夢を見ました。
今や浪人の身故に、見たのでしょう。
あわただしく社長さんは、軽自動車に乗って帰られました。
あのう、今日が面接の日ですが、私の待遇はどうなりましたか。
そやな、45万円が相場やな、どうやろ考えといてや。
一月分の給料の話です。
どちらかと言うと、風采の上がらない社長さんです。
服装も地味で、乗る車も軽自動車です。
遊びに行くためにあわただしく帰ったのでもないようです。
舞台は、夕方の工場です。
女将さんが、仕事が終わって行儀よくお茶をすすっている女子衆さんに
何か錠剤を一人一人の手に配っています。
これ飲んで栄養を付けてまた頑張ってやと言っておられます。
きれいな人なのに、腰の低い社長夫人です。
女子衆は、どの方も丸々とふくよかです。
包装やダンボール箱詰めをしているらしいのです。
重労働であるはずなのに、どの女子衆も柔和な顔をされています。
、
何を作っているのかと、工場を見に行きました。
案内をしてくれた社員の方は、床に埋まっているアルミ缶を抜いて見せてくれました。
周りに、出汁の素の古臭い絵が付いていました。
どうやら、ある会社のOEM(Original equipment manufacturing、受託生産)工場であったらしいが、
その会社が倒産して、技術のあるこの会社が元請けとなっているらしいのです。
新しい品物(クロワッサン、デニッシュ、クッキーか)を作るので、あんたにも手伝ってほしいと
言われています。我々が生地を作るからあんたに焼いてほしいと言うのです。
そりゃ、パン屋に勤めていました。だけど、焼くことは出来ないと断りました。
それよりオーブンを見せてください。何かのお役に立てるかもしれません。
オーブンの熱源は太陽光の熱源らしいのです。
その新技術の開発に協力した電気会社にいた社員さんは、会社を辞めてこの会社に入社したとのこと。
電気会社がこれ以上の開発はやらない決定を下したので、この会社をサポートするためでした。
変わった人です。
エンジニアリングになっていない。
皆さんがてんでばんらばらに動いているように見えます。組織として動いていないような。
でも活気があります。自分の持ち場を一生懸命やっておられます。
エンジニアリングとは、「スケジュール、コスト、品質」と私は話しています。
どの話をしても、皆さん勝手にそのことについて意見を言い始め、私の話は前に進みません。
少しずつ、こうした方が良いと、メリットとデメリットを話します。
そうだ、そうだとまた勝手に感想を述べ始めます。俺はこうしていると。
そうじゃない、組織としてリーダーが決めたことをやっていくのだと話します。
スケジュールもコンセプトもありません。しかし皆さん生き生きとしています。
それでは、新商品のレシピーを見せてくださいとお願いをしました。
では、見せてやると付いていきました。
ステンレスのボールの中に原料を次から次に入れてこれだと見せてくれました。
途中、一杯だったかなと迷っておられました。
隣で手伝いをしていた女の方が、あんた一生懸命やっていたがなと言われます。
メモは何処にあるのでしょう。
通りがかりに、役員と称する人に会いました。
私は、字が上手やから役員をしていますと説明を聞きました。
字を書く役なのです。
とんでもない会社と思われない雰囲気があるのです。
自分の仕事が終わったら、さいならと意気揚々と帰られます。
皆遅くまで働いているけど、だいたい7時までには帰るなと誰かが言われました。
まとまりがないように見えます。
皆さん、人の仕事の手伝いや困った時のアドバイスを嬉々としてやっているように見えます。
自分の仕事が遅くなっても関係ないようです。それは残業でやれば良いと言う雰囲気です。
なにしろうるさいのです。仕事がきっちりとできてないように見えますが、
なんとなくまとまっています。
私達は、これこれでなければならないと、
どこかで言われた方式の真似事をしているのに過ぎないのではないでしょうか。
それぞれ、意見を出し合って、今度はこうしようと面白がって前に進んでいます。
45万円じゃやすいと皆さんに言うと、
そうやなそれは安いなと言われます。判断の基準はないのです。
給料はその人が決めるのです。一人前ではないと思っているので不満はないようです。
それぞれの仕事に合った給料です。経験も年齢も関係ないようです。
安くてもその仕事が好きだから。
沸いているような職場です。
働くものすべての人が汗をかき、湯気が上がっているように見えます。
かつては、こんな職場を見たものです。
いつしか冷え切った職場になってしまいました。
なべさんに こしたらどやと やかん言う
2015年10月26日