと違うトーンの声になっている。
やれやれ、カフェのお任せ料理を出すスペースがない。
おまけに、自慢の料理を勧めているではないか。

妻と、今日は値段を下げますか。と話す。
私は、じっと待っている。
持参の自慢料理にいく箸が止まる時がくるのを。
見計らって、お任せ料理を出していく。
誰でも手を出す料理から順に出していく。
できるだけ温かい料理を出していく。
自慢料理は、すでに冷めている。

これまた自慢のパンを出したい妻を制する。
普段は作らない、えごまを入れたフランスパンを作ったのである。
今出したんでは、パンの価値がなくなる。
妻は訳が分からず、むくれ顔。

客の箸が動くのを観察しながら、次から次に料理を出していく。
えっ、まだ出るの。そうは言うものの、腹に納まっていく。
最後のピザを出して、これが最後の料理です。と妻に言ってもらう。
今日のお客さんの中には、酒が苦手な人が多いとみている。
すかさず、コーヒーはいかがですか。と勧める。
予想通り、酒が苦手な人が手をあげた。
そして、ここで初めてパンを勧めた。
お土産にしても良いですよ。
あにはからんや、包装をといて食べているではないか。
シンプルな味のフランスパンは、食べ飽きた頃旨いのである。
コーヒーにも合うのである。
このパンが欲しいが、普段も作っているのかと尋ねられる。
妻は、喜んで説明している。

赤いシャツを着るのは、少々目立ちたいからです。
赤い靴もリュックも同じ理由です。
こだわった一品は、使い続けても飽きないし、実に機能的である。
使い続けているから、赤い靴もリュックサックも、少々「紅(垢)」じみてきた。

「赤い服」でした。
赤い服をきていたのは、可愛い子ではありませんでした。

急ぐなよ 言ったではないか また割った
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限られたできること

2018-05-24 06:57:07 | プロジェクトエンジニアー

弟分が、兄貴分に呼びかけています。
あんさん、なんや。
兄貴分は少々冷たい反応です。
出ぬ答えを求められてもな。


今日のテーマは、「限られたできること」です。
カフェでは、火曜、水曜と2日間の定休日を採用しています。
火曜日は、朝早くから妻と一緒に1ラウンド周りました。
久しぶりに、晴れ間の下やるゴルフは楽しかった。
すぐさま、特別に入った夜の予約客へ出す食材の調達。
少し休んで、料理の仕込み。
終って、帰ってきたら夜の10時でした。

水曜日は、一週間をめどの食材の買い出し。
翌日の木曜日は、朝早くからパン教室、昼の予約、夜の予約と続きます。
そのための仕込みとなりました。
帰ってきたのは、夜8時でした。

結果、定休日に8時間ずつ働くことになった。
食べ物屋さんの休みは、案外ないようなものと聞きます。
単に、店が開いてないだけのことのようです。

自営業や、サラリーマンで、畑を持っておられる方は、早朝5時頃から草刈りに出かけられます。
タンク一杯の燃料が空になったら、帰って朝食です。そして、本業です。
そうしないと、毎日必要な野菜の世話ができないからです。
私はというと、カフェにお客さんがいない時になります。
お客さんが来られないのは痛手なのですが、嬉しい時もあるのです。
草刈りや、野菜の世話ができるからです。

日本中のどこでもそうですが、兼業農家の普通の生活です。
一日を有効活用する。
都会と違って、通勤時間が極端に少ないからできるのです。
そして、夜には集まって一杯やる。
田舎の家計簿で、一番の出費は交際費です。

東京の中野や新橋で、腹いっぱい食べてここまでにしようと飲んで、一人3000円です。
ところが、田舎ではそうはいかない。
残念ながら、4-5000円/人が相場です。
それに代行が足されます。容易ではないのです。
カフェでは、3000円/人を目指しています。
年間250日開店し、平均5人/日では赤字です。倍の10人/日でとんとんです。
都会では、20人/日の来店客があるでしょう。
だから、田舎は高くなってしまうのでしょう。薄利多売とはいかないからです。
家族で運営する田舎の食べ物屋さんは、週に2日も休めないのです。
若者が離れる理由です。

都会と田舎、どちらが良いとも言えない。
人それぞれの理由があって決めることです。
それぞれの場所で、「限られたできること」をやっています。

都会では兼業は簡単ではないが、田舎ではできてしまう。
バランスがとれているのです。
どちらも、「いいとこどり」とはいきません。

蛍どん どっちの水が 甘かった

2018年5月24日
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空き家の倒壊

2018-05-23 06:05:59 | プロジェクトエンジニアー

あんた誰、私ね。
とうタイトルの絵です。
人との会話は、こうして始まる。


今日のタイトルは、「空き家の倒壊」です。
全国で、820万戸もある空き家です。
ぼろ屋でも建物が建っていれば、固定資産税が減免されることはなくなった。
一方、新築住宅信仰の熱が冷めない。
ローン減税などで後押しをしてきた。中古住宅取得者には、築年数などで制限があった。
いずれも国の施策で進められています。

呉市警固屋地区で聞いた話。
地主が土地を持ち、地代を払い上物を自分が建てる。
上物に住む人がいなくなったら、上物を解体し地主に返す。
川崎市でも事情は似たようなものです。

私は、現在空き家を借りて住んでいます。
放置した空き家に住むことは、どういうことなのか知りたかった。
住んでいた人が亡くなって、5年間放置された空き家はすさまじかった。
特に水回りがひどかった。
寒冷地故に、冬場は凍ることが常識の地域です。
水抜きはされていたものの、
井戸用ポンプ、太陽光温水器は完全に破壊されていた。
亡くなるくらいだから、家はゴミだらけで片づけられていなかった。
残念なのは、亡くなったあと片付けるというより、金目の物はないかと家探しをされていた。
震災で、北と東に30cm傾いていた。
軒樋は、当然のごとく逆流していた。
排水も心配したが、こちらは修繕して何とか使えた。

もっと驚いたことは、見知らぬものに空き家を紹介したときの対応であった。
住みたいんだったら、自分で片付けて修繕しろと言わんばかり。
仕事で来て、私はこんな扱いをなぜ受けなければならぬのかと疑問に思い哀しかった。
凄まじいのは、空き家だけでなく、庭木は伸び放題の荒れ放題、付随の畑は篠竹だらけ。
引っ越して二日後に、近所の方に道路に出っ張っている木を伐れと言われた。
連絡がちょっとつかないと、「もう帰ったんかと思った」と言われた。
粗大ごみの産廃と足が抜ける座敷や廊下と台所の張替えをし、くすんだ家のクリーニングをした。
片づけだけで、妻は毎日をつぶし、私は休みを使った。
地域おこし協力隊を採用した側の誰一人として手伝ってくれた人はいなかった。
何とか住めるようになったのは、半年後のことであった。
かかった費用は、一年間に支払われる給料と同じ200万円。
半分は、市役所が勧めてくれた補助金を使った。
しかし、ここまでしても都会に住む持ち主に払う家賃は決して安くなかった。
友人が紹介してくれた大工さんが、ぎりぎりの代金で、修繕してくれた。
大工さんが言われるには、修繕してまで住む価値は、この家にはありませんと言われた。
3年間、住めるぐらいの最低限の修繕にした方が良いですよとも。

これではと、移住を進める行政と地域の姿勢の本気度に疑問を持った。
本当は、困っていないんじゃないかとも。
移住して、3年目を迎え、地域の人も手が付けられないことなんだと実感した。
そんな折、傾いていた近所の古屋が、昨日音もなく倒壊していたことが判った。
かつては、賭場として使われたと、誰かに教えられた。

私は、腹をくくった。まず、空き家の持ち主の許可をもらった。
表通りから入る、かつての繁華街の通りにある空き家の草を刈り、うっそうとした庭木を剪定した。
散歩しても良いかなと思われるまで、半年かかった。
少しまともな古屋を「お試し居住」と称して、移住希望者に使っていただいている。
古屋の周りの草や木までは手が付けられない。補助金がカバーできるのは古屋の管理まで。
ましてやこの地域はこんなに価値があると説明するには、気が遠くなるような時間がかかる。
なにしろ耕作放棄地が続き、大地を緑に保つ農業が次世代に引き継がれることも困難なのである。

借りることになったカフェも、自宅と似たり寄ったりの惨状であった。
こちらは、地域の方が協力してくれた。
この人は、本気だぞと少しずつ思われてきたからである。
こちらでも壊れた機材とカフェの修繕に200万円を使った。
給料など残らない。国からいただく補助金は、修繕費の半分ほどであった。
イベント参加(手伝い)もできなくなった。

カフェの経営は当然のごとく赤字であった。
赤字になったのは、始めた私個人の負担となる。
遠くの人に呼びかけることはせず、ひたすら地域の人の集いの場所としての環境(清潔、便利、気安さ)を整えた。
少しでも黒字にしない限り、若い人に繋げられないと頑張っている。カフェの経営に補助金は使っていない。
カフェを中心に働いているが無給である。あくまで地域おこしの仕事なのである。

なぜこんな苦労をするのか。
地縁も血縁もないのに。
ここが好きだから来たわけでもない。どこでもよかった。
苦労は当然の、仕事だから。それだけです。

私は、変化が見たい。
価値とはなんなのか知りたい。
潤いとはなんなのか、発信し続けたい。
おらが村の自慢をしたくなるまで続けたい。

恩返し やがて日本に 地球まで

2018年5月23日
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是々非々(Part2)

2018-05-22 06:59:56 | プロジェクトエンジニアー

ハウスで獲れる苺です。
大っきいのが美味しい。いやいや、ちびも美味しい。
どっちも美味しいと皆が知る。
是々非々。


今日のタイトルは、「是々非々(Part2)」です。

昨日は、商工会の会議があり、新しく役員が決まりました。
新メンバーを印刷した紙が配られました。事前に話し合われた結果なんでしょう。
2018年3月30日投稿記事「是々非々」では、
良いことは良い、悪いことは悪いと、事に応じて判断すること。(広辞苑より)
(中略)
本音だけで話してもけんかにならない関係が、あると良いですね。
そんな場所があるとしたら、世界一入りにくい居酒屋なんでしょう。
(「是々非々」より抜粋)

宴会の途中で、友人と抜け出しました。
その後、数人に電話でカフェに誘いました。
私は、友人にもっとやったら良いのに、本当はやらなければならぬのではと話しました。
彼は、地域の役に立ちたい、そして立てると自他ともに認めている人物です。
家業の関係からそうもいかない。
家督を譲る準備をされています。もう少しかかるのでしょう。

カフェにどやどやと集まりました。
その中に、第一印象が「偉そうな」人も混じっていました。
友人と二人で、「後ろにつっかえ棒が必要な人」と共通評価しました。
ところが、来られた偉そうな人は、とても正直でした。
家業の、リーダーシップの困難さについて語り始めました。
この辺りでは、パートで時給800円、正社員で時給換算で1200円と言われました。
私は、カフェのかたわら会社のコンサルタントもしたいと話しました。
それから彼の夢を聞き、私の世界情勢について互いに語りました。
すべて本音です。
どうやら、わいわいと皆が話していました。
酔っぱらいが困らせることもなく、2時間半で皆さん家路に付かれました。
これからも本音で話せるカフェにしたい。
正直に言っても良いんだと、皆さんにガス抜きをしていただきたい。

皆さんで話し合って決まったことが一つだけ。
カフェ杯を争うゴルフコンペをしよう。
今日これから行くゴルフ場で5組の予約をすることにしました。

忙しい日々をさらに忙しくする。
しかし、面白いことをしようと皆が話し合ったように思います。

もぐらどん 寄って決まった ゴルフだす

2018年5月22日
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結果を残す

2018-05-21 07:24:24 | プロフェッショナル

アパートから見た朝焼けです。
タイトルは、去る者は追わず、来る者は拒まず。
そんな方がおられました。
ありがとうございました。


有名な歌手や俳優たちが、旅立って行かれます。
この地に来て、いくつかの会合に出席する機会がありました。
紹介され話をし、もう一度お会いしたいと思う方がいました。
顔を覚えるためと描き始めた似顔絵を持参し、その方にお会いすることができました。
失礼があってはならぬと一生懸命描きました。
そして、大胆な第一印象を文字にしました。
似顔絵をじっと見て、笑顔を上げられ家に入ることが許されました。
間違いなく、素晴らしい話が聞けました。
そんな方の一人が逝かれました。

今日のタイトルは、「結果を残す」です。
その方は、専門書を取り寄せ、なぜそうなるのかを学ばれ、自分の畑や果樹園で実践されました。
結果は、ぶれない作物の出来栄えでした。
奥深い味わいの果物であり、肉厚の野菜でした。
その方の畑の土は、手で掘れるほどふかふかでした。
肥料として、有機物がしっかり入っている証拠です。
長年続けておられることが、一目でわかりました。
畑の周りは、極力草を刈らない。
作物から、虫を寄せる工夫でした。
信じたことを続けておられるから、土に活性がある。
少々のことがあっても、結果(出来映え)がぶれない。

「結果を残す」ことは、狭い範囲のヒット率を上げることではなく、
成功する基礎力の幅をあげることです。
ここまでやれば、結果が出せる。
いや、結果が付いてくる。

勝負の世界で、感動的な場面に出会うことがあります。
針の穴を通すような技術に見えます。
鍛錬によって、針の穴は洗面器になりたらいになる。
プロフェッショナルにとっては、当然の経過です。
あとはルーチンワークをするだけ。

「結果を残す」だけでなく、出し続ける。
理想が高いから、少しの成功では満足しない。
結果が出なくても、耐える。
予想のレンジが広いから、補うこともできる。
目の前のベストに挑戦し続ける。
歩いた後を汚さない。
隠しはしない、正直に見せる。
後に続けと、見せている。

そんな方が逝かれました。
実は、もう少し話が聞きたかった。
私の怠慢です。

花咲かせ 惜しまれながら 後に咲け

2018年5月21日
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