
自分では、どうしようもないことがあります。
運命であったり、境遇であったりします。
一昨日の「これからの人」もそうでしょう。
大勢の人の運命を担ぐ仕事に就くわけです。
不安もあり、怖れを感じることもあるでしょう。
私は、そんなことを感じる時には、素晴らしいものに触れたくなります。
芸術であったり、美味しいものであったりします。
冒頭の絵は、加賀友禅の絵柄です。
染める人は、怖がりながら一筆ごと魂を込められたことでしょう。
先輩に教えられたようにやってきたことでしょう。
冷たい川で染め上げたものを晒すしかないのです。
どうしようもなく美しいものに触れると、あきらめのように気が納まることがあります。
芸術そのものが発散する力だと思います。妙に納得するのです。
気が納まると、恐怖は和らいでいきます。
怖れが何に対してなのか、漠然としています。
会社勤めを一時中断していることもその理由でしょう。
これからのことへの不安もそうでしょう。
不安を感じる自分への恐怖もあるでしょう。
肝臓外科医師の高山さんは、不安を力に変えると言われていました。
不安を感じるから、より慎重になり最善を尽くそうとされるのでしょう。
自分の力を信じることも大事です。
自分の未熟を知ることが、もっと大事なことだと言われているのかもしれません。
怖れを感じることは、普通のことなのです。
今やれることを、やるしかないのです。
先人から教えられたように生きていくのです。
優れた芸術から力をいただくのです。
自分の中の弱さを知ることです。
それから先のことは、また考えることにしましょう。
山の海 白波に向け 舵を切れ
2015年10月16日