熊の磨崖仏です。
なん百年もこの顔です。
じっちゃんの顔に近いかもしれません。
これに較べたら、ほんのちょっとの間です。
今日のタイトルは、「年寄りの小言」です。
コンビニやデパートで買い物をする。
歳を重ねるごとに気短になるようです。
マニュアルトークはいいから、買ったものを早くよこせ。
俺の言う通りにしろと言わんばかりです。
隣にいる人は、他人の顔をする瞬間です。
身体はきれないし、新しいことには慣れない。
そんな自分に腹が立っているのは、外ならぬ自分自身です。
これまでは、仕事の関係もあり辛抱強く説明してきました。
それが突然別人のごとくになる。
酸いも甘いも噛分けてきた年齢の方は、若い人がやっている行動の次が見えてしまう。
やっぱりそうか。
そんなことは良いから、早くよこせとなるのです。
ところが、同じ年代のばあちゃんは違います。
あんたも年をとったね。
よぼよぼじゃないかなんて言われても、案外腹が立たない。
そうなんだよ。今朝食ったものまで忘れる始末さ。
年は取りたくねえもんだ。
と互いに、笑って過ごせるのです。
カフェで若い娘さん(二十歳頃)と件の先輩が話しています。
どうやら、コミュニケーションが成り立っているように見えます。
若い娘さんは、孫世代。爺ちゃんと一緒に生活しています。
爺さまの扱いがうまいね。
さすがに、〇〇さんの孫だけあるわい。
と私。
先輩も、なんだよそれは、と苦笑いです。
若い人は、核家族で育った世代。
親子二世代で暮らしていても、食卓は別という。
互いに、相手がどういう人(好みや考え方)なのか知る由もなし。
入れ歯でかみ砕けない固いものは好まない。
薬を飲みながら、油物は受け付けない。
酒(熱燗)だって、湯で割りながら飲む始末です。
ところが、口だけは達者です。
口だけは達者でも、暇があればうとうとしてしまう。
年寄りの小言は、生き字引です。
同じ話を何度も聞かされます。
話のきっかけ、次の展開と少しずつ違います。
よーく聞いていると違いが判ります。
俄然乗ってきても、聞いてあげましょう。
あれ、俺ばっかり話してすまないね。
ところでなんだね。
と思い出したように聞いてくれます。
若い頃頑張ったので、引き出しはいっぱいあるのです。
時々その引き出しを出さないとお蔵入りになってしまう。
年寄りの小言は、虫干しみたいなもんです。
なーんだ、こんなことも知らないの。
学者は嫌だね。となります。
どこかで聞いたくだりです。
券売機 前に来てはて また見上げ
2018年5月15日